ついにハンゲームでファミスタがタダで遊べる! 「プロ野球 ファミスタオンライン」発表会
本日(8月8日)品川プリンスホテルにて,バンダイナムコゲームスとNHN Japanによる新作の合同発表会が実施された。このたびの発表会でお披露目されたのは,先の記事でも紹介した衝撃のタイトル「プロ野球 ファミスタオンライン」(以下,ファミスタオンライン)だ。
あまりにも懐かしい,「ファミリースタジアム」のオープニングBGMとともに「プロ野球 ファミスタオンライン」のイメージムービーがプロジェクタで上映されたあと,バンダイナムコゲームス代表取締役副社長の鵜之澤伸氏,NHN Japan代表取締役社長の千良鉉氏による挨拶が壇上で行われた。 鵜之澤伸氏の話では,両社はもともとアニメのブロードバンド配信を行っている「バンダイチャンネル」の中で,アバターの提供という形でパートナーシップを結んでいたが,ゲームの「共同開発」という形を取るのは今回が初めてであり,非常に良い関係で作品を生み出せたそうだ。また千良鉉氏は挨拶の中で,「今後さらに家庭用ゲームをオンラインゲーム化する」などの興味深い発言をしていた。
左:バンダイナムコゲームス代表取締役副社長,鵜之澤伸氏
右:NHN Japan代表取締役社長,千良鉉氏
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NHN Japan事業部長,瓜生貴士氏
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続いて,NHN Japan事業部長の瓜生貴士氏による「事業展開について」の説明が行われたが,今後は「オンライン事業」ではなく「オンラインゲームサービス事業」,すなわち「サービス」こそが重要であり,今回のファミスタオンラインは,まさにサービス事業にふさわしいプロダクトであると語った。 また瓜生氏は,今回のファミスタオンラインに関する,バンダイナムコゲームスとNHN Japanの「役割分担」の内訳と,三つにまとめた「事業のポイント」を発表。
●バンダイナムコゲームス ・ゲーム企画 ・クライアント開発 ・運営支援
●NHN Japan ・運営 ・サービス設計 ・サーバー開発
■事業のポイント
・「カードの導入」 解説:「選手カード」「アイテムカード」といったカードシステムを導入。既存のチームデータだけではなく,自分だけのドリームチームを「デッキ」という形で生み出せるほか,アイテムカードによる試合中のちょっとしたパワーアップなども行える。
・カジュアル層,初心者向けの設計 解説:「基本プレイ料金無料,アイテム課金」というビジネスモデルと,低スペックでの動作保証による間口の広さ。さらに,豊富な一人用モードの実装,育成やカードコレクションといった遊び方,初心者向けのWEBガイド,チュートリアルモードなど,カジュアル層向けの設計がなされている。
・WEBとゲームの連動 解説:公式サイト上で,ゲームデータと連動した「個人成績」「全体ランキング」「12球団別」「カード図鑑」などのデータを公開。また,メッセンジャーのように別ウィンドウで使える「ゲーム内メール」や「フレンドチャット」といったコミュニティツールの実装など,単に「オンライン対戦できる」という以外のオンラインサービスも充実させていく。
なお,ファミスタオンラインのターゲット層は,ハンゲームの中心的な顧客である10代のゲーマーに加えて,20代〜30代の「ファミスタ世代&野球好き」も取り込む構想で,登録会員数は2006年中に100万人を目指すそうだ。 サービスに関する具体的なスケジュールについては,今のところ以下のとおり。
・8月15日……「プレサービス」開始。12球団による「対戦モード」実装 ・10月……「オープンサービス」開始。「選手カード」「Myデッキ」実装 ・11月……「アイテム課金」開始。「公式戦」「装備アイテム」実装
瓜生氏は,選手カードやアイテムカードなどの有料アイテムについては,「基本無料と言いつつ,結果として買わないとゲームにならないゲーム」もあるが,ファミスタオンラインは決してそのようにはせず,あくまで「ゲームに奥行きを持たせるもの」となるよう,注意を払いつつ導入していくことを強調。また,「一人や二人ではなく複数で遊ぶ」「ギルドのようなものの存在」についても軽く触れたが,「今はこれ以上言うと怒られてしまうので」とお茶を濁していた。これは今後の発表を待ちたいところ。
続いて,実際の開発チームリーダーにしてプロデューサーの塩澤敦氏が登壇し,ファミスタオンラインのプレゼンテーションが行われた。 「今日のために用意した原稿の文体が,とてもくだけたものなので……」と,これまでのスピーチが割とお固めだったことを意識してか,最初にお断りを入れた氏がまず語ったのは,「なぜファミスタがオンラインになったのか?」について。 これは,プレイステーション2用に発売された「プロ野球 熱スタ2006」に,20周年記念のおまけで収録した「ファミスタモード」を「つくってみたら楽しかったから」であり,さらに熱スタ2006の購入者からも大きな反響があったことから,これはイケると確信したようだ。このへんのプレゼンテーションについては,ぜひスライドの写真を確認してほしい。 なお塩澤氏には,発表会では触れられなかった「気になるアレコレ」について,個別に聞いてきた。この記事の最後に掲載しているので,そちらのチェックもお忘れなく。
