「蒼天」開発チームリーダー，Park, Jeong Soo氏
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韓国最新PCゲーム事情＃426
Wemade社，三国志ゲーム「蒼天」で日本市場に挑戦？（2005/10/13）
Text by Kim Dong Wook特派員
「ミルの伝説2」を開発し，中国オンラインゲーム市場に大きな影響を与えた韓国のデベロッパWemade Entertainment社は，10月13日，ソウル市内の某ホテルで3年ぶりとなる新作発表会を開催した。
そこで発表されたタイトルは，2005年7月に中国上海で開催されたChinaJoyでのラインナップとほぼ同じであった（一部興味深い新作タイトルがあったが，それはまた後日お伝えしよう）。
発表会後，同社の社長であるPark, Kwan Ho氏と話をする機会が得られたので，日本市場への進出に関して話を聞いてみた。氏は「今までは売り上げの大部分が中国市場から得られていたため，ほかの市場を意識することはありませんでした。しかし，我が社が開発中の新作『蒼天』に関しては，非常に面白い三国志ゲームに仕上がりそうですので，三国志人気が高い日本市場で，コーエーと真っ向勝負をしてみたいですね」と，自信に満ちた表情で語った。
「蒼天」は，オンラインゲーム市場で流行の兆しを見せている，アクション性の高いMOタイプのオンラインRPG。公開された画面を見る限りでは，コーエーの"三國無双"シリーズに似たタイプのゲームであるようだ。
蒼天に関するより詳しい情報を得るため，筆者は同作の開発チームリーダーであるPark, Jeong Soo氏にミニインタビューを行った。
4Gamer：
お忙しいところ申し訳ありません。時間もないことですし，早速いくつか質問をさせてください。画面を見る限り，蒼天からはコーエーの"三國無双"に近い雰囲気が感じられました。やはり影響を受けているのでしょうか？
Park Jeong Sooチームリーダー（以下 Park）：
アクション性を強調した三国志ゲームということで，どうしてもそういう印象を受けるでしょうね。世界中の三国志ベースのゲームを分析し，長所のみを発展させ，開発しているのが蒼天だといえます。
4Gamer：
では当然コーエーの作品も分析しているわけですね。そのコーエーは三国志を題材としたMMOゲームを開発しているそうですが，蒼天はMMOゲームですか？
Park：
分かりやすくいえば，「Guild Wars」や「SUN」のような，MO方式のRPGです。最大8人で一つのルームに入場し，多彩なクエストを楽しめます。
4Gamer：
なるほど。ではそのクエストには，三国志でお馴染みのシナリオも用意されていますか？
Park：
もちろん，"赤壁の戦い"をはじめとする有名なシーンを多数用意します。また，三国志の登場人物が，年代を超えて一堂に会する仮想クエストも用意する予定です。クエストをクリアするのに必要な時間は，長くても30分程度なので，プレイヤーが退屈することもないでしょう。
4Gamer：
オールスターキャストによる仮想クエストは，とても興味深いですね。ところで，プレイヤーが操作するのは三国志でお馴染みの武将達なんですか？
Park：
いえ，そうではありません。プレイヤーは戦士や策士など，自分でクラスを選択し，オリジナルキャラクターを作成してゲームを楽しみます。三国志の英雄達はNPCとして登場しますが，プレイヤーキャラクターもクエスト解決などを通じて地位が向上し，いずれは英雄と呼ばれる存在になるでしょう。
4Gamer：
分かりました。それでは，蒼天の最も特徴的な仕様を教えてください。
Park：
蒼天は基本的にRPGですが，コンシューマタイトルのような操作感と，格闘ゲームのような派手な連続技/空中コンボが楽しめる点が，最大の特徴といえるでしょう。技術的にかなり難しい仕様なので，開発は苦労の連続ですが，精緻な"当たり判定"まで完璧にデザインしています。
4Gamer：
アクション性が非常に高そうですね。キーボード操作では，キャラクターを自由に操ることは難しいでしょうか。
Park：
そうでもありませんよ。最小限のキーとマウス操作で，多彩なアクションを繰り出せるよう設計しています。不必要な操作は大胆に削り，豪快な打撃感が手軽に感じられるような作品に仕上がる予定です。
4Gamer：
必殺技や特殊スキルのようなアクションも発動できますか？
Park：
もちろんです。簡単なキーボード操作で魔法が使えますし，キャラクターの回避力や防御力を高めるスキルも存在します。
4Gamer：
爽快なアクションが，誰でも簡単に楽しめる作品になりそうですね。では，蒼天のサービス開始時期はいつ頃になりそうですか？
Park：
2006年夏頃のサービスインを計画しています。ですが，開発スケジュールは流動的なものなので，あくまで予定です。11月に韓国で開催されるゲームショウ「G-Star」で，より詳細な情報を公開することになるので，ぜひ期待していてください。
4Gamer：
楽しみにしています。お忙しいところ，ありがとうございました。
急なインタビューであったため，十分に話を聞く時間がなかったものの，Wemadeの蒼天に対する強い意志は十分に感じ取ることができた。なお，同作の開発にあたり，開発スタッフ全員が三国志ゆかりの地を取材したり，北京大学の史学科教授達にアドバイスをもらったりしているそうである。
「コーエーの三國志シリーズに真っ向勝負をしかけたい」という蒼天の進捗状況からは，しばらく目が離せなそうである。
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