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[E3 2006#044]シド・マイヤー氏の往年の名作が「Sid Meier’s Railroads!」として復活
2006/05/12 18:34
 「シミュレーションゲームの父」ことシド・マイヤー(Sid Meier)氏が「Railroad Tycoon」を発表したのは,1990年。まだ“リアルタイムシミュレーション”というゲームコンセプト自体が存在しなかった頃のことだ。何もせずに放っておくと,ライバル企業の路線がプレイヤーの路線にどんどん迫ってくるという本作のゲーム性は,その後のシミュレーションゲームに大きな影響を与えたといえるだろう。
 二作目以降は他社が開発してきた同シリーズだが,ついにFiraxis Games自身が新作の開発に乗り出したのだから,注目を集めないわけがない。

 「Sid Meier's Railroads!」(以下,Railroads)の企画は,マイヤー氏が数年前に,旅行でドイツに行ったことがきっかけという。ゲームデザイナーの一人で,今回詳細を解説してくれたティム・マククラッケン(Tim McCracken)氏によると,ドイツでミニチュア鉄道のファンイベントに参加したマイヤー氏は,目を爛々と輝かさせて帰国し,その後2週間にわたってオフィスの自室にこもり,プロトタイプとなるプログラムを開発して出てきたそうだ。
 そのプログラムはすぐに2K Gamesに持ち込まれ,ゴーサインが出たことにより,本格的な開発作業がスタートしたという。

 「Sid Meier's Civilization IV」では,マイヤー氏は「後見役」としての役割を担い,直接開発に携わることはなかったが,本作では同氏自らが開発現場の陣頭に立ち,スタッフ達と共に作業を行っているとのこと。マイヤー氏渾身の作品が登場することが期待できそうだ。



 Railroads!は,Railroad Tycoonと同様に,経営要素が濃いゲームで,ある地域の生産物やその地域に住む人々を別の地域へと運び,運賃収入などを得て資金を増やし,さらなる路線拡大を図ったり,駅や供給基地を増設したりするという内容だ。
 麦,綿,家畜,鉄鋼,燃料など,20種類以上の原産物を工業都市に運び,繊維工場や鉄工所をはじめとする30種類以上の建造物で加工する。加工品を,そのニーズの高い地域へと供給することによって収入を得,維持費や路線や施設を拡大するための建設費として使うのだ。
 Railroads!には,時代ごとに異なる30種類以上の列車が登場する。「グラスホッパー」と呼ばれる初期型の蒸気機関車から,電動の高速車両まで,幅広い列車をカバーしている。
 これまで,「Bullet Train」という表現で,日本の新幹線が登場するかのように推測されていたが,マククラッケン氏に尋ねたところ,「そのBullet Trainではありません」と申し訳なさそうに話してくれた。どうやら列車の最終形態として,フランスのTGVが登場することになりそうだ。



 本作には,Civilization IVで利用されたゲームエンジンを大幅にチューンナップしたものが搭載されているとのことで,鉄骨の一つ一つをはっきり確認できる鉄橋や,周囲の景色が美しく映り込んだ水面,そして列車のモデリングの細かさからも,その進化をうかがい知れる。
 線路を敷くのも,マウスをドラッグするだけと簡単になっており,線路の前方にある建物が自動的に横に移動したり,山に差し掛かると自動的に貫通してトンネルを作ってくれたりするのだ。線路をカーブさせるのも簡単で,物差しを曲げるような感覚で操作すると,綺麗な弧を描いた線路が設置される。

 もちろんRailroads!でも,ライバルの鉄道会社の存在が,とても重要だ。今回はJ.P.モーガンら歴史上の人物が登場し,プレイヤーの路線拡大を阻むべく,さまざまな策略を仕掛けてくるとのこと。
 また,より白熱した路線拡張合戦を楽しめるよう,ミッションマップは小さめに作られているとマククラッケン氏は話す。10月に予定されている発売が楽しみなタイトルだ。(ライター:奥谷海人)


シド・マイヤー レイルロード!〔完全日本語版〕
■開発元:Firaxis Games
■発売元:サイバーフロント
■発売日:2007/04/27
■価格:9240円(税込)
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2006.05/20060512183446detail.html