お次は千葉ロッテマリーンズvs.阪神タイガースのプレイ実演を背景に,NHN Japan新規事業チームの中田氏(NHN Japan側の開発に関わった人)と塩澤氏に,「ファミスタオンライン」の「ポイント」「家庭用ゲーム機版との違い」「苦労話」などについて司会者から質問が向けられた。 ポイントについては「懐かしい画面を見てホッとする」「アシストカードの面白さ」,家庭用との違いについては「30代ともなると,なかなか友達を家に集めてファミスタというわけにはいかなくなるが,オンラインなら大丈夫」,苦労話は「ファミスタの醍醐味は,ピッチャーが投球したあとに微妙にボールを操作できる点。これをオンラインで同期させつつ実現させるのが難しかった」といった回答が得られたところで,ゲームのデモンストレーションは3回裏が終わり,そこで試合終了。
また会場では,8月12日から放映されるハンゲームの新テレビCMのお披露目も行われた。 用意されている「ハンゲー部 登場篇」「ハンゲー部 野球篇」の2本のうち,「野球篇」がファミスタオンラインのCMとなっている。俳優の塚本高史さんが主演として登場するこのCM,内容はかなりバカバカしくハイテンションなもので,8月12日から8月27日まで,東京と大阪を中心とした民放各局で放映される。また,ハンゲーム特設ページでも「ハンゲー部 登場篇」を8月12日から,「ハンゲー部 野球篇」を8月15日から配信する。15秒,30秒バージョンがあるテレビCMよりも長い90秒ロングバージョン,またメイキング映像,ショートムービーなどもアップされるので,「家にテレビなどない!」という人も,ぜひWeb上でチェックしよう。
NHN Japan取締役副社長,森川亮氏
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質疑応答では,「選手カードの価格,入れ替え時に実際の選手が引退したら?」といった質問に対しては,「価格は未定。選手データは毎年入れ替える予定で,選手が引退したらカードの販売も終了するが,一度購入したカードは継続して使える」と回答。「収録される選手と球場の数」という質問については,「プレオープンの段階では12球団の各チーム20人,10月からは各チーム50人でナムコスターズが加わり,計650人の選手が収録される予定」「球場については今のところ1種類だが,何か仕掛けを用意したい」とのこと。まあ,いずれも予定なので,今後変更される可能性は十分考えられるものの,各チーム50人というのは嬉しい話だ。
質疑応答のあとは,NHN Japan取締役副社長である森川亮氏の挨拶,そしてフォトセッションを経て,14時40分ころに閉会。会場には試遊台が設置されており,来客用にタッチ&トライの時間が設けられたのだが,この時間を利用して我々は塩澤氏にあれこれ質問をぶつけてみた。
バンダイナムコゲームス
プロデューサー,塩澤敦氏
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■ファミスタのウリである変化球はオンラインでも健在
4Gamer: ファミスタオンラインの発表おめでとうございます。まず最初に,本作のスタッフ達は,これまでどのようなタイトルに関わってきたのか教えてください。
塩澤 敦氏: 基本的には,プレイステーション2向けの「プロ野球 熱スタ」シリーズのスタッフが中心ですね。プロ野球 熱スタ2006でファミスタモードをディレクションした人間も関わっています。
4Gamer: 今回,バンダイナムコゲームスがクライアントソフトを制作して,WebサービスはNHN Japanさんとの共同開発ということですよね。どのあたりまで関わったんですか?
塩澤 敦氏: クライアントソフトの開発と,ネットワークプログラミングですね。ファミスタオンラインをネットワーク経由でプレイできるようにするのと,多少のタイムラグが発生しても,プレイヤーが楽しめるように,そのラグを吸収するようにするのがメインです。サーバーを直接触るような作業にはタッチしていません。
4Gamer: 発表会でも言っていた,“ボールが手を離れてから左右に変化させられる”というファミスタのウリを再現するためのタイムラグ吸収ですね。実際にネットワーク経由でテストしたときに,問題などは起きなかったのでしょうか?
塩澤 敦氏: 意外に大丈夫でしたね。問題がなかったわけではないんですが,問題がないように見せたプログラマーの腕がよかったということにしておいてください(笑)。
■スーパーファミコン版ファミスタをベースに開発
4Gamer: それでは,ゲームの内容についてお聞きします。発表会では,1回の試合時間が短くて済むということでしたが,1試合10分とか時間で区切られたりするんですか?
塩澤 敦氏: いえ,時間制ではなくイニング制です。3/5/7/9回から選べるようになっています。
4Gamer: 基本的に,オンラインであることと新要素が加わった以外はシステム的に従来作と同じと考えていいのでしょうか。
塩澤 敦氏: そうですね。オンラインということもあって,タイムをかけたときなどは制限時間を設けていますが,システム的には従来のファミスタと同じと考えてもらっていいです。
4Gamer: なるほど。それであればファミスタのときと同様,1試合20分くらいになりそうですね。 ビジュアルを見たところ,スーパーファミコン版のファミスタっぽいのですが,やはりそのあたりがベースになっているんですか?
