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ユニークな中世都市建設シム「メディーバルローズ」で遊んでみよう
2005/07/19 23:29
 7月22日ズーから発売される,中世ヨーロッパをテーマとした都市建設シム「メディーバルローズ」。既存のジャンルにちょっぴりユニークな味付けをしたゲームをリリースし続ける,フランスのMonte Cristoの作品だけあり,本作もなかなか風変わりなルールで,歴戦の箱庭ファンでも遊び甲斐のある内容だ。

■「モンテ・クリストのアイソラ」をプレイ

 それでは「キャンペーンモード」に収録されている序盤のミッション,「モンテ・クリストのアイソラ」を実際にプレイしてみよう。チュートリアルを除けば最初のミッションであるにもかかわらず,かなり手応えのある内容だ。きっと丸1日遊べることだろう。
 これは英語版デモ「こちら」にも収録されているので,みんなも遊んでみよう。ただし,本文中に登場する機能の中にはデモ版で使用できないものもあるので,悪しからず。

 このミッションの目標は「灯台を建設する」「人口6000人を達成する」の二つ。このうち重要なのは,「灯台を建設する」である。灯台はプレイヤーが普通に開発できる建物群(建設アイコン)の中にはなく,マップの北の島(モンテ・クリストのアイソラ)に建設途中のオブジェクトとして存在している。つまりこの島まで領土を広げ,完成させる必要があるのだ。

 このミッションは,マップ東部の港がある島からスタートする。ここは敵勢力が存在しないので,しばらくは安全に都市建設が可能だ。まずはこの島で力を蓄えてから,橋を架けて隣の島へと侵略していく。

このミッションの目的は「灯台を建設する」「人口6000人を達成する」の二つ。島から島へ橋を架けて,最終的に灯台のある島を目指すのだが,目的達成には3勢力を滅ぼさなければならない


■家を建てて発展させよう
家の情報ダイアログ。重要なのは7種類の欲求で,満足度が最も低い欲求は赤くマークされる。この一番低い欲求の数値が住民の"士気"となり,士気が一定以上得られれば家のレベルが上がっていく

 本作の特徴は,3D描画を大いに活用した自由自在な都市造りにある。とはいえ,やはりセオリーはあるので,まずは基本的な都市の育て方を実践していこう。最初は,港の近くにメインキープを建て,その周辺から街を広げていく。

 「家」を建てて大きくすることが,人口や収入アップのための基本だが,このためには"水" "食料" "安全" "安らぎ" "健康" "余暇"のパラメータ(住民の欲求)を満たしていく必要がある。その方法は,水なら"井戸",安らぎなら"十字架像"といったオブジェクトを,家の周囲に建てることだ。例えば井戸なら半径59m以内の家に+100%の水を,十字架像は半径49m以内の家に+10%の信仰(安らぎ)を提供する。これらのオブジェクトは,建設時に有効範囲が円で表示される。
 また,健康に関するオブジェクト"貧者の墓地"や"魔女の家"など,また食料保管/分配の"納屋"や"市場"などは,円ではなく道沿いに有効範囲が表示される。有効範囲内に家があっても,道が接続されていなければダメということだ。

 これらの欲求が満たされれば,家のレベルが上がっていく。低レベルの家を大量に建てるより,何軒かの家を確実に成長させたほうが結果的に人口や収入が上がるので,より多くの家が,要求されるオブジェクトの範囲内に集中するように配置したい。

例えば"道路"を十字に交差させ,この交差点に井戸や十字架像,さらし台などを建てる。この交差点の周辺に家を建てていけば,狭い範囲に満足度の高い家を密集させられる。土地全体を家で埋め尽くす必要はまったくない


■あの手この手で食料を生産しよう
食料は,気を抜くとすぐに在庫が尽きる。ゲーム開始直後はとくに要注意。「食料:詳細」のメニューで需要量と供給量をチェックし,どうしても供給できないときは家を潰すなどしよう

 家を建てたら,急いで取り組まなければならないのが「食糧の確保」だ。もちろん食料がなくなれば人口は減少していくし,人口が増えれば増えるほど多くの食料が必要になってくる。本作は食料の確保にさまざまな問題がつきまとうため,終盤近くまで気を抜いてはいけない。
 食料源は大きく分けて2種類ある。まず,"野菜畑" "鶏小屋" "羊小屋" "豚小屋"のような,オブジェクトの大きさが決まっているタイプのもの。これらは家1軒につき一つしか作れないなど制限があり出来高は少ないが,毎月こまめに生産されるので序盤に向いている。
 一方,"コーン畑" "果樹園" "ぶどう畑" "牛の牧草地"は,範囲指定で好きな大きさに作れる優れもの。もともとの生産力も高く,広大な土地があれば出来高をいくらでも高められるが,年に一度しか収穫できない。

