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ゲームオン,「眠らない大陸クロノス」のバトルイベント「ザ・コロッセウム」を開催
2006/07/31 23:36
アフロ氏(でいいのだろうか,本当に)の司会により,イベントは和やかなムードで進行
 ゲームオンは7月30日,同社が運営中のオンラインRPG「眠らない大陸クロノス」のオフライン/オンライン同時イベント「THE COLOSSEUM SPECIAL EDITION 〜NEW CLASSIC〜」(以下,ザ・コロッセウム)を開催した。

 ザ・コロッセウムは,東京会場のNecca秋葉原店と,大阪会場のメディアスペース@WAN千日前店に集まったプレイヤーに加え,通常のオンライン接続者をも交えたバトルイベント。
 基本的な流れとしては,参加者全員がレベル1のキャラクターを作成してゲームを開始し,2時間弱の育成タイムを経て,最後にバトルロイヤルを繰り広げる。レベルアップ時やほかのキャラクターを倒したときにポイントが獲得でき,最終的な獲得ポイントを競うという形式だ。

 ここまで読んだ読者は,「レベル1から始めるようなイベントが本当に盛り上がるの?」と思うかもしれないが,それでも盛り上がってしまうのが,ザ・コロッセウムの凄いところ。まず,モンスターを倒したときに得られる経験値が,通常時の20倍(!)。さらにレベルアップに必要な経験値量が引き下げられており,モンスターの防御力を3割ダウンさせることで,尋常でないスピードでキャラクターが育成できるのだ。

 また,登場するモンスターはすべてエリートモンスターで,アイテムドロップ率も通常時の10倍となっている。しかも「フリーテレポート」などのコンビニアイテム(課金アイテム)が使い放題で,ステータス・スキルを初期化してくれるNPCが追加されているなど,凄まじくリッチな環境が用意されているのだ。

 なお,オフラインイベントからの参加者は,通常のオンライン参加者よりも5分早く,ゲームが開始できた。ザ・コロッセウムおける5分がどれほど大きいものなのかは,プレイヤーならば容易に想像ができるだろう。



ザ・コロッセウムがスタートすると,会場は静かな熱気に包まれた。参加者達の真剣さが伝わってくる
■みるみるうちにレベルアップ!
■一分一秒さえ惜しいハイスピードな展開


 なんとなく想像してはいたが,本ルールにおけるキャラクター育成は,やはり凄まじいペースであった。各キャラクター,瞬く間に経験値が増えていき,レベルが上がっていく。ステータスポイントの割り振りさえも煩わしく思えるほどの成長速度である。
 またアイテムドロップ面もすこぶる良く,アイテム名が青色の“エクセレントアイテム”や,緑色の“インペリアルアイテム”も,インベントリに入りきらないほど入手できていたようだ。
 このような状況が続く中,通常のオンライン組がゲームに接続した5分経過時点において,筆者の前でプレイしていたキャラクターはレベル12に達していた。

 そして,オンライン組が参戦した直後の光景も,なかなか見応えがあった。彼等が一斉に押し寄せることで,フィールド上のモンスターが一掃されてしまったのだ。しかもリポップしたモンスターに複数のキャラクターが突進し,普段ではあまり見られない「横殴り上等」的なお祭り騒ぎが,そこかしこで展開された。
 なお8基用意されていたイベントサーバーの内いくつかは,パンク寸前の状況に追い込まれていた(というか,イベント中2基のサーバーがダウンしていた)。ザ・コロッセウムの混雑ぶりがどれほどのものか,想像してもらえるだろう。

取得経験値量やアイテムドロップ率が非常に高いバージョンでのプレイなので,見ているだけでも気持ちいいくらいに,キャラクターが強くなっていく


 ザ・コロッセウムの勝敗を決めるポイント面に目を向けると,25分を経過した時点でのトップは,東京会場の「ラフィカ」氏(Lv58)。続いて大阪会場の「森のクマ様」氏(Lv57)が僅差で追うという展開である(共にマジシャン)。しかし1時間経過時点で両者のポイントは逆転してしまい,ラフィカ氏はパーティを編成してチームワーク面で対抗するという作戦に出ていた。

 筆者はしばらくの間,ラフィカ氏のプレイを見学していたのだが,なるほど確かにうまい。例えば,本イベントではあまりにも多くのレアアイテムがドロップするため,その選別作業にも一苦労する。ラフィカ氏は,そういった雑事を,戦闘しながら非常に手際よく行っていたのだ。もちろんその合間にも,左手では絶え間なく,ショートカット登録のポーションをがぶ飲みしている。
 また,ある程度レベルが上がったら,スキルポイントを初期化したうえで「アイスプリズン」や「アストラルストーム」といった「狩りで有効なスキル」に全振りしたりもしていた。ステータス/スキル初期化用のNPCは本ルールならではの存在なので,見落としていたという参加者も多かったのではないだろうか。