塩澤 敦氏: スーパーファミコン版のファミスタ3,4あたりがベースになっています。移植ではなくて,ほかのバージョンのいいところを組み合わせて作っています。
4Gamer: 遊び方についてですが,基本的にはカードを買わなくても無料で遊べるわけですよね。
塩澤 敦氏: そうですね。12球団の好きなチームを選んで対戦できます。オンラインでファミスタが無料で遊べるようになったと理解してもらってかまいません。チーム戦力を補強したい場合,選手カードを購入していただくというスタイルです。
■選手カードを購入すれば,ドリームチームの結成も可能
4Gamer: 基本的なゲームの流れを教えてください。
塩澤 敦氏: 基本的には,対戦以外はカードゲームのスタイルをとっていると思ってください。まず,ベースとなるチームを選びます。元々の球団名のままでもいいですが,チーム名やチームエンブレムを変更してオリジナル球団にすることも可能です。カードゲームでいうデッキのようなものです。
4Gamer: となると,基本的には1チームでプレイすることになるんですね。対戦であれば,プレイのたびにチームを変えたりすることはよくある思うんですけど,そのあたりはどうなっていますか?
塩澤 敦氏: 基本的には固定ですが,チームを複数持てるようになっているので,プレイに応じてチームを変えることで対応できると思います。
4Gamer: なるほど。では,選手カードはどのような仕組みになっているんですか?
塩澤 敦氏: まず,1チームに20人の選手がいるわけですが,これはカードゲームでいうところのスターターキットのようなものです。選手カードを購入すると,自分のチームにその選手を追加できるようになります。
4Gamer: 自分の持ちチームと違う球団の選手が出てきたときはどうなんですか?
塩澤 敦氏: どの球団でも使えます。オリジナル球団の作成も可能です。
4Gamer: なるほど,好きな選手を集めてドリームチームを作ることも可能なんですね。選手の成績データは最新版に更新され続けるのですか?
塩澤 敦氏:
基本的には,野球の暦に合わせてデータを最新版に更新する予定です。だいたい,プロ野球のキャンプインあたりが年度の始まりになると思います。
4Gamer: シーズン途中で引退した選手などはどう扱われるのでしょうか?
塩澤 敦氏: いまのところ,引退表明して選手登録名簿から抹消されたら削除するつもりです。
4Gamer: 購入した人はそのカードを使えなくなってしまうんですか?
塩澤 敦氏: 販売したカードについては永続的に利用できます。これは現役の選手についても同様です。ただ,購入済みカードのデータが更新されるわけではないので,あらためてカードを購入していただく必要があります。
4Gamer: レアカードとかアイテムカードは,具体的にはどのようなものになる予定なのでしょうか。
塩澤 敦氏: あくまでも予定なのですが,月間MVPとか月間ホームラン王とか,タイトルを受賞した選手を対象にしようかと考えています。アイテムカードは,選手の能力を底上げするものが中心になりますね。
4Gamer: ナムコスターズももちろん登場するんですよね。
塩澤 敦氏: そうですね。プレオープンサービスでも,ミニゲームをクリアするとパスワードが表示されて,そのパスワードを集めると選手が公開されていきます。ラインナップは実際にプレイして確かめていただければと思いますが,有名どころを20人取り揃えました。50人に増えたときは,旧作から何からひっくり返して登場させるかもしれません。
4Gamer: バンダイナムコゲームスになったことの影響は出ますか? 旧ナムコだけじゃなくて旧バンダイのタイトルからも登場するとか。
塩澤 敦氏: ご想像におまかせします(笑)。
4Gamer: 選手ラインナップに期待しつつ,プレオープンテスト開始を待ちたいと思います。本日はありがとうございました。
発表会のデモ機で実際にプレイしてみたが,Dキー,Sキーと方向キーのみと,操作方法はきわめてシンプル。キーボードのみで操作する不都合も思ったほどなく,苦痛なくプレイできる。 基本プレイ料金無料,オンライン対戦,ランキングシステムなど,最近のオンラインゲームの時流に乗ったシステムだが,一人用モードも装備するあたり,さすがは老舗のゲームメーカーというべき,ツボを押さえた作りとなっている。 オープンβテストで実装され,11月からアイテム課金が始まる予定の選手カードだが,コレクション的な要素だけでなく,お金を出せば選手を補強できる(かもしれない)という,現実世界のシステムを微妙に再現しているあたりが興味深い。
往年の野球ゲームの名作「ファミスタ」がオンラインで楽しめるようになり,思わず懐かしさがこみ上げてきた人も多いのではないだろうか。興味を持った人は,8月15日から開始予定のプレオープンテストで,ファミスタにチャレンジしてみよう。(Text by Kawamura&oNo,Photo by kiki)
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プロ野球 ファミスタ オンライン 2 |
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Published by NHN Japan Corporation
(C)2006 2007 NBGI(社)日本野球機構承認 NPB BISプロ野球公式記録使用 |
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