[韓国ゲーム事情#465]ブレイクダンスを題材にしたゲーム登場
Kimの韓国最新PCゲーム事情#465
ブレイクダンスをテーマにしたオンラインダンスゲーム「GROOVE PARTY」登場(2006/1/17)
Text by Kim Dong Wook特派員
リズムアクションゲームといえば,画面上部からノート(音符)が落ちてきて,それに合わせてボタンやキーボードを叩くというものが多い。それらとはちょっと違う,派手なキャラクターモーションを楽しめる,新しいスタイルのオンラインリズムダンスゲームが開発中であることが明らかになった。その名は,「GROOVE PARTY」。
ZNE Entertainmentが,2004年秋頃から開発している本作は,“B-Boying”(ブレイクダンスやHipHopダンス)という,若者層のトレンドを題材に,とくにビジュアル面に重点が置かれたタイトル。 B-Boyingは,韓国内より北米や日本などで広まっているが,あえてこれを題材にしたという点は,本作の世界戦略上,大きな意味があるのだろう。
Cho Ye氏
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B-Boyingをゲーム内で完璧に再現するため,10年のキャリアを誇り,日本,フランス,イギリスなどの世界大会で優勝実績があるB-Boyingチーム「REVERSE」と独占契約し,彼らの派手なダンスをモーションキャプチャしている。 さらに,REVERSEに所属していたCho Ye氏を企画者として本作のプロジェクトに迎え入れ,ダンスの再現と検証にも万全を期している。 ダンスならではの難度の高いアクションや,派手な演出を表現するべく,同社では「GROOVEエンジン」を開発した点も注目だ。ちなみにサーバーネットワークエンジンには,世界中のオンラインゲームで広く使われている,RakNetサーバーエンジンが採用されている。
本作の最大の楽しさは,“パワームーブ”(難度の高いテクニック)を繰り出せる「エクスタシーモード」にある。エクスタシーモードはいわゆる“コンボモード”で,派手な画面演出によりゲームへの没入感がいっそう増すという。 エクスタシーモード中に,商店で購入したパワームーブを繰り出して,さらに派手なダンスを披露すれば,ほかのプレイヤーより高い点数を獲得できるのだ。
ダンスを題材にしているだけに,本作には観戦機能も搭載されている。観戦者としてロビーを経由してゲームに入ると,ほかのプレイヤーのダンスをさまざまなカメラ視点で観戦できる。また,応援したりディスったり(けなしたり)も可能。
また,ゲーム内メッセンジャーとして「Crew」,プレイヤー自身のダンスプレイを動画としてコミュニティサイトで公開できる「B-Boying Capture」といったコミュニティ機能も搭載。ゲーム内のキャラクターと,サイト内のアバターが同じであるなど,ほかのプレイヤー達とコミュニケーションしながら,ゲームへの没入度がより高まるような仕組みも満載だ。
オンラインゲームであるGROOVE PARTYだが,NPCとの対決やクエスト進行などが楽しめるシングルプレイモードも搭載している。クエストでは,商店の店員のようなNPCとの会話を起点に,トレーニングルームやスタジオ,敵キャラクターのアジトなどで,さまざまなイベントが繰り広げられるという。
ZNE Entertainment Kim Ho Jin社長
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収益モデルは,既存のダンスやリズム系のオンラインゲームのように音源を販売する形ではなく,アバターやアイテムの販売という形になる模様。前述のパワームーブや,ほかのプレイヤーのじゃまをするアイテム,エクスタシーモードが始まりやすくなるアイテムなどが用意されている。 このほかにも,ステージの雰囲気をより高める「パーティDJ」などの販売も計画されている。
ZNE EntertainmentのKim Ho Jin社長は,10数年前からプログラマとしてゲーム業界で活動しているベテランクリエイター。Kim Hakkyu氏が10年前に関わっていたパッケージゲーム「リクニス」や,Gravityのモバイルゲーム「ラグナロクモバイル」の開発を行ってきた人物だ。 同氏は「B-Boyingは,世界的に普及しているカルチャーですが,これをテーマにしたゲームは存在していませんでした。そこで,B-Boyingをテーマに,ストレスがたまらず,ゲーム本来の楽しさを感じてもらえるタイトルを創造したかったというのが,本作開発の動機です。GROOVE PARTYが,次世代のダンスゲームの最先端として市場をリードできるよう,最善を尽くします」とコメントしている。
なお本作のサービススケジュールは,2月以降にクローズドβテストとオープンβテストを順次行い,正式サービスは夏頃の開始となる予定。
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