[TGS2005#56]FF XIプロデューサー田中弘道氏ミニインタビュー
ファイナルファンタジー XIのプロデューサー田中弘道氏。この日はビジネスデイ(16日)とはいえ,人でごった返したブース脇で快くインタビューを受けてくれた
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東京ゲームショウ2005に合わせて電撃発表された,スクウェア・エニックスが運営するMMORPG「ファイナルファンタジー XI」(以下,FF XI)の拡張ディスク第三弾「アトルガンの秘宝」。次期拡張ディスク開発の噂はあったものの,正式に発表されたのはこれが始めてとなる。 展示はマイクロソフトブースのXbox 360コーナーで行われていたが,そこで同作のプロデューサーである田中弘道氏に遭遇したので,お忙しいであろう同氏に無理を言ってミニインタビューを敢行した。 話を聞けたのは20分間という短い時間で,また公開できない規制情報もあり,とても"情報満載のインタビュー"といえないのが残念だが,それでも注目に値する話も飛び出たので,プレイヤーならばぜひ一読してほしい。
■バランス調整に苦労した新ジョブ「青魔道士」
4Gamer: こんにちは,お久しぶりです。お忙しいところ,無理に話を聞かせてもらってすみません。
田中弘道氏:(以下,田中氏) いえいえ,大丈夫ですよ。周りがうるさいけど,何とかなるかな?
4Gamer: ではあまり時間もないでしょうし,いきなり本題から入らせていただきます。本日,「アトルガンの秘宝」を発表されましたが,そのコンセプトはどのようなものですか?
田中氏: えーと,いままでの拡張ディスク「ジラートの幻影」と「プロマシアの呪縛」で追加したストーリーなどの方向性とは異なる,まったく新しいベクトルのものになります。また,新ジョブはそれ(ブースにあるプロモーションムービーを指して)を見れば分かると思いますが,「青魔道士」が入ります。
4Gamer: おお,やはり青魔道士ですか。個人的には,バランスの問題で実装は難しいジョブだと思っていたのですが……。モンスターが使うスキルって,全体的に強めに設定してあるじゃないですか。なので,調整には相当苦労すると思うのですが。
田中氏: バランス調整にはかなり苦労するかもしれませんが,プレイヤーからの実装要望の声が大きかったジョブでもあったので,今回追加することにしました。
4Gamer: なるほど,大変だとは思いますが,一プレイヤーとしては嬉しい限りです。ではその青魔道士は,どのような成長ラインをたどり,最終的なプレイスタイルはどんな感じになるのでしょうか。
田中氏: 青魔道士が登場するFFシリーズ作品はいくつかありますが,何がオリジナルかというのは,とくにありません。FF1の世界観に基づく「最もFFらしいFF」を目指していたので,しいて言えば,"FF XIらしい青魔道士"になるでしょう。
4Gamer: "FFXI"らしい,ですか。それは楽しみです。プロモーションムービーでも,スパイダーウェブみたいなのや,火炎を噴出するシーンがあったので,面白そうですね。
田中氏: ええ,ありがとうございます。アトルガンのリリース直後は青魔道士を取得しようとするプレイヤーが増えるかもしれませんね。
アトルガンの秘宝のプロモーションムービーが流されるのを待つ人,Xbox 360版をプレイしようと並ぶ人で,ブース周辺は非常に混雑していた
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■全機種全世界同時リリースを予定
4Gamer: リリースはいつごろになりますか?
田中氏: まだ具体的な発売時期は言えないのですが,今考えているのは,Xbox 360を含んだ全機種全世界同時リリースです。
4Gamer: え? ……とすると,Xbox 360が発売されてからですよね。もしかして,Xbox 360と同時?
田中氏: そこはまだ内緒です。
4Gamer: さすがにまだ無理ですか……。でも,同時ではないとしても,それほど遠くない時期ですよね。そうするとXbox 360版からスタートした人は,キャラクターレベルが低くて十分に楽しめないのではないですか?
