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「FFXI」大規模アップデート:「侍」ジョブの大幅な変更,「アトルガンの秘宝」向けバトルフィールド戦の追加など盛りだくさん
2006/10/19 18:11
 スクウェア・エニックスは本日(10月19日),MMORPG「ファイナルファンタジーXI」(以下,FFXI)の大規模アップデートを実施した。前回の大規模アップデート(7月25日)からは,3か月弱ぶりということになる。ここでは,その内容をざっと紹介していこう。



■「アシュタリフ号」を舞台とした新たなバトルフィールド戦が追加

FFXIのアサルトは,プライベートエリアのメリットを最大限に生かしたシステム。社会人など時間に余裕のない人でも十分に楽しめるのだ
 今回のアップデート項目を見ていくと,4月下旬に発売された拡張データディスク「アトルガンの秘宝」のバランス調整およびアップグレードが主なものとなっている。それらの中でも順当なアップデートといえるのは,アトルガン皇国の傭兵として蛮族軍の本拠地を急襲する「アサルト」に関してだ。
 アサルト用の作戦が新たに10種類,そして「軍曹」「曹長」のランクが追加された。準備時間を含めて30分〜1時間程度でスリリングな冒険を満喫できるアサルトは,いまや「BCNM」や「ENMクエスト」と並ぶ,現在のFFXIを代表するバトルコンテンツへと成長したといえる。

 そして,アトルガンの秘宝にちなんだ新たなタイプのクエストとして,「アシュタリフ号」なるものが追加された。流れとしては,アトルガンミッションをある程度進めると,拠点エリア「ナシュモ」の南東部にいる皇国軍兵士から依頼を受けられるようになる。そしてドゥブッカ島の西に停泊している連絡艇へと乗り込み,その先でバトルフィールド戦を繰り広げるというわけだ。

 アシュタリフ号の全体的なイメージとしては,前回のアップデートの際に追加された「皇国軍戦績」を用いるバトルフィールド戦と似ているが,細かい部分が微妙に違っている。例えば参加時の条件にはいくつかのランクがあり,最初に受けられるのは「アトルガン青銅貨」が3枚と,リーズナブルな条件に設定されているのだ。
 またストーリーが進展するにつれランクの高いクエストも受けられるようになり,バトルフィールド戦の難度や達成時の報酬がアップする仕組みである。アシュタリフ号のレベル制限は“無制限”対象人数は3〜6名となっているので,この機会に気楽に挑戦してみてはどうだろうか。

左:「アシュタリフ号」のクエストは,参加条件がかなり低く設定されているのが魅力。これまでは閑散としていたナシュモが,今後賑わってきそうな感じだ 中央:アシュタリフ号はかつて栄華を誇っていたものの,現在は幽霊船となっているらしい。このあたりのストーリー面も気になるばかり 右:何よりも,新たなバトルフィールド戦で得られる報酬品が気になるという人は多いだろう。ちなみに写真は皇国軍戦績を用いるバトルフィールド戦での様子


■「侍」の大幅変更により前衛のサポートジョブも多様化!?

 続いては,細かなジョブバランスの調整について。今回の調整で主な対象となったのは「侍」「召喚士」「竜騎士」といったところだが,中でも侍の変更点は,多くのプレイヤーの注目を集めそうな印象だ。

 具体的に説明すると,侍用の新アビリティとして「八双」「星眼」の二つが追加され,それによって戦闘スタイルをオフェンシブ/ディフェンシブに切り替えられるようになった。すなわちパーティ内における自分のポジションに応じて,アタッカーもしくはタンクのいずれかの長所を伸ばすことができるのだ。
 星眼の導入によって,いきなり忍者やナイトといった盾ジョブの座を奪うとはさすがに考えにくいが,両アビリティの習得レベルがLv25/35となっている点に注目したい。すなわち,サポートジョブに侍を選んだ場合でも,これらのスキルを活用できるというのが今回のキモである。

