「グラナド・エスパダ」先行プレイレポート 完成形に近づきつつあるGEの魅力を紹介
グラナド・エスパダでは,1人から3人までのキャラクターを選択し,ゲームが楽しめる。ゲームスタート直後は1人のキャラクターしか操作できないが,クエストの解決を通じてMCCレベルを上げれば,操作可能人数が最大3人まで増えていくのだ
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2006年3月10日17時から,ついに「グラナド・エスパダ」のファイナルクローズドβテスト「Progressive Test」がスタートする。今回のテストでは,新規X-Tester5000人が募集され,第二次クローズドβテスト「Alliance」に参加したX-Testerも引き続きプレイできるため,クローズドβテストとしてはかなり大規模なものになりそうだ。 Progressive Testの実施期間は,3月10日17時から14日23時まで。クローズドβテストとしてはやや短期間ではあるが,韓国で現在行われているオープンβテストとほぼ同等の内容が盛り込まれるなど,かなり力の入ったテストとなっている。X-Testerは,「オープンβサービス時に近い状況下でのゲームバランス,および大規模同時接続状況下での安定性の実証」という本分をしっかりと果たしつつ,グラナド・エスパダの魅力を存分に味わってほしい。
さて,Progressive Testを目前に控えた中,4Gamer編集部では,同テストと同等のクライアントを用いた先行体験プレイをする機会が得られた。本稿では,その先行体験で得たプレイフィールをお伝えしつつ,グラナド・エスパダの基本をおさらいしていこうと思う。 今回のテストで初めて本作をプレイするという人や,日本でのオープンβテストに期待している人は,ぜひご一読を。また,掲載しているスクリーンショットには,高レベル(70以上)向け装備や,新エリアである「ジャケン」「オーシュ」周辺の模様も収めているので,熱心なグラナド・エスパダファンも,ぜひチェックしてみてほしい。 なお4Gamerでは,後日改めてProgressive Testのプレビュー記事を掲載する予定だ。現バージョンの詳細やゲームバランスの調整状況については,そちらの記事を楽しみに待っていてほしい。また,以前韓国で行われた「Final Test」(Progressive Testに相当するもの)に関しては「こちら」で紹介しているので,興味のある人はぜひご一読を。
■MCCシステムを軸とする戦闘シーンは,RTSのように奥が深い グラナド・エスパダには,MCC(Multi Character Control)というシステムが導入されている。これはその名のとおり,「一人のプレイヤーが,複数のキャラクターを同時に操作できる」システムで,プレイヤーは1人から3人までのキャラクターを同時に操作し,冒険が楽しめる。 本作を初めてプレイする人は,「最大3人のキャラクターを一人で操作する」という仕様に対し,若干のハードルの高さを感じてしまうかもしれない。かくいう筆者もその一人で,先行体験プレイをする際,かなりの不安を抱いていたものだ。しかし実際にMCCに触れてみると,意外なほどの操作性の良さと,戦闘シーンの戦術性の高さに,すっかり魅了されてしまった。 複数キャラクターの同時コントロールといっても,基本的にはリーダー(F1/F2/F3キーで随時変更可能)に指示を出すだけで,残りのキャラクターは自動的に行動してくれる。リーダー以外のキャラクターにはAIが搭載されており,マウスクリックで移動地点をクリックすれば,チーム全員がその場所まで移動するし,リーダーがモンスターを攻撃すれば,残りのキャラクターも自動的に攻撃してくれる。「とりあえず」プレイするだけならば,ゲームに不慣れな人でも気軽に楽しめる操作系統だ。
写真上段:最大3人のキャラクターを同時に操作できるが,状況に応じてリーダーを変更/操作するだけでも,奥の深い戦闘が楽しめる 写真中段:これは新マップ・ジャケンでのミッション風景。レベル80前後の強敵が登場するため,各キャラクターを上手く操作しないと全滅は必至だ 写真下段:各クラスには複数の「スタンス」がある。スタンスは,「構え」や「型」のような概念で,切り替えることによって,キャラクターの能力や使用可能スキルが変化するのだ
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半自動戦闘で気楽に戦闘を楽しむこともできるし,ショートカットキーを多用して複雑な戦術の実行もできる。相手が強ければ強いほど,プレイヤースキルが問われる戦闘システムといえるだろう
