オープンβテスト以降,「CABAL ONLINE」はどう変化していくのか。今後の展開をゲームポットに聞いてみた
CABAL ONLINEのGMを総括する「Star-Bringer」氏。クローズドβテスト中に,彼のキャラクターを見かけたという人もいるだろう
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ゲームポットが2006年内の正式サービスを予定している「CABAL ONLINE」。オンラインRPGでありながら,アクション性がとても重視されているタイトルで,とくにスキルを立て続けに繰り出していく「コンボ」は,爽快感バツグン。それでいて“単調なクリックゲーではない”というところが,このジャンルにやや食傷気味な人の興味をも,密かに集め始めているのだ。
CABAL ONLINEのサービススケジュールに関しては,9月中に合計9日間にわたるクローズドβテストが実施された。そして本日10月12日,いよいよオープンβテストへ移行する(この記事掲載時点では,すでに始まっているはずだ)。 4Gamerではこのタイミングでゲームポット本社へと赴き,CABAL ONLINEのGMを総括している「Star-Bringer」氏をはじめとした運営スタッフに,オープンβテストにおける追加/変更要素,今後の構想などを紹介してもらった。本記事ではその取材で得られた新情報を,まとめてお伝えしていこう。クローズドβテストの経験者はもちろん,本作に興味のある読者は一読していただきたい。
■ユーザーからのフィードバックを元にゲームシステムを改善
まずはゲームシステム関連の変更点から紹介していこう。オープンβテスト版における最も大きな変更点としては,レベルキャップが50から75まで拡張されることが挙げられる。それに伴い,キャラクターはいくつかの“エンディング”を迎え,新たなマップで冒険できるようになる。
CABAL ONLINE未経験者のために補足すると,本作ではNPCから受けられるクエストをベースにストーリーが展開していくが,ある程度の段階で“エンディング”を迎えるというのが大きな特徴である。エンディング時には立派なロールも流れるものの,“これで終わり”という意味ではなく,ストーリー上の区切りといったところ。つまりクエストを通じて,キャラクターは一人前の戦士へと成長していき,エンディングを迎えることで,より一層ゲーム内世界に深く関わっていくわけだ。 なおオープンβテスト時点では,キャラクターのエンディングは「50/60/70」の3段階を予定しているとのこと。
続いて,操作系統に関する変更点。本作は元々,移動やカメラワークなどの操作方法において,幅広いスタイルに対応しているが,これがさらに進化することになる。 Star-Bringer氏によると,クローズドβテスターからの要望が最も多かったのが,「チャットシステムが使いづらい」という点だったという。この問題に対し,フォントサイズやチャット行数の変更,そしてEnterキーを押さずとも直接チャット入力できるモードなどが選べるようになる,といった改善が施される。
またグラフィックスに関しても同様で,クローズドβテスト時にはアクティブでなかった,テクスチャのクオリティ調整が行えるようになる。本作は綺麗なグラフィックスとは裏腹に,「5年前のPCでも動く」という軽快さがウリの一つだが,この調整機能は例えば,大人数が集まるギルドバトルなどでも重宝するはず。なおテクスチャのクオリティ調整は5段階となっており,クローズドβテスト時には,常に最高設定が適用されていたとのこと。
そして個人的にとても面白いと感じたのが,プレイヤーがログインしていない時間に比例して,取得経験値2倍の“ボーナス期間”が増えていく,というシステムの実装である。2倍になるのは“時間”ではなく,“一定量の経験値を取得するまで”,という部分に注目してほしい。つまり操作テクニックの優劣に関係なく,平等に恩恵が受けられるのだ。 これはライトユーザー層のモチベーション維持に役立つ,大いに好感が持てるシステムであろう。学生や社会人など,毎日ログインできないライト層の人でも,コアプレイヤーにある程度追いつきやすい環境が生まれそうだ。
■ハイレベル向けのエリアが2か所追加される
本作では,キャラクターがエンディングを迎えることで,新たなエリアへと挑戦できるようになる。クローズドβテストでは,レベル50で「ポートルクス」という港町/火山島エリアへ行けるようになっていたが,オープンβテストの実施に合わせて,さらに高レベルキャラクター向けのエリアが追加されるのだ。 現時点では2エリアの実装が確定している。それらをざっと紹介していこう。ちなみに,両マップへ移動するには,従来と同様にエリア間のポータルを利用することになる。
・フォートルイーナ 挑戦するためにはレベル60以上を要するという,高レベルキャラクター向けエリア。はるか昔に繁栄していた文明が崩壊した世界,というのが本作のバックグラウンドストーリーだが,フォートルイーナでは,エリア内のところどころで,かつての文明の名残が見受けられる。 例えばある場所には,列車用の線路が敷かれており,老朽化した列車などが放置されている。出現するモンスターも,「エレクトリックバード」といった,高度な機械文明を匂わせるものがいる。このエリアに登場するモンスターはいずれも強力で,今回プレイしたレベル70のキャラクターから見ても,全部が“赤”の名前表示であった。
フォートルイーナの中心部にはダンジョン,そして西端には大きな駅舎がある。この2ポイントではボスクラスのモンスターが多数登場し,メインストーリーに大きく絡んでくる“何か”があるとのことだ。モンスター配置は従来のエリアと比べて密集しており,攻略難度はかなり高そう。いずれ挑戦してみたいものである。
・レイクインダスク
こちらはフォートルイーナよりも,さらに高レベルキャラクター向けなエリアだ。山脈を越えたところにある大きな湖を舞台としており,ミュータント系の強力なモンスターが拠点を築き上げている。いったいどのような原因なのかは不明だが,GPS(マップ表示機能)を用いてもマップを見ることができないという点も,このエリアの特徴だ。つまり,画面右上のミニマップだけを頼りに,手探りの状態で進まねばならず,このあたりも難度アップに拍車をかけている。
