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韓国ソフトウェア振興院主催のe-Sports大会,GNGWC2006日本予選開催
2006/09/11 17:20
■韓国のIT振興を兼ね,未定立の競技でe-Sportsを

 9月9日の土曜日,原宿のクエストホールで,韓国ソフトウェア振興院(KIPA:Korea IT Industry Promotion Agency)主催のオンラインゲーム大会,GNGWC2006(Game & Game World Championship 2006)の日本地域決勝トーナメントが開催された。
 2006年9月6日のニュースでお伝えしたとおり,GNGWC2006は韓国,日本,アメリカ,ヨーロッパ,東南アジアの5ブロックで予選が行われ,9月23日に韓国はSuwon(水原)市で決勝大会が開催される。日本地域決勝トーナメントでは,エキサイトがサービス中のゴルフゲーム「Shot Online」と,対戦型のライトストラテジーゲーム「ガンバウンド」(国内未サービス)の2種目で,トーナメント形式の対戦が行われた。
 出し抜けに述べるのも恐縮だが,GNGWC2006にはe-Sportsの大会としていろいろ意外な部分がある。韓国発のe-Sports大会といえば,WCG(World Cyber Games)が真っ先に思い浮かぶと思うが,WCGとGNGWC2006を比較した場合,そもそも競技種目がまったく異なることに気づくだろう。それもそのはず,GNGWC2006で採用されているのは,KIPAのミッションたる韓国でのIT振興にふさわしく韓国産のゲームであり,かつ,まだe-Sportsの種目として手が着いていないものが優先されている。すでに定立されたものとしてのe-Sportsを中心に扱うWCGとは,意図的に差別化されているのだ。



■いたって和やかでアットホームなe-Sports

 そうした性格の違いは,日本地域決勝トーナメントにおける会場の雰囲気にも如実に表れていた。e-Sports競技会場の風景としてはなかなか想像しづらいと思うが,会場の雰囲気はなんというか,“アットホーム”なのだ。出場者には親子連れも多く,子供達が会場の端で親御さんと一緒に試合中継のスクリーンを見入っていたり,疲れて椅子で寝ていたりするのである。なお,事前のPRがあまり大規模に行われなかったせいか,会場に集まった出場者/ギャラリーは合計で70〜80名ほどに留まっていたようだ。

 Shot Onlineにせよガンバウンドにせよ,個人単位の対戦型競技だった点が,この和やかな雰囲気に結びついたフシもあろう。チーム vs. チームのピリピリした緊張感がなく,そのときそのときの対戦当事者以外は全員ギャラリーであって,主催側による実況解説も,いたってのどかな調子のものだった。

 もちろん,オンライン予選を潜り抜けて会場に集った代表者同士の対戦であるから,どちらの競技も試合自体は白熱した展開を見せた。例えばShot Onlineの出場者8名の頂点に位置する「ゆっきーP」さん vs.「もーぐ」さんによる決勝戦では,フェアウェイが島状に点在するトリッキーなコースでどちらもあやまたず適切なロングショットを続け,ゆっきーPさんは13ヤードを超えるロングパットすらかなりの確率で決めたものの,ボギーの数で辛くももーぐさんが守りきって優勝といった具合の,実にレベルの高い一戦であった。



 一方,「ポトリス」のような可愛らしいデザインの戦車で交互に相手を撃ち合い,直射と曲射,着弾による地形の破壊をもうまく利用して戦うライトストラテジー「ガンバウンド」による対戦では,高位の試合になるほど急激に無駄弾が減っていったのが印象的だった。決勝戦となった「shibayamaxD」さん vs. 「momowanQ」さんによる各試合は互いに最少の手番で大ダメージを与えあい,1対1の状況から2連勝を決める形でshibayamaxDさんが優勝を決めた。



■日本のゲームイベントとの両立が課題か

 両競技で3位までの成績を収めた人それぞれには,全試合終了後に行われた表彰式で副賞と共に航空券の目録が手渡された。彼/彼女らは,9月23日に韓国Suwon市で開催される決勝大会に,日本代表として出場する。表彰式の最後にはSuwon市の市議会議員パク・チャンウォン氏から,日本予選通過者の健闘を祈る祝辞も披露された。
 ところで9月23日といえば,日本では東京ゲームショウの真っ最中である。日本代表が参加するゲーム関連イベントとして,あまりタイミングが良いとはいえないわけだが,会場で聞いてみたところ,この日程に決まったのはSuwon市の意向らしい。折悪しく,Suwon市では東京ゲームショウと同じ週末のタイミングで市を挙げたお祭りが予定されており,GNGWC2006決勝大会はその一部として開催されるのだ。GNGWC2006決勝大会の模様を東京ゲームショウの会場で放映するといった予定は,現時点でとくに組まれていないという。日本代表が出場する大会だけに,ぜいたくを言えばなんらかのフォローが欲しかったものだが,今年から始まった新しい大会ということもあり,やむを得ないところであろうか。



 試合の合間にはベリーダンスや朝鮮民族音楽(のアレンジ版)の演奏も披露され,娯楽,お祭りとしての性格が強く印象に残ったGNGWC2006。e-Sportsにせよリアルのスポーツにせよ,日本では得てしてどれだけ真剣に練習し,プレイしたかという根性モノ的ノリが前面に立ちがちなわけだが,その一方で「スポーツとは本来楽しみながらやるもの」というツッコミも,リアルのスポーツではよく耳にするところだ。
 その意味で,従来のe-Sports大会とは大きく異なる雰囲気のGNGWC2006日本地域決勝トーナメントには,“より裾野の広い,みんなで楽しむe-Sports”に向けた可能性のようなものが感じられた。……そこまで書くと少々大げさかもしれないが,今後規模が大きくなっていっても,ぜひ見失わないでほしい重要な論点であると,あえて強調しておきたい。(Guevarista)


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http://www.4gamer.net/news/history/2006.09/20060911172058detail.html