[TGS2005#48]「ファンタシースターユニバース」の試遊台とステージは大混雑に
9月9日に行われた「コンシューマ戦略発表会2005」の記事「こちら」でお伝えしたとおり,今冬リリース予定のオンライン対応RPG「ファンタシースターユニバース」(以下、PSU)の試遊台(PC版&プレイステーション2版)が用意されていたセガブース。 その注目度の高さから(試遊をした人には"フォトンブレスレット"がプレゼントされることも影響しているかもしれないが),試遊ゾーンは1時間近い待ち時間もざらという混雑ぶり。正統"ファンタシースター"シリーズの流れを汲んだ"ストーリーモード"と,"ファンタシースターオンライン"の続編的な"ネットワークモード"を1本で楽しめるため,結果的に,両方のファンから期待を集めているタイトルといえるだろう。
今回はPS2版とPC版の両方が出展されていたが,試遊できるステージはそれぞれ異なるものとなっていた。PS2版はE3で出展されたものとマップおよびシーケンスは同じ,PC版はE3出展版と異なるマップだ(E3ではどちらも同じマップだった)。 E3時点から考えれば時間もそれなりに経っており,グラフィックスやアクションなどのディテールもE3のときより細かくなっていたようだ(E3版について触れた記事については,「こちら」を参照)。いやむしろ,グラフィックス関係は描き直しされている印象さえある(セガの人にその旨問うてみたのだが,非常にボカした返答しかもらえなかった)。
ただ一点気になったのは,PS2版とPC版ともにストーリーモード(要するにシングルプレイ)の試遊となっていたこと。もしかしたらネットワークモードの開発に遅れが出ているのかと思い,それもまた現場にいたスタッフに尋ねてみた。得られた返答は,「セガとしてはまず,PSUを通常のRPGとしてアピールしたいために,ストーリーモードでの出展を選んだ」とのこと。E3ではわずかながらオンラインモードが動いていた気がするので,そのあたりの事情は分からないが,グラフィックスの件なども踏まえ,いままさに「開発がダイナミックに変わっている時期」なのかもしれない。 ただ一つだけ確実なのは,セガの意向。その見た目やオンライン対応という内容から,"ファンタシースターオンラインの続編"というイメージが強い本作だが(むろん間違いではない),セガとしては,1人でも楽しく遊べるRPGであるという側面を,より強調しておきたいように思える。
さて,前述のコンシューマ戦略発表会の記事でも大まかなストーリーを紹介しているが,ここではプレスリリースの内容を全文引用しておこう。
#####以下,リリースより#####
舞台は、三つの惑星からなる"グラール太陽系"。 それぞれの惑星で、四つの種族が独自の文化を形成している。
かつてのグラール太陽系の歴史は、そのまま種族間の争いの歴史である。 しかし100年前「最後の大戦」が集結した際、三惑星同盟が締結され、 相互抑止力としての"同盟軍"が誕生し、ついにグラール太陽系に平和が訪れた。
時はまさに、グラール太陽系同盟締結100周年を祝う記念式典。同盟軍の誇る航中艦隊の「観艦式」が執り行われ、ガーディアンコロニーに住む主人公"イーサン"も、妹"ルミア"と共に盛大な式典を楽しんでいった。 しかし、突如襲来した巨大流星群によって艦隊は次々撃沈され、地表も炎に包まれる。 それは隆盛ではなく、後に"SEED"と呼ばれ、グラール太陽系を滅亡へと導こうとする謎の宇宙生命体だった! 落着したSEEDからは、侵食と呼ばれる現象が起こり、しだいに世界は戦乱の闇につつまれていく・・・
突然の大事故にガーディアンズコロニーも謎の生命体に襲われ、パニックに陥る。 ガーディアンズも次々と倒れていく混乱の中、彼らの装備を借り、妹を救うために、生まれて初めて生死を賭けた戦いに挑むイーサンだった・・・
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なお,グラール太陽系に暮らす四つの種族の設定は,以下のとおり。
#####以下,リリースより#####
●ヒューマン 主に惑星パルムに住む。グラール太陽系において一番栄えている種族であり、すべての根源。万能性に富み、全体的な能力のバランスが良い。特に苦手はなく、どんな職業もこなせる。その反面、飛びぬけた能力はない。
