会場で見かけた北京涂鴉軟件が制作している3Dゲームエンジン「Origo Engine」は中国純国産の3Dゲームエンジンだ。 機能を見ると,まあ普通の3Dエンジンで,デモを見る限りそこそこのパフォーマンスも出ているようだ。機能としては, 地形LoD表示 パーティクルシステム オブジェクトの階層的管理 キャラクターアニメーション Light Map Project Shadow テクスチャへの描画 などを備えている。PhysicsやAIといった部分については記述が見られなかった。 要求するスペックは低く,PentiumIII/1GHz,メモリ512MB,GeForce3以上といった感じだ。Webサイトのデモムービーを見ると,おおむね滑らかなのだがよくわからない部分でぐぐっと重くなっている部分もあり,どうも視野内のオブジェクト数によるものではないようである。リアルタイム性の強いものやMMOクラスのゲームで使用するには,若干不安の残るところか。 このエンジンはOrigoEditor上から各種パラメータを操作でき,そのままゲームを動作させることも可能。会場では,水上に浮かんだ戦艦と戦闘機を操作するデモを行っていた。ほかのデモがほとんどないのはちょっと寂しかったが。
内部がPythonで制御されているあたりはちょっと面白い。PythonはCGIなどで使われるPerl言語をちょっとオブジェクト指向にした感じのスクリプト言語で,機能的にはかなり強力である。Pythonで仕事をしている知り合いにいわせれば,仕様拡張が行き当たりばったりで継ぎ接ぎが目立つという。とはいえ,独自スクリプト言語で制御するゲームエンジンはいくつか見られるが,言語であれば汎用性が高いほうがよいだろう。 中国国内ではいろいろな賞を受賞しているようで,VR部門などは評価が高いようだが,実際にゲームなどで使われているのかはよく分からない。別記事でも書いたように,今後中国でゲームエンジンを使った開発が盛んになってくれば,もっと注目されてもよい製品だろう。 (aueki)
→直撮りムービーは「こちら」 (Quicktime:9.5MB)
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