 現在の前衛用のサポートジョブは忍者,続いて戦士がメジャーとなっているが,そこに侍という選択肢の誕生を感じさせられる。例えば八双によって命中率に余裕が生まれることで,食事を寿司(命中率アップ)の代わりに肉料理(攻撃力アップ)を選べたりすると,かなり面白いことになりそうだ。中でも竜騎士や暗黒騎士といった,両手武器を得意とするジョブには朗報といえよう。このあたりのバランシングが,実際どの程度に施されているのか興味深い。

左:侍は両手持ちの武器を自在に操るイメージ通りのジョブ。FFXIは国産タイトルということもあり,和風文化の描写もなかなかのものだ 右:侍は連携重視のジョブという位置付けだったものの,近頃は戦闘時間の短縮化によりその長所が発揮されにくかった。それだけに今回の変更は大いに期待が持てる


■「チョコボ育成」や「ビシージ」といったアトルガンの秘宝用のコンテンツも仕様調整

たとえるならば,現在のチョコボ育成はFFXI版「たまごっち」といったところ。この先に用意されているチョコボレースの実装が待ち遠しい
 それ以外のアップデート項目は,アトルガンの秘宝のバランス調整といった意味合いが強い。前回の大規模アップデートからやや遅れて実装された「チョコボ育成」は,従来は単なる騎乗用だったチョコボに,育成要素を盛り込んだコンテンツ。それが今回のアップデートで,育て方によっては“つま先”や“しっぽの先”などといった部分に微妙な違いが出てくるという。

 移動スピードや騎乗時間といった面で劇的な違いが出てこないこともあり,現在のチョコボ育成はやや地味な印象を受ける。しかしチョコボ育成はいずれ実装される「チョコボレース」へと結びついており,実装時にきっと大きな盛り上がりを見せるだろう。チョコボの育成には現実時間で月単位という長い時間を要するので,気になる人はもうそろそろ育成に取り掛かるのが賢いかもしれない。

 そして最後に紹介するのは,単一エリアに最大で700名+αものキャラクターが集まって激戦を繰り広げる「ビシージ」について。攻めてくる蛮族軍がより一層強くなり,それに比例してキャラクターの得られる経験値も多くなるといった変更がなされている。従来ではビシージでの戦闘を数時間規模で続けても,最大でたった700しか経験値を得られず,ようやくこれが修正されたという印象だ。
 ちなみにFFXIの動作環境はナローバンドにも対応しており,(現在の水準で見れば)極めて低く設定されている。にもかかわらず競争の激しいMMORPGジャンルにおいて高い人気を維持しているのはお見事だが,それだけに処理面で高い負荷のかかるビシージの落としどころには難航しているようだ。

 今回のアップデートの主な要素は以上である。“メリットポイント”が大幅に拡充された前回と比べると一見地味だが,よくよく見るとあらゆるプレイヤー層に向けた仕様変更なのが分かるだろう。(ライター:川崎 政一郎)

ビシージにおける処理面の問題は,現状のインフラでは解決不可だと思われる。個人の戦術を追求するのは難しいため,大人数が一か所に集まることによる,お祭り的な雰囲気を気楽に味わうのがいいかもしれない

ファイナルファンタジーXI
■開発元:スクウェア・エニックス
■発売元:スクウェア・エニックス
■発売日:2002/11/07
■価格:オープン
→公式サイトは「こちら」
ファイナルファンタジーXI アトルガンの秘宝
■開発元:N/A
■発売元:スクウェア・エニックス
■発売日:2006/04/20
■価格:オープンプライス
→公式サイトは「こちら」
ファイナルファンタジーXI プロマシアの呪縛
■開発元:スクウェア・エニックス
■発売元:スクウェア・エニックス
■発売日:2004/09/16
■価格:オープン
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ファイナルファンタジーXI ジラートの幻影
■開発元:スクウェア・エニックス
■発売元:スクウェア・エニックス
■発売日:2003/04/17
■価格:オープンプライス
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2006.10/20061019181112detail.html