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EAがBF2の拡張パック「Battlefield 2:Special Forces」を発表
2005/07/15 21:46
■搭乗型兵器より歩兵のチームワークが要の拡張パック

Battlefield 2: Special Forcesのリードデザイナーを務めるA.J.Marini氏(右)と,EA本社でプロデュースするDavid Yee氏(左)
 アメリカ現地時間の7月14日,Electronic Arts本社のあるカリフォルニア州レッドウッドシティにおいて,同社恒例のイベント「Hot Summer Nights」が開催された。そこで発表されたのが,「Battlefield 2」(邦題 バトルフィールド2)の拡張パック第一弾となる「Battlefield 2:Special Forces」である。
 Battlefield 2は,アメリカでは6月中旬にリリースされて大きな人気を獲得しており,日本でも,国内法人の販売予想を発売からたった一週間で上回るセールスを叩き出しているという。まだ本作がリリースされて間もないが,さすが「Battlefield 1942」で1年に2度も拡張パックを発売した実績のあるDigital Illusions CE(以下DICE)。Battlefield 2:Special Forcesも,ファンサービス満載の作品に仕上がりそうだ。

 Battlefield 2:Special Forcesでは,プレイヤーはアメリカのネイビー・シールズ,イギリスのSAS,ロシアのスペツナズ,MEC(Battlefield 2で設定されているMiddle Eastern Coalition=中東連合)特殊部隊の四つに加えて,二つの反乱軍でプレイできる。当然のことながら,それぞれのチームはアサルトからメディックまで6種類の兵科(キャラクタークラス)に分かれている。
 具体的にどのような反乱軍が描かれるのかは未発表なものの,Electronic Arts社のプロデューサーDavid Yee氏(デイビット・イー)によると「反乱軍の一つはロシア軍と敵対関係にある」という。マップも東ヨーロッパや中央アジアをベースにしたものになる予定で,実際にデモで紹介されたのは,さびれた工業地帯の港だった。
 リードデザイナーであるArmando J. Marini氏(A.J.マリーニ)は,「マップの広さは本編とさほど変わらない」と話しており,参加人数によって16人,32人,そして64人用のマップサイズに自動的にスケーリングするのは本編同様のようだ。
 ただし,広大な砂漠の山々がくっきりと描かれていた本編と大きく違うのは,デモのマップが夜のシーンだったこと。ところどころでランプや街灯が周辺を照らし出しているくらいで視界が悪く,これまでの同シリーズのイメージとはまったく異なっている。



■特殊部隊らしさが満喫できるさまざまな現代戦ガジェット

ゲームエンジンは前作と同等だが,夜間マップになることでずいぶん雰囲気の違うグラフィックスになっている。Battlefield 2本編では省略されていた感のある屋内も,かなり広くなっているようだ
 そこで重宝するのがナイトビジョン・ゴーグルで,キー一つで画面は緑色の世界となり,暗がりに潜んでいる敵の姿がクッキリと浮かび上がるのである。もちろん,明るい屋内や街灯の下では,ゴーグルが逆効果となって相手を探知できなくなるので,場所によってうまく使い分ける必要があるわけだ。
 ゴーグルにはバッテリー持続時間とおぼしきパラメータが備わっており,一定時間しか利用できないようになっている。もちろん,ゴーグルがなくても発砲炎などで,敵の場所はある程度特定できる。また,ナイトビジョン・ゴーグル以外にも現代戦らしいガジェットが多用されているので,列挙しておく。

■催涙ガス:画面が一定時間滲んで視界が悪くなる
■ガスマスク:催涙ガスの影響を受けないが,Splintできない
■フラッシュバン:画面が一定時間真っ白になり,喰らうと自分の武器や各種インタフェースさえも見えなくなる
■移動用ワイヤー(Zip Line):遠方に傾斜する形で電線を張り,一気に滑り降りる
■鉤縄(Grappling Hook):碇状の鉤を屋上の角などに引っ掛け,高所の上り下りに利用

 デモでは実際に二人の開発者がSASの部隊員となってプレイして見せてくれたが,チームワークはこれまで以上に重要な要素になる。屋上まで到達したアサルトとスナイパー。スナイパーが援護射撃している間にアサルト役が鉤縄を使って路上に下り,駐車してあるジープを使って敵の気をそらした隙に,まだ屋上にいたスナイパーもワイヤーを放射して相手の背後へ降りることで,見事な奇襲作戦を展開していた。
 このように,車両は利用するものの主役はあくまで歩兵であり,その連携プレイであるという部分に,シリーズの伝統を守りながらも新しさを吹き込んだゲームプレイが見て取れる。
 ワイヤーは,「Tom Clancy's Splinter Cell」(邦題 スプリンターセル)のように水平に張って腕を使って渡っていくのではなく,必ず傾斜をもたせることで滑り降りていくような感じだ。消えるまでの一定時間は敵味方に関係なく利用できるが,ナイトビジョン・ゴーグルのように全キャラクタークラスが持っているのかどうかは明確にされていない。今のところ75から100mくらいが電線の最大距離になるとのことだが,今後テストが重ねられることで調節されていくだろう。



■戦場にもなり得る広大な屋内マップ

EA主催のHot Summer Nightsでは,「Battlefield 2: Special Forces」のほかにも複数のPCゲーム作品が発表されている。コンシューマゲーム機用にも「Battlefield 2:Modern Combat」の対戦モードが展示されていた
 Yee氏が説明するように,Battlefield 2:Special Forcesでは屋外だけでなく,屋内のマップも細かく作り込まれている。倉庫など広い建物を舞台にすることも多く,一階から二階までがらんどうで戦闘可能な建物も少なくない。各所で濃密なアクションが楽しめるのだ。また,コンテナや鉄柱,木箱など身を隠せるオブジェクトも多いので,ナイトビジョン・ゴーグルの重要性も納得できるはずだ。
 この拡張パックでは,シリーズの基本であるConquestモードのあり方を大きく変更するのではなく,機能を追加しているという感じだが,Battlefield 2本編のキャラクターと対戦したり,本編のマップを読み込んで再利用したりといったことはできない。
 マップは8種類,武器は12種類が新たに用意されている。歩兵重視といえども,乗り物としてジープやアパッチなど10種類ほどが盛り込まれている。詳細について,Yee氏は「今後のお楽しみ」とお茶を濁すものの,先のデモ担当者がフォークリフトに乗ってぶつかり合いを楽しんでいたのは特筆に値する。ジェット機のような大がかりなものではなく,現実的な車両になるということだろう。

 Battlefield 2: Special Forcesは,年末にはリリース予定となっている。DICEのカナダ支部で制作されており,Battlefield 1942並の矢継ぎ早な拡張パックのリリースが期待できそうだ。(奥谷海人)


バトルフィールド 2
■開発元:Digital Illusions CE
■発売元:エレクトロニック・アーツ
■発売日:2005/07/07
■価格:オープンプライス
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2005.07/20050715214653detail.html