ガンホー森下氏,ブロッコリー木谷氏によるECOの展望説明会
本日(9月6日),ガンホー・オンライン・エンターテイメント(以下ガンホー)本社にて,"ハートフルMMORPG"「エミル・クロニクル・オンライン」(以下ECO)の今後のアップデートや,関連グッズの展開に関する説明会が行われた。 説明会ではガンホー 代表取締役社長 森下一喜氏およびブロッコリー 代表取締役会長兼最高開発責任者 木谷高明氏が順に説明に立ち,トリオECOにおける両社のミッションに基づいてECO本体およびその周辺についての,今後の展開を語った。
■東京ゲームショウでは世界の拡張と転職システムが
先に説明に立ったのはガンホーの森下氏。氏はまず総プレイヤー数19万人,同時接続者数1万人,ユニーク接続者数が1日3万人といった,オープンβテスト段階におけるECOの現状について説明,次いで世界観や職業体系,付加機能的要素に関する今後の展開に触れた。 現在実装されているアクロポリスシティ周辺および,周囲の実装予定地域を確認しつつ,今後上空に開けるタイタニア(天使族)の世界,地下に広がるドミニオン(悪魔族)の世界が新マップとして追加され,現在あるアクロニア大陸との往復手段が用意される見通しであること,それだけでなくさらに世界を"横にも広げる"構想があることなどが示された。 より具体的な話としては,職業ごとに用意される二次職の名称が明かされた。一次職との対応は下に示すとおりだ。
■ファイター系 ・ソードマン → ブレイドマスター & ? ・フェンサー → ナイト & ? ・スカウト → アサシン & ? ・アーチャー → ストライカー & ?
■スペルユーザー系 ・ウィザード → ソーサラー & ? ・シャーマン → エレメンタラー & ? ・ウァテス → ドルイド & ? ・ウォーロック → カバリスト & ?
■バックパッカー系 ・タタラベ → ブラックスミス & ? ・ファーマー → アルケミスト & ? ・レンジャー → エクスプローラー & ? ・マーチャント → トレーダー & ?
ここで「?」となっているもう一つの二次職および,それぞれのスキルとパーティ内での役割,イメージイラストについては,東京ゲームショウ2005で明かされるとのこと。 付加機能部分として稼働の開始が検討されているのが「シアター」だ。現在ゲーム内には施設があるのみだが,ここでは例えばブロッコリーやガンホーが提供するムービーなどが,ストリーミングで提供される。実装時期については,同じく東京ゲームショウ2005で発表予定。軌道に乗れば,これ自体を広告に用いたり,有料コンテンツを展開したりといったことも考えられているという。 このほか,レベル10までのプレイヤーが68.8%を占めるという現在のレベル分布や,比較的均等に分かれつつ,人気の高い順にウァテス,スカウトがそれぞれ19.3%,13.3%を占める職業分布,エミルが47.0%を占める種族分布など,ECOプレイヤーの現況が示された。種族と性別の組み合わせで見ると,タイタニアで女性キャラクター率が高いあたりは,「こちら」のユーザー&プレスカンファレンスでも示された傾向であって,さもありなんというところだろう。
■非ゲーム的要素をゲームに調和させつつ盛り込む
続いてブロッコリーの木谷氏が,マーチャンダイズ,つまり関連グッズの展開予定および,ブロッコリーも密接に関わるであろうシアター機能等について所見を述べた。 ブロッコリーの当面の方針としては「売り上げよりも,購入した人が身に着けてくれることで,宣伝になること」を重く見ているという。そして,本日発表/東京ゲームショウ2005で販売予定のTシャツや,マリオネット「タイニー」がかぶっているのと同じデザインの帽子など,ブロッコリーが展開を予定するグッズを示しつつ,「現段階では"目立つ系",そして年末ごろには携帯電話用ストラップなど"身に着ける小物"を出していきたい」という大まかな展望を明かした。 また,グッズのさらなる展開について出た質問には「"紙モノ" "集めモノ"は,ある程度数がはっきりしないと」と,専門家らしい冷静なコメントを返し,「現状では店頭(での展示/販売ラインナップ)を作るための材料を揃えるのが重要」という認識を示した。 ブロッコリーの果たす役割が注目されるシアターについては,「私としては,まず10〜15分前後のショートムービーがよいと思う」と,枠組みの一部を示しつつ「オンラインゲームをプレイすることは,もう一つの国に住むということであり,そこには現実世界で面白いことが盛り込まれていってよい。必ずしもゲームという言葉に囚われることなく,オンライン"ワンド"(ワンド=囲み,範囲)という考え方でよいのではないか。そして,それが割とすぐに実現するのがよいところでもある」という,大変積極的な姿勢であった。 その一方で「例えば,テーマパークで食事のグレードが必ずしも第一目標でないように,オンラインゲームでゲーム以外の要素が目立ちすぎてもうまくいかない。テーマパークのたとえでいえば,食事という枠組みで集まった人は,六本木とか,もっと食事に特化したところに流れていってしまうと考えるべき。そして,テーマパークに"この人と行ったら楽しい"と思うメンバーで行くのと同じように,オンラインゲームで最も重視すべきはコミュニケーションの楽しさである」と,あくまでシアターが付加要素に留まるべきという,バランスを考慮した認識をも同時に披露した。
ともあれ,森下氏が「ECOの中にオンライン商店街を作って,PCやお勧めのグラフィックスカードが売られていてもよい……まあ,グラフィックスカードだと,絵柄を入れても見られませんけど(笑)」と軽妙に語るとおり,ECOの展開をめぐってはゲーム内と現実の市場で同時にムーブメントが仕掛けられていくのみならず,それぞれがクロスオーバーしていくであろうことが強く印象づけられた,今回の説明会であった。 そしてそれは取りも直さず,今後のオンラインゲームのあり方および収益モデルに対する,注目すべき提案の一つとなるのだろう。(Guevarista)
写真左:本日発表された新アイテムの一部,各種族のTシャツを掲げる,森下氏と木谷氏
写真中:同じく本日発表された,マリオネット「タイニー」の帽子および,新しい絵柄のマイクロファイバータオル
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エミル・クロニクル・オンライン |
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