 食品には,これまた大きく分けて2種類ある。肉か野菜かだ。一般的に肉のほうが大量の食料になるが,牧場類には信仰(安らぎ)を下げる効果がある。このため,住宅地の周辺はできるだけ畑を作り,牧場はできるだけ住宅地から遠ざけるといった配慮が必要になってくるのだ。

 一度食料の貯蓄ができたら,食料保管庫(納屋など)を建てよう。あとは遠く離れた新たな土地を開拓するときにも,市場を作れば食糧問題は解決できる。突発イベントで特定の食料の生産が一定期間下がることも結構あるので,さまざまな食品を生産しておきたい。


最初は野菜畑や鶏小屋で当面の食糧を確保。それからコーン畑や牛の放牧地で大量の食糧確保に乗り出す。あとは穀物倉などの食料保管庫を作って余剰分を蓄え,市場で分配する


■いわゆるRTSではない戦闘

 RTSではなく,箱庭型の都市造りシミュレーションが好きなんだ! という人は,結構いると思われる。本作はあくまで都市造りシムだが,戦争の要素があり,戦闘は避けられない。しかしRTSが苦手な人も,ここで諦める必要はない。本作における戦争は,だいたい戦力の大きいほうが自動的に勝つ仕組みで,マウスさばきでユニットを巧みに操作……といった必要はないのである。

 勢力ごとに国境があり,これはCPU側で自動的に決定される。例えばプレイヤーが最初の島にメインキープを建設した時点で,島にはほかの勢力が存在しないため,島のすべてがプレイヤーの領土となり国境(緑色のライン)で囲まれる。
 マップ内を見てみると,自勢力以外にオレンジ色の国境の勢力(盗賊達の村),赤い国境の勢力(アイソラの放浪者達),ピンク色の国境の勢力(難破船の砦の村)があり,これらはミッションを達成するうえですべて滅ぼす必要がある(デモ版には紫色の国境の勢力もあるが無視しよう)。
 敵の国境内に自軍の軍事ユニットを侵入させると,まずカウントダウンが始まる。このカウントが0になると戦争状態に突入し,戦闘が始まるのだ。これが例えばオレンジやピンクのような,実線の国境の場合,カウントが0になると,自軍の軍事ユニットが敵のメインキープ目指して攻め込む形になる。この場合,敵を攻め滅ぼすか,自軍の侵入部隊が全滅するかしかない。
 一方,赤の勢力は普通の国境以外に,島全体を覆う点線の国境(?)がある。ここに自軍のユニットを進めると,カウントダウンののち敵側から攻撃してくる。これを撃退すれば,敵の赤い点線がぐぐっと後退して緑の国境が広がる。

 こちらが隙を見せたら,敵側から攻めてくることもある。この場合はカウントダウンなどなく,ノンストップで攻め入ってくるので注意。なお,防戦にはバリスタなどの攻城兵器が大変強力だ。もちろんこれらは攻城兵器というぐらいだから攻撃にも役立つが,移動できないので配置場所には頭を使う必要があるだろう。

このマップでは,橋を造ったときから戦いが始まるといっていい。のんびりしていると敵は橋を渡って攻めてくる。敵の領地内に自部隊を配置すれば勝手に戦闘が始まり,兵力が上回っていれば何もしなくても勝てる。バリスタや投石機などの兵器も用意できると心強い。RTSのように巧みに命令を下す必要はない


■さぁミッション目標を達成しよう
人口が6000人を突破し,灯台を完成させればクリア。しかし灯台に到達してからがまた大変なのだ

 "道"は領土において重要な意味を持っており,基本的にはすべてのオブジェクトが道と接続されていなければならない。このミッションの最終目標である「灯台の建設」も,中間的な目標である「島から島へ橋を架ける」のも,すべてメインキープから道で接続されていることが条件だ。

 難破船の砦の村を滅ぼすと「石工」が支配下に加わり,「石造の橋」が建設可能になる。木造の橋では距離が足りずモンテ・クリストのアイソラまで到達できなかったが,これでようやく灯台の建設に着手できるというわけだ。
 灯台まで道を接続すると最終段階に突入し,外洋からバイキング船が攻めてくるようになる。これを撃退しつつ,灯台を完成させればミッション終了だ(人口が6000人を超えている必要もある)。
 実際にプレイしてみると,大変な遊び応えでびっくりすることだろう。試行錯誤の余地も大いにあり,一度クリアしても繰り返し遊びたくなってくる。7月22日の発売日を楽しみにしつつ,まずはデモ版を遊び尽くそう。(Kawamura)

石造の橋でモンテ・クリストのアイソラへの道を接続すれば,いよいよ最終段階へ。労働者を投入して灯台を完成させればいいのだが,この時期からバイキングが攻めてくるようになる。灯台周辺の防御を固めつつ建設を急ぐのだ

Best Selection of GAMES メディーバルローズ 中世都市建国 日本語版
■開発元:Monte Cristo
■発売元:イーフロンティア
■発売日:2007/08/24
■価格:3990円(税込)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2005.07/20050719232915detail.html