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とはいえ,すべての行動をAIに任せていては,効率的な戦闘行為は楽しめないし,MCCの奥深さも味わえない。キーボードを用いたゲームに慣れている人は,ぜひショートカットキーを多用してのプレイに挑戦してほしい。 今回の先行プレイでは,レベル70前後のファイター(近接攻撃)/ウィザード(魔法攻撃/補助魔法)/ウォーロック(魔法攻撃)というチームを主に運用していたのだが,用意されているショートカットキー操作を駆使すると,「ファイターをモンスター集団に突入させて後衛を守りつつ,ウィザードの補助魔法で援護,ウォーロックの範囲攻撃魔法でトドメを差す」といった戦術も可能。半自動戦闘では全滅必至の高レベル(ジャケンダンジョン周辺/80レベル前後)モンスター群とも,なんとか互角に渡り合えた(ちなみに半自動戦闘を試したら,30秒と待たずに全滅してしまった)。 上記のようにスカウト(直接的な攻撃手段はないが,さまざまな道具を用い,戦闘補助/回復役を務める)がいないチーム構成だと,各キャラクターのスキルを効果的に組み合わせなければ,多数を相手にした戦闘での勝利はかなり難しい。必要に応じてリーダーを切り替え,状況に応じたスキルを駆使し,チームのコンディションを管理しつつ戦術面での勝利を目指す。そういったプレイの流れを俯瞰してみると,MCCがもたらす戦闘シーンは,非常に「RTS的」だ。チーム単位の行動パターン(立ち位置を設定してのオート戦闘もある)も設定可能で,チーム内の一人のキャラクターのみを操作(例えば,足の速いスカウトで偵察に行くなど)することもできる。対モンスター戦でさえもRTS的なプレイスタイルが楽しめるのだから,より高度な戦術/行動が要求されるPvPでは,プレイヤースキルの善し悪しが大きく影響してくるだろう。
近頃,「対人戦特化」を謳うMMORPGが増えてきているが,マウスクリック操作を基本とした一般的な操作系統を持つMMORPGでは,プレイヤースキルよりも,キャラクター自身のレベルや装備が勝敗を決してしまうことが多い。そういった因習を打破するべく,戦闘システムにFPS要素が加味されたオンラインRPGもちらほら見かけるようになってきたが,本作はRTS要素を持ち込むことで,戦闘システムに高い戦術性を付与しているのだ。 キャラクター育成面では肩肘張らずに狩りを楽しみ,対人戦面ではショートカットキーを駆使して効率的な勝利を目指す。「ライト寄り」とも「マニア向け」とも強くアピールされていないグラナド・エスパダだが,MCCを軸とする操作回りを見る限りでは,さまざまな層のプレイヤーが,それぞれの楽しみ方でプレイできるタイトルだといえそうだ。
カメラ視点を大胆に「引く」ことができるので,作り込まれた背景を楽しむだけでなく,移動や索敵もしやすい
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■素直に「美しい」と思える,グラナド・エスパダの世界 グラナド・エスパダのもう一つの見どころといえば,なんといっても,その洗練されたキャラクターデザインと,それらが醸し出す美しいゲーム世界だろう。 グラフィックスに関しては,写真を見てもらえれば一目瞭然。(比較的)写実的なキャラクター,中世ヨーロッパ風のコスチューム,存在感のある建築物,輝く水面や木々の緑,そしておぞましくも美しいモンスター達。それらが渾然一体となって,なんとも美しいゲーム内世界が構築されているのだ。 グラフィックスが美しいといっても,飛び抜けて高いマシンスペックが要求されているわけではなく,先行体験プレイで使わせてもらったマシンでは,動作が重くなるようなことはほとんどなかった。ビジュアル面でのセンスやグラフィックスエンジンの優秀さは,これまでリリースされているMMORPGの中でも,トップクラスのものだといえるだろう。 なお今回用意してもらったアカウントには,さまざまなキャラクターと装備品が用意されていたのだが,装備ごとのキャラクターグラフィックスの変化が派手で,着せ替え作業がかなり楽しかった(特別そういう趣味があるわけではないのだが)。確認できた装備品に関しては,装備ごとに大きな能力差はなかったので,対人戦を楽しむとき以外なら,外見で装備を選んでも,さほど問題はなさそうだ。本作に登場する装備品はキャラクターレベルが装備条件として設定されているので,「憧れの武具/衣装を装備する」ことが,レベル上げのモチベーションとして機能する,というケースも多いかもしれない。
写真上段:キャラクターのグラフィックスは言わずもがな。ご覧のとおりの美しさである。装備のデザインもかなり凝っているので,「着せ替え」も実に楽しい 写真下段:キャラクターの衣装やモーション,風景,モンスターのデザインと,見どころは満載。美に対する圧倒的なこだわりには,素直に関心させられる
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これはオーシュの移動支援兵。初めて訪れる街でも,NPCの案内があれば道に迷うことはない