出現するモンスターも極めて強い。今回はレイクインダスクに,レベル100のキャラクターで出撃したのだが,エリアに入ってすぐの場所で返り討ちにされてしまった。Star-Bringer氏に話を聞いてみると,現在のレイクインダスクは,レベル110以上のキャラクターを対象としたバランスで,パーティ単位での戦闘が望ましいとのこと。今後このバランスを調整し,最終的に70前後のパーティで攻略できる難度にするようだ。果たしてオープンβテスト中,このエリアに到達できるキャラクターが何人出てくるのかは分からないが,現時点での最終目的地だと考えていいだろう。
■より強力なアイテムが得られる「製造」システムの実装
オープンβテストを機に,まったく新たなコンテンツも実装される。その中で要注目といえるのが,「製造」システムだ。アイテムを自らの手で作り出せるというのはイメージ通りだが,本作の製造はかなり上級者向けに調整されているのが特徴である。
製造を行うためには,ポートルクスにいるあるNPCからクエストを受け,クリアする必要がある。ただしそのための条件は「レベル65以上」。かなりのハイレベルなクエストである。しかも,製造できるアイテムのジャンルは,武器/防具/アクセサリー/消耗品といった計6種類があるものの,1キャラクターにつきたったの1種類しか専攻できない。 さらに,製造時には「名誉ポイント」という,主にクエストやPvPによって入手できる新たなリソースを,大量に必要とする。 ここまで読むと,非常にハードルが高そうな印象を受けるが,製造で生み出されたアイテムには,それに見合うだけの性能がある。製造アイテムは性能値にランダム幅が適用され,場合によってはショップでの購入やモンスターからのドロップよりも,大幅に強力なものが作れるのだ。 なお,一部の製造アイテムには,例えば“クリティカル発生率Up”などの特殊効果も付与されるという。最高性能の製造アイテムには,計り知れない値が付くことは間違いない。 また名誉ポイントを一定量消費することで,「名誉ランク」を上昇させることができ,よりクオリティの高いアイテムが製造できるようになる。手っ取り早く製造アイテムを作りまくるか,あるいは名誉ランクを先に上げるか。実に悩ましい選択だ。
■外見が大きく変わる「エポーレット」なども実装
製造以外のアイテム関連で,今後ユーザーの目を惹きそうなのが,「エポーレット」(マントのような装備)の導入だ。マントが実装されているオンラインRPG自体,現時点ではそれほど多くないが,本作でとくにユニークなのは,クラスによって見た目が大きく変わること。今回はブレーダー用のエポーレットを見せてもらったが,これは片側の肩から下げるマント状のもので,キャラクターの動きに合わせてなびくさまが,とても格好よかった。
エポーレットにはいくつかの性能ランクがあって,基本的にはモンスターからのドロップ品として入手できる。最高ランクのエポーレットが途方もないレアなドロップ率なのは,言うまでもないだろう。 なおエポーレットは,特定レベル以上の鎧を着ていないと,グラフィックスとして反映されない(ステータス変化は常時反映)。ランクの低いエポーレットでもレベル50前後が装備条件となっており,どちらかというと中級者以上向けの要素である。 また,厳しい条件などが設定されておらず,それを着るだけでグラフィックスが変わるタイプのものも登場するようだ。これのイメージとしては,「ブライトキングダムオンライン」の“アバターポーション”が近い(鎧の上に重ね着して,主にグラフィックスを変更する装備)。 エポーレットを着ることで装備を隠して初心者のフリをする,といったPvPを意識した使い方や,クリスマスイベントの際にサンタの格好をするなど,さまざまな用途/展開が期待できそうだ。開発/運営チームのアイデアに注目したい。
■対人戦が終着点となっているが,ライトユーザーでも気軽に参加できる
ここまで読んでみて,CABALは基本的にPvE(プレイヤーキャラクター対モンスター戦)を軸としたタイトルだと思った人も多いだろう。しかし本作は,最終的には対人戦(PvP)へと行き着くゲームデザインになっているのだ。このあたりについて,今後の構想を含めて話を聞いてみた。
本作の対人戦は大きく分けて,個人戦と集団戦の2種類がある。個人で行う場合は相手の同意を必要とせず,例えばプレイヤーキル(PK)といった一方的な行為も可能だ。もう一方の集団戦は,ギルド同士がぶつかり合う,いわゆるギルドバトル(GvG)と呼ばれるもので,先述した名誉ポイントをお互いに賭けてバトルを繰り広げる。GvGの際はエリアのみならず,チャンネル全体を舞台にできるので,かなり大規模なものになりそうだ。 もちろんプレイヤーの中には,対人戦を望まない人もいるので,ログイン時に選択するチャンネルで,これの可否を選択できる。なので例えば,普段の狩りは対人戦が不可のチャンネルで行い,ギルドバトルを行いたいときだけチャンネルを移動,といったプレイスタイルも楽しめる。
本作のギルドには,最大で111人のキャラクターが所属できる。クローズドβテストの最終日に,実験的に「111対111」のGvGが行われたが,実際かなりの盛り上がりを見せていたようだ(画面写真を参照)。 本作の対人戦は,例えば,同社がサービス予定の「ファンタジーアース」や,エヌ・シー・ジャパンの「ギルド ウォーズ」などとは異なり,かなりライトな方向性だという。ちょっとしたイベントのような感覚でギルドに参加でき,GvGを楽しめるように調整していきたい,とのこと。対人戦というコアな遊び方に,気楽に参加できるシステムを確立させることは難しそうだが……,本作がどのように成長していくか,今後も注目していきたいところだ。(ライター:川崎 政一郎)
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CABAL ONLINE |
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