DC Insideにユーザーが投稿した,問題の画像。上がZerA, 下がGEのものだ
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Kimの韓国最新PCゲーム事情#367
Zera, GEのグラフィックスを盗用。広がる波紋(2005/6/21)
Text by Kim Dong Wook特派員
NEXONのリアル系MMORPG「ZerA」の原画グラフィックスの一部に,IMC Gamesの「グラナド・エスパダ」(以下,GE)からの盗用があったことが発覚し,韓国ゲーム業界で大きな問題になっている。
盗用問題が初めて露見したのは6月16日。韓国最大のデジタルカメラコミュニティサイトである「DC Inside」の,あるユーザー投稿から始まった。そのユーザーはGEとZerAのグラフィックスを比較しながら,「中世ヨーロッパ風に描かれたZerAの原画中にある建物が,GEの建物と非常に似ている」と言う意見を投稿したのだ(「こちら」)。
その投稿をきっかけに,韓国のゲーム専門メディア達も盗用疑惑に注目し,関連記事を一斉に掲載。GEのプロデューサーであるキム・ハッキュ(Kim,Hakkyu)氏の個人サイト(「こちら」)にも意見が多く寄せられ,問題は広く知られるようになった。 ゲーム関連の各コミュニティサイトでは,「それは中世ヨーロッパ風の建物として非常に一般的な建物様式だから,盗用とはいいにくい」といった意見や,「ZerAは結局,ゲームの雰囲気だけではなく,グラフィックスまでGEを模倣した」という意見など,賛否両論の書き込みが日々増えている状況だ。 そんな中ハッキュ氏は,自分のサイトを通じて「ゲーム全体から見れば,これは非常に小さな問題に過ぎませんが,グラフィックツールを利用して拡大して検討した結果,絵のタッチがGEのものと等しいことが判明しました。私達はGEの設定原画を描くためにヨーロッパへ行き,そこで撮影した風景写真を土台にしました。もしその写真を見て描いたのなら大きな問題はありませんが,今回のケースでは,GEの絵をそのまま流用したとしか考えられません」とコメントした。
6月17日,事件がますます拡がると,NEXONのZerA企画チーム長とグラフィックスチームリーダーが,IMC Gamesを直接訪問。自社デザイナーの間違い(盗用)に対する謝罪を行った。ハッキュ氏もこの問題をこれ以上拡大したくはないとして,比較的穏やかな協議が行われた模様だ。
業界関係者達は「GEの良い競争相手として評価を受けていたZerAは,今度の事件によって大きくイメージダウンした。100人を超える大規模開発チームを運営するのは容易ではないだろうが,一人の人間の過ちがゲーム全体に悪影響を及ぼすことがあるということを,より強く認識しておくべきだった」と口をそろえる。 一方,一部関係者達は「ZerAの盗用は大きな問題だったが,この件に関してハッキュ氏が前面に出て疑惑を申し立てたことには異論を唱えたい。会社の代表であり韓国を代表する開発者でもある氏としては,やや軽率だったのではないか」とも指摘している。
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