[E3 2006#091]ロシアの閉鎖都市で特殊部隊が活躍するFPS「DUSK-12」
それぞれの来場者がそれぞれの感想を持つであろうE3。担当記者の場合,コンベンションホールの地階,Kentia Hallを歩いているときに「ああ,E3に来たなあ」という気分になる。大企業がひしめき合う上階と違い,小粒の会社がたくさん集まるKentia Hallには,ゲームが好きでこんな会社をやっているのだという雰囲気があり,いや,お金のためでもいいんだけど,その方法としてゲームを選んだ事実がなんとなく嬉しくなる。 ロシアのデベロッパ/パブリッシャであるBuka Entertainmentは,このKentia Hallの常連である,などと言うと誉め言葉にはならないかもしれないが,今年もなかなか立派なブースを構えて,2006年末から2007年にかけての新作をずらりと紹介していた。その中で,ちょっと気になったのがこれ,「DUSK-12」だ。タイトルの意味は,4年前に行われた(という設定の)秘密プロジェクトの名称。このプロジェクトは,人間を改造してスーパーソルジャーを作ろう,というちょっと「いいのか?」というものだったが,途中で致死性のウィルスが漏れて町中を汚染。市民はミュータントに変身し,危険を感じた(そりゃ感じる)政府は都市を閉鎖するのだ。 というわけで,主人公は特殊部隊の一員となって,この都市に潜入,秘密プロジェクトに隠された真の目的を追求するのだ……。というストーリーのスクワッドタイプのFPS。 開発に当たっているOrion Gamesは本作のために独自グラフィックエンジンを開発し,さらには独自の物理エンジンも作り出したとのこと。公開されたのは,プレイ画面を中心とした解像度の低いムービーだけだが,それを見る限り,「Half-Life 2」を思わせるロシア風の町並みや,手元の銃器のディテール,さらには爆発や炎,そして煙のエフェクトなどなかなか良い出来。写真を見てもお分かりのとおり,ちょっと期待の持てるタイトルだ。
最大16人が参加できるマルチプレイは,デスマッチとチームデスマッチが可能で,モードによってはゾンビ対人間,などという組み合わせも可能になる予定。誰がゾンビでプレイしたがるのだろうか,という疑問も残るが,実現したらぜひ遊んでみたい。 同社のソフトはちょっと遅れがちだが,発売は2007年の夏が予定されている。 第二次世界大戦下の太平洋の戦いを描いたコンバットフライトシミュレータ「Pacific Storm」が好評で,ドイツのCDVが同ソフトのアメリカでの販売権を獲得したり,1950年代のソ連を舞台にスターリン首相を守るKGB職員が活躍するFPS「The Stalin Subway」の続編が早くも制作開始されたりと,なんとなく調子の上がっている感じのするBuka。早く「DUSK-12」でも我々を楽しませてほしい。(松本隆一)
|
|
|