「Microsoft Laser Mouse 6000」ファーストインプレッション
2005年12月2日の発売日を前に,秋葉原など一部の地域で,並行輸入版の販売が始まっている「Microsoft Laser Mouse 6000」(以下MSLM6000)。ゲーマー向け,かつMicrosoft初のワイヤードレーザーマウスとして,国内発売前から高い注目を集める同製品について,まずは第一印象をお伝えしたいと思う。
■残念ながら現状では読み取りに問題あり
さて,遺憾ながら少々残念な点から説明する。現時点で,MSLM6000と,パッケージに付属するドライバ「IntelliPoint 5.4」の組み合わせでは,「マウスを右から左へ素早く動かしたときのマウスカーソル移動距離が,マウスをゆっくり動かしたときと比べて,極端に短い」という問題がある。 今回筆者は「Fatal1ty Pad」(FatPad)「sUrface 1030」「Thunder9 BK1:(Smooth)」「QPAD Gamer LowSense」「Razer eXactMat」といったマウスパッドに加え,木製の机でもテストを行ったが,組み合わせによっては,FPSで視点が思いも寄らぬ方向を向いてしまうようなこともあった。
いずれにせよ,どのマウスパッド(+机)でも,左右にマウスをずっと振り続けていると問題は頻発する。振り返る動作を頻繁に行うFPSプレイヤーにとって,これは看過できない。 例えば「Counter-Strike」では,相手が投げたフラッシュグレネードを避けようとしたときに,操作したつもりの位置に視点が移動せず,まともに食らってしまったりした。また「Quake 4」では,移動速度を加速させるテクニックの「アクセルジャンプ」(ジャンプと同時にマウスを左右に振る動作)をするときなどにも障害となる。 感覚的には,初期の光学センサー搭載マウスに近い印象だ。
この問題そのものは,マウスの設定で「ポインタの精度を高める」のチェックボックスをオンにすると,ほぼ解消する。しかし,そもそも「ポインタの精度を高める」というのは,マウスの移動に加速を付ける機能なので,シビアな操作が求められるゲームには向かなくなってしまう。 逆にいえば,シビアな動作が要求されない,一般的なWindows操作などなら,ポインタの精度を高めるチェックボックスをオンにすることで,ほぼ問題なく利用できることになるわけだ。また,以前お伝えしているように,ホイールはかなりいい感じで操作できる。これらは,認識しておいて損はないだろう。
■サイドボタンの使い勝手も今一つ
使い勝手という意味では,サイドボタンが少々気になった。まず,押しづらい。以後,右利きを前提に話を進めると,左のサイドボタンに親指を届かすのはかなり難儀だ。それでいて,右クリックを押そうとして,右サイドボタンを誤って押してしまうことも多い。 ドライバの機能に目を向けると,バインドできるキーが少ないのと,詳細な感度調整機能がない(Windows標準に似たスライド式の設定機能のみ)のは,他社製品と比べて物足りなく感じた。
また,MSLM6000では,ドライバ標準で,デスクトップの一部を拡大できる「拡大鏡」という機能が用意されており,(右利き設定時に)右サイドボタンに割り当てられている。この状態で,ゲームのオプションで右サイドボタンに何かキーをバンドルしても,拡大鏡が優先されてしまうのだ。正直,ゲーマー向けマウスの標準設定としては疑問符が付く。
左:MSLM6000のコントロールパネル。右利き設定時は,標準で右サイドボタンに「拡大鏡」がバインドされている
右:「Call of Duty 2」デモ版をプレイしたところ。右サイドボタンを押した状態でマウスを動かすと,「拡大鏡」の枠がちらちら表示される。もっとも,別に拡大されるわけではない
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以上,駆け足で説明してきたが,現時点でMSLM6000に過度な期待はしないほうがよさそうだ。今回紹介した問題が,ドライバレベルでどの程度解決するのかは何ともいえないが,少なくとも,ドライバがバージョンアップするまでは待ったほうがいい。 同時にMicrosoftには,発売に向けて何らかの手を打ってほしいと思う。すでに海外では発売されている以上,海外ゲーマーからのフィードバックはあったはず。製品の改善を期待して待ちたい。(Crize)
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