ニュース
「Episode 1」がヨーロッパ各地で週間トップセールスを記録
2006/06/09 20:08
 アメリカ時間6月8日,Valveが出したプレスリリースによると,6月初日にリリースされたばかりの「Half−Life 2: Episode 1」(邦題 ハーフライフ2 エピソード1)のパッケージ版が,ドイツ,イギリス,フランスなど,ヨーロッパ各地で週間トップセールスを記録するデビューを果たした。

 Valveの創設者の一人であり,現社長であるGabe Newell(ゲイブ・ニューウェル)氏は,そのプレスリリースの中で,次のように語っている。
 「6年という歳月をかけてHalf-Life 2を制作した後,我々はその続編をエピソード形式の三部作として開発することにしました。これにより,ゲーム制作に関してより大きなリスクを負うことになりましたが,開発している技術を迅速にプレイヤーの皆さんにお届けでき,しかも6年ではなく18か月ほどで“シタデルに何が起こったか”をお伝えすることが可能になったのです」。

 「Half-Life」は,シリーズを通して1500万本を販売していると言われ,PCゲームのトップブランドの一つであるのは間違いない。Valveのオンライン配信サービス「Steam」でのダウンロードは,全体の販売数の40%ほどではないかと推測されている。リテール用のパッケージ版だけで,各地域の週間一位になるということは,つまり実際にはその倍近くの購買者がいるはずだ。テレビドラマのように一つのストーリーを小出しに分けていく“エピソディック”という形式が,ファンの間で十分に受け入れられたといえそうだ。
 本作Half−Life 2: Episode 1は,本来なら拡張パックとして予定されていた「Half-Life 2: Aftermath」を三つのエピソードに区切ってリリースされた第一弾で,2006年第4四半期に「 Episode 2」が,そして2007年の第4四半期に「Episode 3」が予定されている。一つ一つのプレイ時間は短いものの,ニューウェル氏が上で述べているように,プレイヤーの手許に早い段階で届き,1本1本は安価に設定できるというメリットがある。

 ひとまずはValve戦略が成功した形だが,実際にどれほど多くのゲームがエピソード化を図っていくのかは未知数といったところだ。エピソディック・ゲームとしては,Half-Life 2に先駆けてリリースされたRitual Entertainmentの「SiN Episodes: Emergence」や,Gametapのアドベンチャーゲーム「Sam & Max」などがある。このフロンティアが今後どれだけ開発されていくのか,これからもじっくりと見守っていきたい。(奥谷海人)


ハーフライフ 2 エピソード 1
■開発元:Valve Corporation
■発売元:サイバーフロント
■発売日:2006/06/02
■価格:4200円(税込)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2006.06/20060609200844detail.html