[E3 2006#035]発売まで秒読み段階に入ったアクションRPG大作「Titan Quest」
本稿では,最初に試遊台で「Titan Quest」の序盤をプレイした印象をまとめ,続いてプロデューサーのBrian Sullivan(ブライアン・サリバン)氏に聞いた話をお届けする。本作の基本的な事項についての解説は割愛するが,一から知りたい人はGC 2005時の紹介記事を参照してほしい。
■8つのスキルジャンルを組み合わせて36パターンのキャラクタークラスを決める
さて,まずは育成関連のシステムについて。キャラクターの作成時に選択する項目は,名前と性別,服の色の3種類のみ。キャラクターは,レベルアップ時に獲得するステータスポイントとスキルポイントを割り振ることで,様々な方向へ育っていく。
Titan Questの特徴は,オーソドックスなステータス関連ではなく,複雑なスキルポイントシステムにある。 スキルポイントを割り振る対象は「Storm」「Earth」「Warfare」「Spirit」「Defense」「Nature」「Hunting」「Rogue」の8ジャンルに大別できる。各ジャンルには20前後のスキルが属しており,これらにスキルポイントをつぎ込むことで,さまざまな技を習得できるという仕組みだ。ちなみにスキルのうち,アイコンの形が四角いものはアクティブスキル,丸いものはパッシブスキルとなっている。
左がスキルジャンル一覧,右はスキルツリーだ
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ここで注目したいのは,ジャンルに割り振ったスキルポイントの合計によって,メインスキルとサブスキルが定められ,その組み合わせによってクラスが決められるということである。 サブスキルを持たず,1ジャンルのスキルのみにスキルポイントをつぎ込んだケースも入れて,クラスは36通り。もちろん,スキルポイントさえ割り振っていれば,メインとサブ以外のスキルも利用できる。また,一度割り振ったスキルポイントのUndo(再割り振り)も可能で,自由度はかなり高い。似たようなシステムには「ギルド ウォーズ」があるが,あれよりも自由な印象だ。
■懇切丁寧なシステムと精緻なグラフィックスが魅力
ゲームは,メインストーリーを紡ぐクエストを順にこなして,次のステージへ進みつつ,並行して多数のサブクエストを処理する,といった流れになる。このあたりは非常にオーソドックスであり,戸惑うことはないだろう。クエストの進行に影響があるなど重要なNPCの頭の上には「!」マークが表示されるだけでなく,広域マップ上でもはっきりと確認できるようにもなっている。
ほかにも,Altキーによって,例えば「マジックアイテムのみ表示」といったように,ドロップ品のポップアップ条件を変えられたり,現在地をウェイポイントとしてマーキングし,主要拠点と行き来できたりと,かゆいところに手の届く親切なシステムという印象を随所で受ける。とくに後者は,マルチプレイの合流時などに重宝しそうだ。
気になる戦闘時のプレイ感だが,これは一言でまとめると「Diablo 2」にかなり近い。というより,ほとんど同じと言っていいレベルである。 だが画面をよく見ると,グラフィックスのクオリティが半端ではないことに気づかされる。草木はキャラクターの動きによってなびき,影の形もリアルタイムで正確に反映されている。飛んでくる矢も高精細で,目で追いながら避けることも可能だ。プレイ中になんとなく画面をアップにして,グラフィックスに見入るプレイヤーが続出しそうなほどに美しく,そういう意味ではDiablo 2と一線を画している。
■Brian Sullivan氏に聞く「Titan Quest」の魅力
Brian Sullivan氏
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4Gamer.net: 本日はよろしくお願いします。Titan Questにはかなり期待していましたが,実際にプレイするとそれ以上の手応えがありました。
Brian Sullivan氏: そうだろう?(笑) 最近のRPGはMMOが主流だけど,Diabloに代表されるアクションRPGは根強い人気がある。そういった人達に向けての決定打になれると思っているよ。
4Gamer.net: 現在の開発進行具合と,発売に向けてのスケジュールを教えてください。
Brian Sullivan氏: 開発作業はほぼ完了していて,2006年5月末〜6月頭の発売予定。ちょうど今日(5月10日)にはデモ版の公開も始めたし,興味を持った世界中の人にプレイしてもらいたいね。
4Gamer.net: それではゲーム本編についての質問を。本作はタイトル名からイメージするに,ギリシャ神話が根底にあると見ていいんですよね?
Brian Sullivan氏: メインクエストのストーリーやNPC,武具といった世界観は,ギリシャ神話をモチーフにしているね。でも実はギリシャ神話だけでなく,ほかの地域の古代文明も取り入れてるんだ。
4Gamer.net: ほう。主にどの神話要素を取り入れているのですか?
Brian Sullivan氏: ギリシャ神話とエジプト神話,それと古代中国の三つがメイン。それにプラスして,ほかの地域のものもいくつか取り入れている。ちなみに,古代中国だとゲームの雰囲気はがらりと変わるんだ。(と,ここでチートコマンドを用いてステージ変更)
4Gamer.net: おお,なるほど。背景やモンスターだけではなく,武具のデザインも大きく変わるんですね。これを見るだけでも,かなり壮大な感じですが,シングルプレイの規模はどれくらいですか?
Brian Sullivan氏: サブクエストがあるから人によって違うけど,シングルのノーマルモードをクリアするんだったら,大体30時間くらいかな。 でも,ノーマルより高い難易度の「エピック」や「レジェンダリー」といったモードや,クラスの組み合わせも含めたら,シングルだけでも相当なボリュームがあると思うよ。
4Gamer.net: もう一方のマルチプレイはどのようなシステムになっていますか?
Brian Sullivan氏: マルチプレイの規模は最大6人。専用のロビーサーバーといったものはないけど,Gamespyなどを経由してマッチングを行えるから,仲間はすぐに集められるよ。
4Gamer.net: ということは,マルチプレイ用のキャラクターデータはローカルPCに保存ということですか?
Brian Sullivan氏: そうなるね。ローカルPCに保存するとなると,チート関連のデメリット面もあるけど,それよりもプレイヤー自身で世界を広げていくメリットを重視しているんだ。付属するマップエディタがとても優秀だしね。これを利用したコンテストなども行ってみたいね。
4Gamer.net: ほかにTitan Questでアピールしておきたい点はありますか?
Brian Sullivan氏: やっぱりグラフィックスには力を入れたから,隅々まで見てほしいな。この物理エンジンは自分たちで一から作り上げたんだ。
4Gamer.net: Diabloシリーズは日本でも人気が高く,Titan Questに注目している読者も多いと思います。彼らに対して一言お願いします。
Brian Sullivan氏: アクションRPGが好きな人なら,Titan Questはきっと気に入ってもらえると思う。今のところ日本語版のローカライズ予定は決まっていないけど,いつか出せたらいいね。
――Titan Questには,アクションRPGの傑作になる予感がしていたが,今回のE3でその思いは確信に変わった。本稿を読んで興味を持った人は,ぜひデモ版を一度プレイしてみてほしい。(川崎政一郎)
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タイタン クエスト 日本語マニュアル付英語版 |
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