[E3 2006#052]Playlogicの最新アクション「Infernal」はPCを使う悪魔が主人公
Sony Computer Entertainmentや任天堂が巨大なブースを構えるWest Hallの一画に,Playlogic Internationalのブースもある。単純明快なチャンバラ騎士物語「Knights of the Temple」シリーズが日本でよく知られた中堅のパブリッシャ/デベロッパである。 E3の中日,つまり5月11日の午前中という比較的来訪者の少ない時間,取材の合間にふと通りかかったときに気づいたのが,この「Infernal」というゲームだった。プレイ画面に足を止め,面白そうなので試遊台に座り,販売員に遊び方を教わり,さまざまな情報を得る。こういう出会いがE3の醍醐味ではないか,と思ったりして。 ちなみに,海外ニュースによく目を通している人なら知っているかもしれないが,これは以前「Diabolique: License To Sin」という名前で開発されていたシングルプレイ専用の三人称視点アクションで,デベロッパはMetropolis。テーマは,旧タイトルからも分かるようにホラーである。
主人公Ryan Lennoxは,秘密情報機関のエージェントであると同時に,地獄からやってきた悪魔。なぜ? などと聞かないでほしい。そうなのだから仕方がないのだ。プレイヤーは彼を操り,あるときは最新鋭のガジェットを使い,コンピュータをハッキングし,またあるときは殴り合いをしたりしながら任務を遂行していくのだが,それらが通用しないとき,彼は悪魔の力を発揮するのである。
プレイ画面を見ると,ピンチに陥った彼の右腕が妖しく燃え上がり,彼の持つ銃から放たれる銃弾は普通以上の破壊力を発揮している。これは,彼が一瞬ゴーストになり,彼自身の力を銃に注いでいるからだそうだ。物理的な説明など求めないでいただきたい。そうなのだから仕方ないのだ。地獄パワーの銃弾はドアを一撃で吹き飛ばし,向こうの敵をも撃ち倒す。破壊力抜群。敵の正体はよく分からないが,ハイテクプロテクターを着つつ下は中世の僧服のようで,ちょっといいムードである。AIもなかなか優秀で,撃たれると物影に隠れたり,二人で挟み撃ちを仕掛けてきたりする。 敵をすべて片付けると,Ryanはつかつかと死体に歩み寄り,再び燃え上がった右手を敵の死体にかざすと,そこからなんだかよく分からないけど,たぶんエネルギー的なものを吸い上げたのだ。さすがは悪魔である。スニークも上手にこなすよ。 画面写真を見ても分かるように,グラフィックスはなかなか美しく,炎のエフェクトや,輝きながら浮かび上がる魔法陣などにも合格点以上をあげられるだろう。 ゲームの性格上,暗い場所や教会のような場所が多いが,最近流行の光と影の様子もなかなか堂に入っている。
発売は2006年の秋以降が予定されているが,日本で発売されるかどうかは当然不明。 現代社会に生き,飛行機や車に乗り,銃を撃つ悪魔,というユニークな主人公がいかなる冒険を見せてくれるのか非常に楽しみだ。(松本隆一)
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