第5回 4Gレビューコンテスト最終結果発表:3名が佳作受賞!
8月5日から9月5日にかけて募集していた,「第5回 4Gレビューコンテスト」の最終結果を発表する。 最終結果は,以下のとおり。
<大賞> 該当なし
<佳作> ・touge さん……「マビノギ」 ・氷霧 さん……「ぐるみん」 ・Toga さん……「信長の野望・革新」 ※ゲームタイトルをクリックすると,受賞作を読めます
佳作が同時に3作以上出たのは,実は今回が初めて。大賞が出た第3回でも,大賞と佳作を合わせて計2作品だった。確実に,応募作のレベルが向上しているといえるだろう。 また大賞こそ出なかったものの,佳作のどれもが"次回の大賞につながる作品"だというのは,審査員一同の一致した意見だ。 実際,第3回大会で大賞を受賞したSluta氏は,第1回,第2回にも応募しており,"三度目の正直"となっている。ちなみに第1回のときは受賞なし,第2回では佳作を受賞していた。 佳作の3人はもちろん,第一次審査で落ちてしまった人も,次の機会にリベンジしてほしいと願う。
この下に,佳作を受賞した各作品についてコメントを掲載しておくので,ぜひ参考にしてほしい。
<選評> ●tougeさん作「マビノギ」 この作品の魅力は,なんといっても独特の構成,章立てにある。「マビノギ」における"生活"を,より大きな枠組みで捉え直すという目のつけどころも大したものだが,その"生活"をプレイの局面=時間帯で綺麗に整理してみせる手際には,ゲームそのものへの愛情が感じられるのみならず,非凡な着想として評価できる。 レビュー記事は基本的に,その作品を知らない人に向けられた説明である。それゆえこの作品も細部を見ていけば,言葉足らずの部分もあるし,生活=生産系という"先入観"に対するオルタナティブが明確な言葉になっていないなど,やや弱い点もある。 それでも,各段落で取り上げられた題材は的を射ているし,全体の主旨は十分に伝わるだろう。レビュー記事の定石を,より高いレベルであえて外してきた意欲的な取り組みを,高く評価したい。(Guevarista)
●氷霧さん作「ぐるみん」 今回は,一次審査を通過した5本はもとより,惜しくも落とされた作品の中にも見どころのあるものが多く,全体的にハイレベルであった。この作品がアタマの差で優れていた点は,表面的な特徴やゲームシステム,内容の紹介に加えて,しっかり奥の奥までレビューしている点だ。メーカーが「本作のウリ」として掲げている要素で,具体的にはどういった遊び方ができるのか? クリア後には何が待っているのか? そういった,より「突っ込んだ話」も面白そうにフォローしている点が,作品への興味をそそらせる。 ただ,しばしば"大げさに褒める"傾向が見られ,そのために"薄っぺらい"印象となっているのが残念なところ。例えば「今までのアクションRPGの常識を覆す」という表現があるが,「オバケたちの"戦争"をテーマにした舞台設定,ゲームの成果によって現実世界にお持ち帰りすることができる"おまけ"の存在」という根拠では,少し弱いと言わざるを得ない。こういう表現が多いと,「あまり多くのゲームを知らない」と思われても仕方がないだろう。 その点さえ除けば,あとは不満な点はほとんどない。多くのレビューが表向きの要素だけに触れて終わっていたのに対して,実際に遊び込んだうえで,発掘した作品の魅力を読者に伝えようとした点は,大いに評価したい。 ただ,2004年発売のゲームだからこそ,奥の奥までフォロー可能だったという,うがった見方をする人もいるだろう。次回は最新作のレビューに期待したい。(Kawamura)
●Togaさん作「信長の野望・革新」 この作品が佳作を獲ったのは,簡単にいえば,「そつなくまとめられている」からである。シリーズ全体の話と,今作ならではの特徴から始まり,内政,合戦,キモとなる要素(技術)が,過不足なく書かれている。 ただ逆にいえば,綺麗にまとまりすぎていて,単なる紹介記事で終わってしまっているのが残念。広告記事ならばこれでいいだろうが,レビュー記事としては,もう少し踏み込んだ意見や,(魅力的な)余談があるくらいで,ちょうどいいのだ。 また,さらに上を目指すのなら,"切り口"(もしくはテーマ)を明確にすると良いだろう。例えば本作の場合,すべての命令が並列に処理されるため,内政,合戦,技術で人材の奪い合いが発生する。そこで「人材管理」という(裏の)テーマを中心に据えて各項を書けば,全体的に一本筋の通った,より良いレビューになっただろう。もちろん「どこが革新的なのか?」など別のテーマでもいい。明確な切り口があれば,自ずと読みやすいレビューになるものである。 なお,画面写真の位置の指定があったのは,好印象。作品がHTMLになったときにどう見えるかまで考えるのは,重要なことだ。文章的にはやや雑な印象もあるが(掲載分では多少追加しているが,元は"読点"や"改行"が非常に少なかった,など),編集作業で直せるレベル。今後の成長に大いに期待できる人材といえるだろう。(Iwahama)
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