[E3 2006#144]男達の挽歌が甦る!? ジョン・ウー&チョウ・ユンファの「Stranglehold」
ジョン・ウーが設立したゲームデベロッパ,Tiger Hill Entertainmentで目下開発中なのが,Unreal Engine 3.0を採用した「Stranglehold」だ。主人公は,二丁拳銃のチョウ・ユンファ扮するテキーラ刑事。チョウ・ユンファの肖像使用権を得ているのはもちろん,ボイスアクターとして本人も参加しているという。 ジョン・ウーといえば,もともと香港時代にチョウ・ユンファ主演映画「男達の挽歌」で一躍有名になった映画監督。その出世作ともいえる男達の挽歌の世界を,ゲームで復活させたといえる作品である。
本作はいうなれば,まさに撃ちまくりアクション。無敵の男テキーラ刑事が,二丁拳銃でこの世の悪を根絶やしにするべく,とにかくどんな状態からでも撃って撃って撃ちまくる。走って撃ち,飛んで振り返りながら撃ち,テーブルの上に飛び乗って撃つ。 バレットタイムに相当するアクションも当然あり,「テキーラタイム」と名付けられているのだが,もう開発者は面白がって作っているとしか思えない。また,シャンデリアでスイングして跳んだり,階段の手すりの上を移動したりといった,香港映画ならではのアクションも満載で,極めつけは両手を広げてクルクル回りながら発砲し,周囲の敵を皆殺し,そして鳩が飛ぶという,これもジョン・ウー映画のどこかで観たようなアクションが再現されている。 「ベレッタ92Fであんなに人が吹っ飛ぶわけがない」などという批判に対して,「そこに男のロマンがあるのだ」といったコメント(ちょっとうろ覚えだが)を残しているジョン・ウー監督である。現実なんかクソくらえのジョン・ウーアクションを,トム・クルーズやニコラス・ケイジなどではなく,チョウ・ユンファ主演でゲーム化するというあたりが,ファンにとっては実に嬉しいのではなかろうか。 また,「Massive D」という物理エンジンが,世界のあらゆる物質への破壊または干渉を可能としており,オブジェクトの破壊によって新たな道を生み出したり,破壊から生まれた破片によって敵を倒したりといったこともできるらしく,「とにかく物理エンジンを楽しめ!」というゲームのようだ。Unreal Engine 3.0で描かれるグラフィックスも非常に美しく,物理エンジンと相まって,非常にワクワクさせる世界を構築している。
ジョン・ウーファン,アクションゲームファン,すべての人にとって非常に楽しみな作品,Stranglehold。発売は2006年冬ということなので,PCスペックに自信がないという人は,このあたりが買い替え時かも?(Kawamura)
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