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[TGS2005#44]ジンギス・カンの時代を舞台としたMMORPG「Khan:The Absolute Power」
2005/09/19 00:10
 韓国のゲームメーカー Mirinae Entertainmentのブースでは,MMORPG「Khan:The Absolute Power」が展示されていた。
 ゲームタイトルとなっている"Khan"は,ジンギス・カン(チンギス・ハーン)のことを指す。MMORPGとしては珍しく,本作の舞台は彼が活躍したころのユーラシア大陸だ。マップ化される地域はかなり広範囲にわたり,東は日本から西は黒海のあたりまでカバーされるようである。

 ただ,本作が現実の歴史や風土を正確になぞる方向性で作られたゲームかといえばそうではなく,世界全体の形や地名,一部のクラスなどの影響が見られるのみで,概観としては"よく見られるタイプの韓国産MMORPG"の一つといってよさそうだ。その場にいたスタッフにどんなゲームかを聞いてみたとき,第一声からして「MU(邦題 ミュー 〜奇蹟の大地〜)って知ってます? あれと同じです」と返ってきたことも併せて考えれば,この見方は間違っていないと思う。展示用の画面に映ったキャラクター達はギラギラとまぶしく輝く装備品で身を固めており,大きな羽のようなものを背負っているものも多かった。

 クラスには,Knight,Cleric,Assassin,Sorcerer,Necromancer,Mickoといったものが存在する。ユニークなのはMickoだろう。
 本作ではKnightはローマ帝国の男性,Necromancerは中央アジアのトルキスタンの女性,Clericはフランスの女性といったぐあいに,各クラスにモデルイメージが設定されているのだが,Mickoは日本の鎌倉時代の女呪術師がモデルとなっているそうだ。ウォーリアとクレリック両方の特色を併せ持っており,さらに弓が得意という珍しい職業である。漢字をあてるのであれば"巫女"あたりだろうか。



 韓国産タイトルではお馴染みの"攻城戦"のシステムもミューに似ており,攻撃側5ギルド+防御側3ギルド,各ギルドの人数キャップは80人なので,合計で最大640人での戦争が可能とのことだ。なお城主となったギルドは,ほかのプレイヤーから税金を徴収することができる。
 システムとしては,城にある何かに触れたキャラクターのギルドが城主になる仕組みなので,攻撃軍が勝った場合のために,攻撃側の5ギルド中のどこが城主になるかは,事前に話し合いで決めておく必要があるという。ときどき"抜け駆け"が発生することもあるらしく,なかなか刺激的な仕様である。

 現在「Khan」は,韓国,タイ,フィリピンで正式サービスが行われており,10月15日からはベトナムでもサービスが開始されるそうだ。展示マシンはフィリピンのサーバーにつながった状態になっていた。
 日本での展開は「まだ確定してはいないものの,かなり固まってきており,できれば2006年の頭から開始したい」とのこと。ずいぶん急な展開なのでクライアントのローカライズなど大丈夫なのかと聞いてみたところ,「ローカライズ自体は2,3週間で終えられる。サーバー周りの整備を含めても準備は1か月強あれば大丈夫」との返答だった。

 韓国では2003年11月に正式サービスが開始された作品なので,最新のタイトルと見比べると,画面からはどうしても若干の古さが感じられる。ただその半面,かなり低いスペックのマシンでも動作は可能だという。サービスインされたあと,日本のゲーマー達にどのように受け入れられていくのか見守りたい。(ライター:星原昭典)


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http://www.4gamer.net/news/history/2005.09/20050919001011detail.html