FFXI「アトルガンの秘宝」,新エリアや新ジョブの先行体験レポート
キャプチャソフトの使用が利用規約上認められていないため,今回掲載しているスクリーンショットの大半は,PC版をDVデッキで撮影し,そこから切り出したものです。あらかじめご了承ください
|
スクウェア・エニックスのMMORPG「ファイナルファンタジーXI」。その拡張ディスク第3弾「アトルガンの秘宝」の発売まで,ついにあと1週間を切った。新エリア,新モンスター,新ミッションの追加に加え,待望の新ジョブも追加。さらに,「ビシージ」「アサルト」といった新システムの導入と,これまででも最大規模のアップデートとなることは間違いないだろう。
今回4Gamerでは,スクウェア・エニックス本社でアトルガンの秘宝の体験ツアーに参加してきた。用意されていたのはレベル75の「からくり士」「青魔道士」「コルセア」と,いずれも新ジョブの3キャラクター。これらを使い,開発キャラクターのサポートのもと,新エリアを次々と見て回ってきたので,その模様をお伝えしよう。 また,新システムであるビシージや新ジョブについて,新たに判明した情報があるので,そちらも本稿の最後でまとめて紹介する。 なお,MMORPGの常として,リリースぎりぎりまでゲーム内データの調整が行われるため,ここで紹介する情報が最終的なものではないことをご注意いただきたい。
■皇都アルザビ
まずは今回のツアーのスタート地点となっていた「皇都アルザビ」から紹介していこう。皇都アルザビは,アトルガン皇国の首都であり,今回追加されるメインの街の一つ。絶対君主「聖皇」によって統治される皇国の首都ということもあり,堅固な累壁に囲まれた,石造りの重厚な雰囲気の街並みだ。 今回確認できたエリアでは,高い塁壁に囲まれた広場に点在する露天や,からくり士の大道芸人のNPCの姿などを見ることができた。アトルガンの秘宝での新ミッションを通じて,聖皇に謁見する機会を得られるのかもしれない。
■ゼオルム火山
新獣人「トロール」の本拠地である「ゼオルム火山」は,雰囲気としては,同じ火山エリアである「イフリートの釜」にやや近い。 トロールには重装備タイプと軽装備タイプが存在しており,それぞれタイプによって近接攻撃と遠隔攻撃のどちらかをメインで行ってくるようだ。 アトルガンの秘宝で追加されるモンスター達には,こうした細かい挙動をするものが多く含まれ,そちらにもぜひ注目してもらいたい。実際に重装備タイプのトロールと戦闘してみたが,かなりHPが高いように感じられた。おそらく多くのプレイヤーにとって苦戦を強いられる相手となるだろう。
ゼオルム火山の火口付近と思われるやや開けた場所には,新モンスターの「アプカル」や,カマドウマに似た新モンスターの「Wamura」,ザルカバードにいるのと同タイプの赤ドラゴン「Dahak」などが生息しているのを確認できた。
また,ゼオルム火山内部はトンネル状に広がっており,こちらは同じく新モンスターの「ブラックプリン」のすみかとなっている。試しに戦ってみたが,ストンガ3やファイガ3といった強力な範囲魔法を使用してきた。これまたやっかいな相手になりそうである。
ハルブーン
|
■ハルブーン
「ハルブーン」は,ゼオルム火山のふもとにある,トロールの傭兵団が築いた軍都だ。今回見ることができたエリアは,火山活動によってくりぬかれた地坑といったおもむきの場所。狭い足場の下を流れる真っ赤な溶岩や,複数の横穴が確認できた。 ここには火山地帯ではお馴染みとなったボムタイプのモンスターや,赤いクロウラータイプのモンスターが棲息している。散策してみた範囲においてはトロールの姿は確認できなかったが,さらに奥地に侵攻していけばトロール達が築いた建造物なども見られるのだろうか。
■アラパゴ暗礁域
昔から海の難所として知られ,多くの船が座礁してきた魔の海域「アラパゴ暗礁域」は,本シリーズのファンにとっては馴染み深い,新獣人「ラミア」の本拠地となっている。 今回体験した場所では,ラミアの姿を見ることはできなかったが,魚類の尾ひれをつけたラミアのような姿の新モンスター「Merrow」の姿を確認できた。 このエリアは常に霧がかかっており,廃船と,廃船の間をつなぐ板橋で構成されている。廃船同士が迷路のように連結され,実際に通行できる場所は見かけ以上に入り組んでいると感じた。さらにこの廃船の周囲には,海水の浸食によって作られた洞窟が広がっているようだ。
■マムーク
