[E3 2006#115]「Wild Summer」で,青春のひと夏を燃やし尽くせ!
ここは太陽のまぶしい「サンシティ」。16歳の青年スタンリー・パーカーは一夏をこの街で過ごす……。 ユニークな内容の3Dアドベンチャー「Wild Summer」が,スペインのバルセロナで活動するNovarama Technologyによって開発中だ。パブリッシャとなるOn Gamesのブースでは,Wild Summerのロゴをプリントした女性用下着が配布されたりしていた。
実際のデモ機は1台と,少々地味だったが,開発者に話を聞いてみた限り,「Grand Theft Auto」に似たオープンな世界と,思春期の青年の過激な行動が,ラテン文化的なあっけらかんとしたノリで描かれているようだ。
■世界初!? 下着ドロする主人公
Wild Summerの舞台となるサンシティは,マイアミを彷彿とさせる,海岸沿いの明るい雰囲気の都市だ。建物がヨーロッパ風だったり,やたらと電線が目立ったりするこの街で,人々(NPC)は毎日を個別の行動パターンで暮らしているという。 プレイヤーキャラクターとなる16歳の多感な青年は,こんなサンシティで,夏休みのヒマにかこつけて好きなように活動。その結果は,サンシティの住人のリアクションにつながってくるとのことだ。 活動範囲は市街だけでなく,サンシティ大学や隣町のエルセリートもまで遠征可能。この空間で何をするかは,すべてプレイヤー次第だ。それこそ,パーティに出かけたり,ギャングに混じって悪さをしたり。主に悪事を働くようだが,お目当ての女の子,ジェシカを口説き落とすのも,目的の一つなのは間違いない。
マウスを握って,デモ機で遊んでいたところ,開発者が「女の子を口説きたいか,それともギャングに混じりたいのか」と筆者に聞いてくる。とりあえず,ギャングのほうを選択すると,開発者は筆者のキャラクターを誘導してビルの外壁を伝って登っていった。どことなく,「Prince of Persia」のような感覚だ。 さらに,道路を挟んだ向いのビルに飛び移ったり,屋根から屋根へとジャンプしたりするうちに行き着いたのが,ドラゴンのシャツを着た坊主頭の若者達のところ。そのしゃべり方からギャング団のようだ。ここでプレイヤーは双眼鏡を押し付けられて,窓の外や屋上のハンガーに掛かる3枚のパンティを盗んでくるよう指示された。これが,ギャングに入団するためのイニシエーション(通過儀礼)らしい。
Grand Theft Autoっぽいドンパチかと思えば,完全にコソ泥で,なかなかセコい(もちろん悪事は悪事だが)。ブースの前でパンティを配っていた理由も,これでようやく解けたのだった。
実際のところ,Wild Summerの開発進捗度合いはリリースレベルにはほど遠く,開発者によれば,ゲームのレンダリングエンジンもまだ開発中とのこと。夏のゲームなのに,2007年秋のリリース予定となっていたりする。 だが,奇妙ながらもしっかりした世界を描こうとしているあたりに好感が持てるのもまた確か。ユニークな設定のゲームだけに,今後も話題を振りまいてくれそうだ。(ライター:奥谷海人)
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