田中氏: ええ,それは考えました。しかし,最低でもジラート,プロマシアの二つの拡張ディスクを含んだ状態でのリリースというのは決定していますし,それだけでもすでに膨大な冒険を楽しめますから。あと,新ジョブをプレイする人も多くいると思いますよ。
4Gamer: 確かにそうですね。例えばプロマシアでは,広いレベル帯のキャラクター同士で遊べますが,ほとんどの人はまず本編を進めますものね。 しかし,ある程度は既存プレイヤーと新規プレイヤーが交流できるようなイベントも必要だと思うのですが。
田中氏: もちろん交流イベントも考えていますよ。
4Gamer: あぁ,やはりお考えでしたか。プレイヤーの立場からの発言ですが,ぜひお願いします。それでは次の質問に移ります。 以前,経験値テーブル(レベルアップに必要な経験値の表)が変更されてレベルアップが楽になったこともあり,既存プレイヤーの平均レベルもグッと上がってきていると思います。アトルガンは高レベル帯を意識したものになっていますか?
田中氏: 確かに,高レベル帯のプレイヤーは今後さらに増えるでしょうから,そこを重点的に対応していきますが,基本はプロマシア同様に,広いレベル帯のプレイヤーをターゲットとしています。
※Xbox 360版の画面です。
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4Gamer: では,レベル制限エリアも……?
田中氏: プロマシアで実装したレベル制限エリアは,ある程度の効果が出ています。それも一つの手段ではありますが,アトルガンではほかにも色々とやる予定ですよ。あと,まぁそれと関係するかどうかは内緒なのですが,新システムも近々発表できると思います。
4Gamer: おお,それも楽しみな材料ですね。
田中氏: FF XIは,サービスを開始してから3年が経ちました。MMORPGでは,「動いていくコミュニティ」にどう対応していくかということも重要です。プレイヤーの声を聞きつつ,最適な要素を取り入れていくのが必要だと思っています。
4Gamer: つまり,こちらもプレイヤーの要望に応えたようなシステムになるということですね。期待しています。 少し話しは変わりますが,先ほど,展示してあるXbox 360版を見てきたんですよ。なんだか,以前よりサクサク動いてませんか?
田中氏: あぁ,そうですね。以前はXbox 360のアーキテクチャを十分使い切れていなかったのですが,チューニングが進むにつれて,どんどん効率良く動作させられるようになってきています。
4Gamer: では,もうほぼ完成状態ですか?
田中氏: いいえ。発売直前まではチューニングを続けていきますよ。
4Gamer: それは頼もしいですね。とはいえ,今のバージョンでも,十分魅力的に感じました。東京ゲームショウ初日(16日)の午前中ということで,ちょっと気の早い質問かもしれませんが,プレイアブル展示をして,ブースに来た人の反応はどうですか?
田中氏: まだ開場して1時間くらいじゃないですか!(笑)。でもまぁ,結構いい感じだと思いますよ。
4Gamer: わずか1時間でも分かるくらい,手応えは十分ということですね(笑)。 さて,公式サイトでも次回のバージョンアップの情報が公開され始めていますが,前回のバージョンアップでプロマシアストーリーも一段落しましたし,今回はどのような部分をメインに追加されるのですか?
田中氏: 公式サイトで出している,「海図」や新エリアの開放などの新しい遊び方のほかにも,プロマシアのサイドストーリーのようなものも追加する予定です。これも,具体的にはまだ話せないんですけどね。
4Gamer: そうですか,残念……。時間もないことですし,今回はここで終了とさせていただきます。本日はありがとうございました。また次の機会でも,よろしくお願いしますね。
田中氏: こちらこそ。
今回のミニインタビューでは,あまり突っ込んだ内容まで話せなかったのは残念だが,それでも田中氏の言葉の端々から,いろいろなことが読み取れた。こういった,少しずつ出てくる情報をもとに,色々と推測を重ねていくことが,プレイヤーにとって楽しい時間となっていれば,幸いだ。 青魔道士という,いわばFFシリーズの"顔"ともいえるジョブの追加によって,本作がまた一歩"完成形"へ近づくといえる。世界規模で見てもトップクラスの人気を誇る本作が,アトルガンの秘宝でさらに飛躍することが期待できそうだ。 今後も随時情報が公開されるはずなので,4Gamerでも積極的に追っていく予定だ。ぜひお楽しみに。(Seal)
※Xbox 360版の画面です。
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ファイナルファンタジーXI アトルガンの秘宝 |
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(C) 2002-2006 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. Title Design by Yoshitaka Amano |
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ファイナルファンタジーXI |
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