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■ゲームの随所に見られる「楽しむ」ための仕組み ハンビットユビキタスエンターテインメントの広報担当者に尋ねたところ,今回プレイさせてもらったのは,3月10日17時からスタートするProgressive Testのものと,ほぼ同等のクライアントとのことで,ゲーム自体は,問題なくスムースにプレイできるバージョンだった。 Progressive Testで新たに追加されるマップや各種仕様については,今回のプレイ時間では深く調査できなかったが,ミッションモードやジャケン周辺マップも正常に機能しており,フレンドリスト機能やチャットシステムの改良といった細かな追加/修正も,しっかりと盛り込まれていた。本作を長く,楽しく遊ぶための基本要素は,ほぼ網羅されてきたと考えていいだろう。 ゲームを「楽しむ」ための仕組みは,そのほかにも多数盛り込まれている。 実際にプレイしてみてまず関心したのが,移動の快適さだ。世界が広いため,徒歩(というか走り)での移動にはそれなりの時間がかかるのだが,世界の各地に設置されている「ウェイポイント」をチェックすれば,街に設置されているウェイポイントを通じて,一瞬のうちにテレポートできるのだ。移動には場所に応じたVis(ゲーム内通貨)が必要だが,価格設定が比較的良心的なので,あまり財布を気にすることなく利用できる。 また街には,「移動支援兵」というNPCがいる。そのNPCを利用すれば,その街の中の主要なポイントへ,低料金で瞬間移動できる。初めて訪れる街でも,「武器屋はどこだろう」とか「南口ってどうやって行くんだっけ」などと悩むことはない。
お金稼ぎに関しても,一般的なMMORPGよりラクな印象を受けた。本作では,モンスターを倒してもゲーム内通貨がドロップすることはないのだが,代わりに材料アイテムや装備アイテムなどが,ボロボロとドロップする。それらを随時NPC商店に売却していけば,活動に必要なお金は,すぐに稼げる。 また,韓国のFinal Test時に実装された「レアアイテム」も,従来のMMORPGよりは高確率でドロップしていた(筆者の場合,数時間のプレイで5,6種類のレアアイテムが入手できた)。レアアイテムは通常の装備品より高値で売れるし,それが装備可能なものであるなら,キャラクターを強化するための必要経費をグッと抑えることができる。 そのほか,拾った瞬間に効果が発揮される回復アイテムも,かなりの確率でドロップされるため,適正レベルの狩り場であれば,回復のための休憩時間をとる必要もなく,ノンストップで戦闘が続けられるはずだ。ちなみに,大量に地面に落ちているアイテムは,ハーベストモード(Ctrl+Shift+左クリックで切り替え可能)で「落ちているアイテムを回収しながら移動」できる。
「ラク」であることと「楽しい」ことは,必ずしも直結しているわけではない。しかし,「ラク」でないMMORPGは楽しくないと思うプレイヤーが多いことは事実だ。筆者個人としては,プライベートで「ラク」ではないMMORPGをプレイしているのだが,本作の半自動戦闘やドロップ率の良さ,移動の快適さなどを含め,グラナド・エスパダは「楽しい」オンラインRPGだと素直に感じた。 だがオンラインRPGは,多くの人が集まり,継続的なプレイをしてみて初めて(基本的な)評価が下せるジャンルだし,主に対人戦バランスの面に関しては,本作にもまだまだ課題が残っている。グラナド・エスパダの真の実力は,Progressive Testやその後に予定されているオープンβテストで,プレイヤー自身が確認していけばいい。いずれにせよ,オンラインRPGに興味のある人ならば,ぜひ一度は触れてみる価値のあるタイトルだと思うので,今後のMMORPGのトレンドを占う意味でも,グラナド・エスパダには注目し続けたいところだ。(大路政志)
写真上段:主要マップを結ぶウェイポイント。街だけでなく狩り場への往復も可能で,使用料金も比較的安い。積極的に活用して,限られた時間を有効に使いたいものだ 写真下段:左がレアアイテムの説明。さまざまな特殊効果が付与されているのがわかる。中央が,入手した瞬間にHPを回復する食べ物(スシ)。頻繁にドロップするのが嬉しい。右の写真には,プレイヤーキャラクターとして使用可能なNPCの一部が写っている。NPCの入手も,本作のやり込み要素の一部といえそうだ
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グラナド・エスパダ |
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(C)2003-2007 IMC Games Co.,Ltd./Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc. |
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