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[E3 2006#107]Ubiのシリーズ最新作「Brothers in Arms Hell’s Highway」はLive Anywhere対応
2006/05/13 22:56
 Microsoftは,お伝えしたようにXbox 360,PC,そして携帯電話をXbox Liveでシームレスにつなげたゲーム環境を提供する新コンセプト「Live Anywhere」を打ち出し,いくつかのタイトルをラインナップした。Live Anywhereの性格上,そこに並んだソフトウェアは共通の特徴を持つ。すなわち「Xbox 360版とPC版が発売される」「Windows Vista対応(もしくは専用)である」ことだ。Ubisoft Entertainmentの人気シリーズ最新作,「Brothers in Arms: Hell's Highway」も,ラインナップされたタイトルの一つである。

 2005年に発売された「Brothers in Arms: Load to Hill 30」(邦題 ブラザー イン アームズ ロード トゥ ヒル サーティー)は,徹底的な取材を行ったリアル指向の分隊アクションで,戦場から兵士,武器にいたるまで,すべて実在するものをモデルとしている。一見するとFPSだが,タクティカルな要素が非常に重要で,アクションより戦術的な正しさが要求されるRTS風味の作品だった。
 発売と同時に評価され,続編「Brothers in Arms: Earned in Blood」は2005年内に早くも登場している。したがって,今回のHell's Highwayはシリーズ第3弾になる。



 主人公は前作までに登場したマット・ベイカー軍曹ジョン・ハートソック伍長,そして第101空挺師団第502歩兵連隊第3小隊第3分隊の残りの面々も勢揃いして登場する。
 第1作と続編では,ノルマンディ上陸作戦の前夜,前線の背後に降下した彼らの8日間の戦いを描いているが,勘の鋭い人なら「Hell's Highway」という言葉からすぐに「マーケット・ガーデン作戦」を連想してくれるだろう。まったくそのとおりだ。
 第二次世界大戦最大の空挺降下作戦だったマーケットは,地上攻撃作戦ガーデンと共にオランダを経由してドイツ工業の心臓部であるルール地方に突入しようとするものだったが,さまざまな齟齬と見込みの甘さから多くの犠牲を出して失敗。オランダをまっすぐに走る街道を,兵士達は「地獄のハイウェイ」と呼んだのだ。

 最新作であるHell's Highwayは,Xbox 360と最新のDirectXに対応する,非常にハイレベルグラフィックスが特徴となる。前作までもとくに不満のないレベルだったが,本作ではさらにリアルな戦場に立つことになるだろう。また,爆発,爆煙など,戦場の臨場感を高める各種エフェクトも次世代機/OSにふさわしいものになるはず。
 また,重機関銃を携行する機関銃チーム,建物や戦車を破壊するバズーカ砲チーム,そして遮蔽物の陰に隠れた敵に効果がある迫撃砲チームなどを臨機応変に編成可能となった。これによって,より柔軟な戦術をとることができるとのことだ。
 マルチプレイモードもブラッシュアップされ,現在のところ人数は未定だが,さらに多くの参加が可能になる。分隊ベースのデスマッチモード,Co-opモード,スカーミッシュモードなどが予定され,Live Anywhereのコンセプトどおりならば,Xbox 360,PCを問わずに参加し,ボイスチャットを使った激しい戦闘が可能になるだろう。
 さらに,敵の立てこもる建物や遮蔽物など,かなり多くのオブジェクトが破壊可能になる予定であり,搭載された物理エンジンにより,建物や板塀などがリアルな挙動で吹き飛んでくれるはず。隠れ場所にはくれぐれもお気をつけて。

●左:マット・ベイカー軍曹,●右:ジョン・ハートソック伍長


 さて,正直なところ,一つのゲームに必ずコンシューマ機版が出なければならないLive Anywhere構想は,急激に進歩するPC環境にとってどうなのか? という疑問もないわけではないし,マルチプラットフォームに対応した製品を発売できるのは大きなメーカーに限られるという問題もあるだろう。現在のところムービーがあるだけで,実際に動くバージョンは登場していない本作。Ubiのブースにも展示がなく,パンフレットに簡単な紹介があるだけといった状態だが,2006年クリスマスシーズンには発売予定しているとのことなので,ファンは期待して待っていよう。(松本隆一)


Brothers in Arms: Hell's Highway
■開発元:Gearbox Software
■発売元:Ubisoft Entertainment
■発売日:2007年内
■価格:N/A

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http://www.4gamer.net/news/history/2006.05/20060513225631detail.html