トカゲのような姿の新獣人「マムージャ」の本拠地が,「マムーク」だ。森の中に築かれたというこの都は,これまで見てきたエリアとはうってかわって,明るく開けた空と,木々の紅葉が美しいエリアだ。 今回見ることができたのは,中央がすり鉢状にくぼんだ段差を持った広場のような場所で,いったん下まで降りてしまうと,元の場所まで戻るのにかなり回り道が必要になりそうだ。試しに近くにいたマムージャと戦闘をしてみたが,強烈なノックバック(吹き飛ばし)攻撃を使用してきた。戦闘時には岩壁を背にするなど,立ち位置には工夫が必要だろう。 このエリアにはほかにも,緑色のラプトルタイプのモンスターや,リザードタイプのモンスターが棲息している。さらに,これまで紹介されていなかったオウムのような外見の新モンスター,「Colibri」もいた。このモンスターはなんと,プレイヤーが使った魔法をそのまま「オウム返し」してくるようだ。今回の体験ツアーの間にも,こちらが使ったのと同じ呪文を唱え返してきたのを確認できた。
上段と下段左:アラパゴ暗礁域,下段中と右:マムーク
|
|
|
|
|
|
エジワ蘿洞
|
■エジワ蘿洞
「エジワ蘿洞」は,今回訪れることができなかった「ワジャーム樹林」の地下に広がる,長大な洞窟。天井からは幾本もの樹の根が垂れ下がり,足元に生えた発光性のシダやコケ類によって青白く照らし出された洞内の美しさが印象的だ。 ここには,かつて海に没したという古代オルドゥーム文明の町があるとされ,その遺跡を狙って,新獣人「キキルン」やマムージャによる盗掘が後を絶たないのだという。 ここでは,実際にキキルンと戦闘を行ってみた。キキルンは本来友好的な獣人だが,中にはこうしてプレイヤーと敵対するものもいるという。キキルンとの戦闘で驚かされたことは,ダメージを受けたキキルンがびっくりするほどのスピードで逃げ出す点。今回の体験ツアー中も,何度となく逃げられ,鬼ごっこのようになってしまった。 しかもこのキキルン,気が小さいくせに悪知恵がはたらくらしく,逃げた先から遠隔攻撃を行ってきたり,詳細は不明だが,何か「罠」のようなものまで仕掛けたりするというのだ。実際の戦闘では,バインドで足止めするなど,「逃がさない」ための新しい戦術が必要になるだろう。
■ナシュモ
「アトルガンの秘宝」で追加されるもう一つの町であり,濃霧に覆われた「アズーフ島」唯一の町が,「港町ナシュモ」。ここはかつて皇国海軍の補給基地として利用されていたが,疫病が流行したために町ごと放棄された。だが,荒廃していたこの町をキキルン達が復興したという設定だ。 この町の港からは,皇都アルザビへの機船航路が開かれている。町中にはキキルンのNPCが多く見られ,「鑑定屋」を営んでいるキキルンNPCの姿も見られた。鑑定屋には,新たに追加される「不確定アイテム」の鑑定のために,何度も足を運ぶことになるだろう。 かつて皇国領だったことの名残か,町のおもむきは皇都アルザビと似通っているが,大きな山羊のような生物がつながれた荷車など,この島独自のものと思われる風物も見て取れる。
なお,上で紹介してきた各エリアのモンスターの棲息状況やゲーム内データは,まだ最終的なものではないということは,あらためてご注意いただきたい。
■ビシージ,新ジョブに関する追加情報
今回の体験ツアーで,ビシージ,新ジョブに関していくつか新しい情報が得られたので,すでに発表されている内容と合わせて,最後にまとめて紹介したいと思う。
●からくり士
からくり士については,これまで「オートマトン」という自動人形を操って戦うということと,「ヘッド」と「フレーム」を変更することで外見が変化することが明らかにされていた。そして今回,さらに「アタッチメント」と呼ばれるオートマトン専用装備によって性能が変化することが判明した。なお,オートマトンにはプレイヤーが直接指示を出すことはできない。ジョブアビリティ「アクティベート」を使用する必要がある。 イメージ的には獣使いに近いが,獣使いと大きく違うのは,オートマトンに行動の方向性を指示する「マニューバ」の存在だ。 マニューバとは,オートマトンに与える戦闘指示のようなもので,三つまでセットできる。このマニューバの組み合わせによって,戦闘スタイルのカスタマイズが可能になっている。オートマトン自身も,自らの取った行動を徐々に覚えていくとのことなので,詳細はぜひプレイヤー自身の手で確かめてもらいたい。 また,オートマトンを操るためには,からくり士が「ストリンガー」と呼ばれる専用アイテムを装備する必要があるとのこと。からくり士は,本体の強さはさほどではないが,オートマトンの強化によって強くなるジョブだと考えて良さそうだ。
●青魔道士
本シリーズのファンは,すでにご承知のことと思うが,青魔道士は敵の技を「ラーニング」によって習得し,さらにそれを自らのものとして扱うことができるジョブだ。 敵の技を使用するためには,まずそれを習得する必要があるわけだが,ラーニングは敵がなんらか技を使った戦闘の終了後に習得の判定が行われる。
習得した技は,専用のスロットにセットしなければ使えない。スロット数は最初は少ないが,レベルが高くなるにつれて数が増えていく。また,それぞれの技には,セットすることによって青魔道士自身のステータスに変化をもたらすパラメータが設定されており,組み合わせていくことによって,自分自身の性能を強化できる。 ただし,セットしたばかりだとペナルティとして,しばらくの間はすべての魔法がキャストできないため,出発前によく吟味してセッティングを行っておきたい。