 チームワーク面に関しては,防御の薄いマジシャンのラフィカ氏を助けるために,パーティメンバーがポーションをばらまきつつ戦っていたのが印象的。きっとハイレベルの戦いでは,こういった細かい部分の積み重ねが大きな差へと結びつくのだろう。

 ちなみにほかの参加者についても,初顔合わせにもかかわらず,その場で合流するサーバーを決めたうえでパーティを編成している人もちらほら見受けられた。こういった部分は,チャットではなく「リアル」で会話ができる,オフラインイベントならではの醍醐味といえよう。
 キャラクタのレベルが上がるにつれ,戦うモンスターも巨大になっていき,ド派手なエフェクトの魔法が飛び交うようになる。参加者はドリンクサービスに手を付ける余裕もないほどの,一分一秒さえも無駄にできない,激しいゲーム展開が続いていた。



■育て上げたキャラクター達が
■PvPタイムにて雌雄を決する

 1時間55分が経過したとき(通常のオンライン組は1時間50分),ザ・コロッセウムは最終局面を迎える。ほぼ全員がクロノス城前に集結しての“PvPタイム”のスタートである。ゲームオンの司会者によると,ハイレベルキャラクタを一度倒せば,それだけでレベルが4〜5段階上がったほどのポイントが稼げるという。なんとしてもここで一気にポイントを稼ぎたい,というのが参加者全員の願いだろう。

 とはいえ,一画面に数十ものキャラクターが密集するPvPで,思い通りの戦術を実践するのは難しい。集中砲火を受けたら瞬時にHPがゼロになるなど,運の要素も含めた凄まじい大混戦が繰り広げられた。
 ちなみに先述したラフィカ氏を見てみると,敵からターゲットされないように木陰に隠れながら,遠距離魔法を連打していた。当然ながら,これも立派なテクニックである。 全体的な流れを追うことも困難なほどの大乱戦が10分続いた後,ひとまず,ザ・コロッセウムは幕を閉じた。

 ちなみに本イベントには,東京会場と大阪会場で獲得ポイントの上位10名を選出して,その合計を競うという「東西対決」の意味合いも込められていた。その結果は188万ポイント対157万ポイントで,東京会場の勝利(規模が大きすぎて想像しづらいが)。
 東京会場の獲得ポイントランク1〜10位や,各クラス別のトッププレイヤー達には,ゲーム内アイテムなどの賞品がゲームオンから授与された。なお総合優勝を果たしたのは,バルキリーをレベル73まで育て上げ,数多くのプレイヤーキャラクターを屠った「夢心(むしん)」氏。夢心氏は“サトゥヴァクラウン”や“完全体成長武器”など,実に豪華なゲーム内アイテムを獲得し,本イベントは興奮の内に幕を降ろした。

大規模な集団戦闘では,やはりマジシャンの活躍が目立った。その分敵からも狙われやすいので,うまく戦うにはかなりのプレイヤースキルが要求されそうだ


本作のチーフプロデューサー 神津晃氏
 本イベントの感想を率直に言うと,一人のゲームファンとして大いに楽しむことができた。その最大の要因はやはり,全員がレベル1から,横一列のスタートを切りながら,中〜終盤では多くプレイヤーが高レベルに達するという,絶妙なゲームバランスである。運営側はおそらく,このあたりのバランシングにかなりの手間をかけていたのではないだろうか。

 「眠らない大陸 クロノス」は,日本では2003年から運営されているタイトルで,正直なところ“旬”なMMORPGとはいえない。しかしそれだけに,クライアントの安定性が高く,たとえ高スペックのPCでなくとも,快適にプレイできるわけだ。タイムラグや処理落ちなどが頻発するくらいなら,最新のタイトルでなくても構わない。そう考える「対人戦」ファンは,かなり多いだろう。

 そしてもう一つ,運営面の手際の良さも印象に残った。ザ・コロッセウムのようなイベントは1年ぶりとのことだが,例えば8基あるイベントサーバーの内2台がダウンしたときも,参加者を迅速に予備用マシンへと誘導していた。ほかにも,「パーティを組みたいけど相手が見つからない」という人を引き合わせたり,イベントに熱中して手の放せないプレイヤーにドリンクの注文を促したりと,細かな気配りも好印象であった。

 イベントの閉幕に際し,ゲームオンのチーフプロデューサーである神津晃氏は,「明日の会議で反省会を行います。またやりたいですね」とコメントしていた。プレイヤーからも,「こういったオフラインイベントをもっと開催してください」という要望があったので,そう遠くないタイミングで,インターネットカフェと連動したザ・コロッセウムが開催されるかもしれない。そのときには筆者も,一MMORPGファンとして,ぜひまた取材したいと思う。(ライター:川崎 政一郎)


眠らない大陸クロノス
■開発元:N/A
■発売元:ゲームオン
■発売日:2003/10/27
■価格:基本プレイ料金無料(アイテム課金)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2006.07/20060731233624detail.html