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E3で公開予定,NCsoft「アイオン」のムービーと開発資料を入手
2006/05/10 18:56
 NCsoftが次世代のMMORPGとして開発してきた「アイオン:永遠の塔」のプロモーションムービーを4Gamerサーバーにアップした。
 ムービートレーラーはプレイムービー中心で構成されており,戦闘シーン,走る,跳ぶ,よじ登るといったアクションが確認できる。前回の速報で紹介したイメージイラストでは翼の生えたキャラクターが登場していたのだが,このムービーでは実際に飛翔するシーンも確認できる。映像を見る限り,かなりの自由度を持った飛行ができそうだ。

→ダウンロードは「こちら」 (1分14秒:50.5MB,WMV)

 また,アイオンの開発資料を入手したので,翻訳して以下に付記した(翻訳:Kim Dong Wook)。リネージュIIがUnreal Engineで作られていたのは有名だが,アイオンのエンジンはなんとCryEngineだったことなども語られている。参考にしてほしい。(aueki)



### 以下,開発資料より ####

1.開発背景及び企画意図

 アイオンは,NCsoft韓国スタジオの開発チームを主軸として開発中の次期大作MMORPGである。

 世界的にオンラインゲームのトレンドを主導しているNCsoftは「ゲームとインターネットの結合」を成功裡に提示したリネージュと,「シネマティックなゲーム」でのマイルストーンを打ち立てたリネージュIIを通じてオンラインゲームの普及をリードし, ゲームを映画と同等なレベルのものとする成果を挙げてきた。

 アイオン(Aion)の開発では,“Game is Next Cinema”というNCsoftの開発哲学の下で,MMORPGが挑戦しなければならない次の課題を“Interaction”だと設定した。これはほかの文化ジャンルでは実現できない,オンラインゲームの核心キーワードだ。これをいっそう強化したアイオンは,プレイヤーが「能動的に自分の話を作っていく」という新しい文化コンテンツを世に示すことになるだろう。


2. アイオンの概要

 アイオンはInteractionを強化した「完成型MMORPG」で,天界と魔界,そして竜界という総合的な三すくみの対立構造を構成している。プレイヤーは,これまでにない戦略的な戦闘を土台にして成長しつつ,アイオンのワールドと積極的な交流を経験するようになるだろう。プレイヤーのすべての行動は,世界を変化させる力となる。プレイヤーの力で変化した世界は,再びプレイヤーに影響を及ぼす新しい形態のInteractionを生み出す。プレイヤーは,自らのストーリーを作っていくという「ネクストシネマ」のビジョンを経験していく。

■PvPvE: 総合的な対立構造

 Interactionを実現するために構成されたアイオンのワールドは,人と環境,人と人の総合的な対立構造を持っている。PvPvEと呼ばれる総合的な対立構造を通じて,アイオンのプレイヤーは環境と積極交流しながら一緒に成長,進化すると同時に,オンラインゲームの華というべき,人と人の多彩な関係を通じて,多くの思いを感じるようになるだろう。

 アイオンワールドでは,プレイヤーは,所属感と協調心を持ったさまざまなモンスターとの戦闘を通じて,単純な繰り返し戦闘以上の能力を要求されてくる。そうして成長すると同時に,二つの敵対陣営を連結する通路である「アビス(ABYSS)」でダイナミックなPvPを経験できるようになる。このような対立を通じて蓄積されたプレイヤーの経験は,またワールド全体の存在にとって脅威となる竜族との戦闘に繋がれるように設計されて,プレイヤーは時々刻々と変化するプレイスタイルを経験することができるのだ。

 アイオンは,このようにPvPとPvEの2種類のシステムの有機的な連結を通じて,それぞれシステムが持った短所を補いつつ,長所のシナジー効果を誘導し,総合的対立構造の完成型を提示しようとするものである。


■自分の行動が世界を変化させる

 自らの成長と冒険のための個別プレイヤーの行動が,一つに集まって団体や集団の力になったとき,世界はその力によって徐々に変化していく。プレイヤーに新しい報酬と楽しさを提供すると同時に,またプレイヤーに新しい行動を要求するようにもなってくる。
 プレイヤーの行動よる小さな変化は,長い期間をかけて巨大なサーバー規模の力に凝縮されていく。こうして凝縮された力はやはりプレイヤーの行動によって爆発し,ワールドの経済の流れ,覇権の移動といった巨大な歴史を作る英雄を誕生させるのだ。




■コンテンツの高い完成度

 また,アイオンはRPGの根源的な楽しさを充実させていく。キャラクターを成長させて世界を冒険する過程のすべての瞬間に楽しさと達成感を感じられるようにすることを目標にしている。このため,ゲームの基礎的なコンテンツ,すなわち,戦闘 / アイテム / スキル / レベルデザインなどの基本的な骨組みを再点検して,アイオンのプレイヤーには必ず「楽しさ」だけが伝わるように努力している。


■想像のリアリティ,リアルな3Dグラフィックス

 アイオンは“想像のリアリティ”を極大化する最高水準の3D映像を実現するために努力した作品だ。これは実写のようなリアリティではなく,我々の想像の中にある魅力的なファンタジー世界を,実際に目の前で実感のある映像として再現することを最大の目標にしている。

−最近発売されるゲームのドラマティックな表現をさらに進めて,新しい「リアル劇画調」への転換を試み,アイオンだけの個性あるスタイルを作っていく。
−そのため,リアルイなメージの実現と背景の処理に卓越したCrytek製ゲームエンジンを導入,豊かでダイナミックな自然環境を実現した。
−世界的なグラフィックスのトレンドの研究を土台にして,洋の東西を問わず誰もが共感して没頭できるデザインを創出する。




■ニューエイジとゲームの出会い Yang Bang Eon

 アイオンの音楽はこれまでのRPG音楽が持った映画型,中世型の千編一律的な限界を飛び越えて,はっきりと差別化される音楽を作り出すべく努力した。さらに,アイオンは韓国の代表的なニューエイジミュージシャンであるYang Bang Eon氏(日本名:梁 邦彦,アニメ「十二国記」の音楽を担当など)と手を結び,東洋的な感性とメロディを主とした音楽を創造した。個性的なスタイルの音楽であることはもちろん,神話的な背景をベースにしたこのゲームの,ファンタジーが持つ神秘性をいっそう強めている。また,国籍を問わず集められた最高クラスのアーティストがセッションおよび演奏に参加しており,単なるゲームのBGMというだけでなく,音楽そのものでも高い価値を持っている。

3.世界観とワールド構成

 アイオンは神話的なテーマが反映されたファンタジーだ。すなわち異空間のワールドで,お互いに違う目標を追い求める種族とそれに対抗する未知の生命体の織り成す話を取り上げた作品である。

 アイオンのワールドは,その中央に位置する「永遠の塔:アイオン」を中心に,プレイヤーの主な舞台である天界と魔界という二つの陣営に分かれており,ここに天界と魔界をすべて敵対視する竜族の寄居する,竜界が存在する立体的な形態を構成している。

 プレイヤーはお互いに譲歩できない目標と理想を持った天族と魔族という二種族からどちらかを選択し,敵陣営はもちろん竜界との闘いを通して,冒険を進行するようになる。ワールドの覇権を狙う竜族と自らの生存と理想を守ろうと思う天族と魔族。このすべてがぶつかり,世界最大の戦争が始まるとき,プレイヤーは「永遠の塔:アイオン」の歴史を作っていく新しい主人公となる。


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Aion: The Tower of Eternity
■開発元:NCsoft
■発売元:NCsoft
■発売日:N/A
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2006.05/20060510185648detail.html