高価なグラフィックスカードが,電源のトラブルで壊れてしまう――。そんな危機を避けるための“保険”的なTopower製デバイス「PCI Express breaker」が,同社の販売代理店であるタオ エンタープライズから8月上旬に発売される予定だ。
PCI Express breaker
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PCI Express breakerは,過電流&過電圧保護を行う“ブレーカー”部と,電磁波ノイズ対策が行われているという「REMIケーブル」(REMI:Electro Magnetic Interference Reduction)のセット。一般に,最近の電源ユニットであれば,過電流保護や過電圧保護の機構が搭載されていることになっているが,タオ エンタープライズによれば「すべての製品が搭載しているわけではない」とのこと。有名メーカーのものであっても,スペックにはっきりと謳われていない場合は,対策されていないことがあるという。実際に,2006年6月時点の段階で入手可能な電源ユニットのなかにも,保護機構を搭載しない製品があるそうだ。
接続イメージ。電源ユニットからの6ピンケーブルを,写真右端に接続して使う仕様になっている
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その場合,何らかの電源トラブルが発生したときに,PCI Express用給電コネクタを採用するタイプのハイエンドグラフィックスカードでは,過電流や過電圧の影響をそのまま食らってしまい,カード側の電源回路が耐えきれずに壊れてしまうかもしれない。 こういった「万が一」を防ぐのが,PCI Express breakerというわけだ。過電流/過電圧保護機構を持つ電源ユニットと組み合わせれば,保護系統が二重化されるというメリットもある。
なお,タオ エンタープライズによれば,これは落雷(や誘導雷)などの対策にもなるとのこと。なるほど,ブレーカー部を開けると,ヒューズといっしょに,サージ防護素子のようなものが見て取れる。とはいえ,雷サージが電源ユニットを通過してしまった場合は,マザーボードからグラフィックスカードへダメージが来るはずなので,6ピンのPCI Express用給電コネクタ側だけ保護しても意味がないような気もするが……。 いずれにせよ,構造がシンプルなだけに,取り付けることでなにか不都合が生じることはまずないはず。予想実売価格は2500円前後と,それほど高くもないので,最近一念発起して高価なグラフィックスカードを買った人や,これから購入予定があるという人が,念のため入手しておくというのはアリだろう。(佐々山薫郁)
“ブレーカー部”の中身を両サイドから撮影してみた
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