ゲームポットとSo-netがコミュニティ構築に向け資本提携に合意
ゲームポットは本日(9月15日),プロバイダ事業「So-net」を運営するソニーコミュニケーションネットワークと,オンラインゲームにおける事業展開の強化を目的に,資本提携を行うことで合意した。この合意に基づく,事業連携と協業の中身としては,以下の三つが挙げられている。
■ゲームポットおよび「So-net」のオンラインゲーム事業の更なる強化 ■ゲームポットのゲーム内コミュニティと,「So-net blog」や「So-net SNS」などのCGM(Consumer Generated Media)ならびに「ポストペット」をはじめとしたキャラクターとを融合させた“新しいゲームコミュニティの構築” ■オンラインゲーム内広告事業の共同開発および展開
今回の資本提携は,ソニーコミュニケーションネットワークがゲームポットの第三者割当増資および新株予約権付社債(転換社債)を引き受け,さらにソニーコミュニケーションネットワークが,ゲームポットの親会社であるアエリアから,ゲームポット株の一部譲渡を受ける形。これによりソニーコミュニケーションネットワークは,ゲームポットの発行済株式数の27.42%(潜在株考慮後で33.23%)を所有することになる。この資本提携に関わる3社の背景と提携目的を,ニュースリリースから引用しておこう。
【ゲームポット】 315万人の会員数とブランド力を有する「So-net」との事業連携は,ゲームポットの国内外における対外的信用力の向上に寄与するとともに,業界内でのリーディングカンパニーたるポジショニングを確固たるものとする。また,顧客ならびに新規の優良コンテンツ獲得力,今後の海外進出等において大きなメリットを享受することで,更なる事業展開を可能とする。 So-net会員およびゲームポット会員の相互活用により,ゲームポットが運営するオンラインゲームコミュニティをより活性化させ,「So-net」のコンテンツやblog等のサービスとの連動による新オンラインゲームサービスの新規開発により,事業を更に拡大していく。 「So-net」のWeb課金システムを有効活用することで,ゲームポットの課金決済手数料の軽減を図る。
【ソニーコミュニケーションネットワーク】 「So-net」が目指す “エンタテインメント”“コミュニティ”という要素をあわせ持つオンラインゲーム事業との連携を強化することで企業価値の向上を目指す。 特に,アイテム課金型オンラインゲームは,エンタテインメントとSNS(コミュニティ)の要素を強く持つネットワークコンテンツであり,blogやSNSなどユーザーのコミュニティ形成を促進し,かつ,“楽しさ”(エンタテインメント)を提供する「So-net」の戦略との親和性が非常に高い。 会員登録数130万を誇る,無料で遊べるオンラインゲーム「スカッとゴルフ パンヤ」を運営しているゲームポットは,アイテム課金というビジネスモデルを日本のオンラインゲーム市場に根付かせたパイオニアであり,このような優れた実績を持つゲームポットと「So-net」が中長期的に事業連携することにより,たとえば「So-net」がサービス展開するblog,SNSなどのCGMやキャラクターとオンラインゲームを融合させた “新しいゲームコミュニティの構築”等の事業シナジーの実現を目指す。
【アエリア】 ゲームポットの親会社であるアエリアとしては,今回の提携は,Web2.0時代に向けてのオンラインコンテンツビジネスにおける包括的な事業連携を目指すものと位置付けており,アエリア及び「So-net」の関連会社を含めた両社のグループ会社間における有機的な事業シナジー効果を期待している。
内容が広汎かつ抽象的で分かりづらいが,この提携の意味をゲームビジネス側からちょっとだけ想像してみよう。
オンラインゲーム事業が狭義のゲームパブリッシングの枠を超え,コミュニティビジネス化していることについては,当サイトの読者であれば先刻ご存じであろう。そしてそのコミュニティを目に見える形で組織していくのが「ゲームポータル」の役割であって,韓国での先行事例を参考にしつつ,日本国内のオンラインゲームパブリッシャもそれぞれにゲームポータルの構築を進めている。そのゲームポータルは,blogやインスタントメッセンジャー,個人Webページなど便利なコミュニケーション手段を提供することで,ゲームプレイを核としつつ,それが話題にされる場面をも内側に取り込むことで顧客の定着を図っていく。おおざっぱに言って,現在はそんな状況にある。 一方,blogやSNSといったWebコミュニケーションに関して言えば,先鞭をつけることでノウハウと実績を積み上げてきたのはむしろプロバイダ側であった。今回の提携は,ポータル展開ないしプレイヤーコミュニティの組織化に当たって,オンラインゲームパブリッシャがなんでもかんでも自分達でどうにかするのではなく,モチはモチ屋に任せる,あるいは最初からモチ屋と組んでやるのがよいという判断なのだといえよう。 もう一つのポイントが課金/決済だ。プロバイダが持つ少額決済システムの可能性については,実を言うとあらゆるe-コマース分野でかなり以前から注目されていたし,実際にそこが強みとなってきた。ソニーコミュニケーションネットワークが,アイテム課金方式で大成功した「スカッとゴルフ パンヤ」,その運営主体たるゲームポットを高く評価し,逆にゲームポットが「So-net」を持つソニーコミュニケーションネットワークの“使い方”に目ざといのはそうしたわけだ。
オンラインゲームが,ゲーム性/コミュニティ性と事業内容の面で次のステージを模索し続けるなか,例えば「So-net」の「Post Pet」はさしづめ,示唆的な先駆事例ということになるのだろう。事業連携/協業の中身として最後に挙げられているゲーム内広告事業だけでも十分に興味深い話題だが,両社の提携で,今までにないオンラインゲームの形が提案されるなら,ぜひとも見てみたいところである。(Guevarista)
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スカッとゴルフ パンヤ |
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■価格:無料(アイテム課金),フロンティアグルーヴ販売のパッケージ版は2100円(税込) |
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