スクウェア・エニックスと学習研究社は,シリアスゲームの開発/販売における業務提携に基本合意したと,本日3月22日に発表した。また,今回の提携の第一弾として,2006年5月1日に,共同出資による新会社「株式会社 SGラボ」を設立することも明らかにした。
シリアスゲームとは,表現メディアとしてのコンピュータゲームの機能を活用した,学習/啓蒙コンテンツで,社会のさまざまな分野における問題解決を目的として制作されるもの。4Gamerでも,Access Accepted第35回(国連がスポンサーになったことで話題を集めた「Food Force」を中心とした内容)をはじめ,何度か紹介してきているので,ご存じの人も少なくないだろう。 SGラボでは,少子高齢化/ライフスタイルの変化/国際間競争の激化といった問題を背景に拡大する学習/教育市場の動向を踏まえ,
(1):学校その他教育機関 (2):社会的啓蒙活動 (3):企業・職能トレーニング (4):(1)〜(3)以外の個人的能力開発
という4分野をターゲットとし,シリアスゲームを企画/開発/提供していくという。 世界でも有数のゲームコンテンツ開発ノウハウを有するスクウェア・エニックスと,豊富な教育/知識コンテンツおよび教育機関とのネットワークを有する学研のタッグである。今回の業務提携が,シリアスゲームというジャンルにおいて,どれほどの力を発揮するかという点については,説明するまでもないだろう。 もっとも,開発されるコンテンツに,どちらの企業のカラーが色濃く反映されるかによって,シリアスゲームとしての価値は大きく左右される。単なるゲーム/エデュケイションコンテンツではなく,正しい意味でのシリアスゲームは果たして生まれるのだろうか。SGラボの実力(両社のチームワーク)に注目していきたい。(大路政志)
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