使える技は,大きく「物理系」のものと,「魔法系」のものとに分かれている。これらの技は,ジョブアビリティの使用後,最初の1発だけ,対応する連繋やマジックバースト属性を与えることが可能。ジョブアビリティ「ブルーチェーン」では連繋属性を,「ブルーバースト」ではマジックバースト属性をそれぞれ付与できる。特徴的なのは,TPが100でなくてもこれらの技を使用できるという点だ。ただし,物理系の技は当然TPが高いほど技の威力も増すため,アビリティのリキャストタイミングと合わせて,使う局面を見極めたい。
●コルセア
コルセアは華麗なギャンブルテクニックを持つ海賊の末裔で,ダイスの目によってパーティ全体に様々な補助効果を与えるジョブアビリティ,「ファントムロール」が特徴だ。 ファントムロールは,一定時間内は「ダブルアップ」によって重ねがけができる。なお,ダイスの目の合計値が「11」になると最高の効果を得られるが,「12」を超えてしまうと,「Bust」となってしまい,コルセア自身にペナルティが課せられてしまう。このあたりは,いかにもギャンブラーらしいといえるだろう。 なお,ロールに必要なダイスは,町で購入可能だ。
もう一つのジョブアビリティである「クイックドロー」は,カードを触媒として弾丸に様々な魔法効果を付加し,同時に敵にかけられた弱体魔法の効果をアップできるというものだ。こちらもまた,町で買えるものや,中には合成で作成できるものもあるとのこと。 また,今回明らかになったジョブアビリティ「ランダムディール」は,パーティ内の誰かのアビリティのリキャスト時間をゼロに戻すというものだ。誰のどのアビリティに当たるのかは分からないため,それが使っていないアビリティだった場合にはまったく意味がない。だが,運良く効果的なアビリティに当たれば一気に戦局を逆転できるだけの要素を持った,ギャンブル性の強いアビリティだ。コルセアの2時間アビリティである「ワイルドカード」もまた,使ってみるまで分からないランダムの効果を持っている。 どこまでも,とことんギャンブラーらしいアビリティを持ったジョブだといえるだろう。
●ビシージ
ビシージは,アトルガンの秘宝の舞台である新大陸(エラジア大陸)における,コンクェストに代わる新しい要素で,「魔笛」をめぐって,ラミア,トロール,マムージャのそれぞれの軍団が町に攻め寄せてくるというものだ。 プレイヤー側は,ただモンスターの進軍を待つだけではなく,積極的にこれら蛮族の本拠地に攻め入って,敵の勢力を弱体化させることもできる。また,進軍中の敵軍団を途中のエリアで迎撃することも可能で,自警団的なLS(リンクシェル)を組織して防衛線を張るといった遊び方もできそうだ。
防衛線を突破した獣人軍は,最終的には町にまで到達し,町のどこかにある「魔笛」を奪おうとする。プレイヤー側は,この「魔笛」を守り抜くことによって,経験値のアップやリフレッシュの効果など,様々な恩恵を受けられる。逆に「魔笛」を奪われてしまった場合には,すべての恩恵がリセットされてしまうため,獣人軍の本拠地まで取り戻しに行かなければならない。 さらに,町の中に進入した獣人軍は,町中にいるNPCをさらって行く場合もあるという。この場合,店や競売が使えなくなったりと,色々と不都合なことになる。
獣人軍の進軍の開始時や,町中への侵入を許した場合には,緊急警報のアナウンスが流されるとのことなので,プレイヤー同士で協力して撃退したい。 市街戦となった場合は,すべてのプレイヤーが強制的に参加させられる状態となり,店のドアなどは閉じられて買い物などが制限される。ただし,市街戦で戦闘不能になった場合には経験値ダウンのペナルティは課せられないとのことなので,恐れずに積極的に参加したいところだ。 獣人軍との市街戦といえば,オープニングムービーで見られる,町に押し寄せるオークの大軍が思い起こされるが,近い将来,ゲーム内においてもこのような光景を目にすることができるのかもしれない。これもまた,楽しみな要素の一つだ。
アトルガンの秘宝は,およそ1年半ぶりの拡張ディスクだ。コレまでに用意されていたFFXIの世界は,一通り楽しみ尽くしたという人も,また新たな体験ができるはず。リリースまでのあとわずかな時間,この記事を読みながら想像を膨らませていてほしい。(ライター:ginger)
|
|
ファイナルファンタジーXI アトルガンの秘宝 |
|
|
|
|
|
|
(C) 2002-2006 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Title Design by Yoshitaka Amano |
|
|
|
|