●ニューマン 主に惑星ニューデイズに住む。ニューマンはヒューマンが自らの優勢種を創ろうとした結果、生まれた種族である。精神能力を高めすぎたため、身体能力に劣るが、法力・精神力に優れ、テクニックを得意とする。肉体面で劣るため、接近戦は得意ない。
●ビースト 主に惑星モトゥブに住む。資源採掘での過酷な自然環境の中での労働力とすべく遺伝子改造された種族。飛びぬけた身体能力を持ち、接近戦を得意とし、集中力を必要とする銃やテクニックは不得手である。
●キャスト 主に惑星パルムに住む。キャストは本来、ヒューマン達に使役される目的で創られたのだが、現在パルムではヒューマン達を支配する人工生命体。他種族より精神力が劣るためテクニックは不得手だが、精密機械のごとき命中力を誇り,特に銃の扱いに優れる。「サブウェポン」と言う巨大武器の転送能力を持つ。
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ストーリーモードを遊ぶときはイーサンとして,ネットワークモードを遊ぶときは作成したキャラクターで,このような背景のある世界を生き抜くことになるわけだ。 ちなみにストーリーモードとネットワークモードは,世界観と時間軸を共有しているとのことなので,ネットワークモードで遊んでいる時に,ストーリーモードのキャラクターとすれ違うようなこともあるかもしれない。
また本作には,合計3時間以上ものフルボイスのイベントシーンが収録されている。ちなみに,発表されている主な役名と声優は,以下のとおり(敬称略)。
・イーサン・ウェーバー:関 智一 ・カレン・エラ:田中理恵 ・レオジーニョ・サントサ・ベラフォート:小山力也 ・ルミア・ウェーバー:川澄綾子 ・レンヴォルト・マガシ:若本規夫 ・ヒューガ・ライト:石田 彰 ・ミレイ・ミクナ:折笠富美子 ・アルフォート・タイラー:関 俊彦
彼らのような人気/実力共に評価の高い声優陣による演技が,物語をよりドラマチックにしてくれることだろう。
なお,9月17日と18日には,セガブース内の特設ステージで,本作の開発元であるソニックチームの見吉プロデューサーと酒井ディレクター,そしてカレン・エラ役の田中理恵さんによるトークショーとネットワークモードのデモプレイ,ムービー上映が行われた。 トークショーの中で田中さんは,自身にとって初めてのオンラインRPGがファンタシースターオンラインであったこと,そしてそれをこの役の面接時に話して盛り上がったことなどを明らかにした。
そしてデモプレイでは, ・キャラクター作成時には(ファンタシースターオンライン以上に強力になった)モーフィングで顔や体型を自在に変形できる ・"マイルーム"モードでネットワーク上に自分の部屋を作ることができ,そこに友人などを招ける ・進化するパートナー(マグ?)が,マイルームでアイテムを生産してくれる ・ビジュアルロビーが街と融合 ・表情を交えながら会話ができる"カットインチャット"機能を搭載 ・最大6人までのパーティで冒険ができる ・スキルを育てることでコンボを繰り出せる ・左手と右手で異なる武器を持てる ・銃を装備するとFPSのような視点で照準を定められる などを解説。最後に,田中さんを交えたパーティで,大型のドラゴンタイプのクリーチャー"ディラガン"退治が披露された。
ステージイベント自体は,発売予定日や予定価格が明かされることもなく,上記のように比較的あっさりした内容に終始していた。 しかしながら,ステージ前は誇張なしで足の踏み場もないほどの混雑ぶり。人気声優である田中さんを見に来た人も多かっただろうが,出演者が舞台裏に消え,プロモーションムービーの上映が始まってもなお多くの人がその場に留まり,画面を凝視していた。そしてこの群衆の熱気からは,本作への期待度の高さがうかがえた。 実はPSUは,4GamerのE3 2005の記事でもとりわけHit数の高かった作品の一つ(Top10入りしている)。セガとしても,開発が大きく動いている状況ではなくて"安定したもの"をユーザーに見せたかっただろうが,期待と人気に後押しされて半ば強引に出展された形なのかもしれない。今後の情報公開に期待しよう。(TeT)
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