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[E3 2005#176]小説「指輪物語」を題材にしたMMORPG「The Lord of the Rings Online」
2005/05/25 20:03
 「The Lord of the Rings Online:Shadows of Angmar」は,昨年のE3では「Middle-Earth Online」として展示されていたTurbine Entertainment社のMMORPGで,タイトルが示すようにJ.J.R.トールキンの小説「指輪物語」を題材にした作品だ。
 Turbineは,2005年3月にVivendi Universal Games社との契約を打ち切って独自運営を決めており,5月初頭には31億円近い出資をベンチャーキャピタルから得た。本作に関しては上海盛大(Shanda)が中国圏での運営権を取得するなど,最近はビジネス面でのニュースが多い。



 さて,The Lord of the Rings Online(以下,LotR Online)は,今回のE3でも展示されており,昨年展示されたバージョンよりも大幅に作り込まれているのが分かった。
 本作で描かれている地域は,シャイア(ホビット庄),リーヴェンデール,ブリー,そしてタイトルにもなっているように,ナズグルの魔王がいるアングマールなどがある。選択できる種族はヒューマン,エルフ,ドワーフ,ホビットの4種で,キャラクタークラスは7種類となるようだ。クラスはある程度までレベルアップすると,さらに分岐していくことになる。
 契約上,ゲームでの世界設定に関してはいくつかの制約があり,フロド以下,少なくとも(本家)フェローシップのキャラクターはゲームに登場しない。これは,プレイヤー達は「フェローシップがリングクエストに遠征している最中に,中つ国で起こっている騒乱に巻き込まれている」という設定でうまくカバーしている。
 また,プレイヤーはサウロン配下ではプレイできず,一般的なPvPやギルド対戦もない。ゲームの基本は,中つ国を旅してオークをはじめとするモンスター達と戦うことなのである。



 今回のE3デモで紹介されたのは,ブリーの近くにあるという村。プレイヤーキャラクターはヒューマンしか選択できず,またクラスはウォーリアタイプだけとなっており,ブースに用意された二つのPCを使って二人組のパーティで冒険できた。
 クエストの内容を説明すると,村がスパイダーに襲われているという話を長老から聞いてダンジョンに行き,戻ってみると村にはスパイダーの集団が来襲しており,入り口はクモの巣だらけ。村の中心部は燃え盛っているというものだった。
 ここで最も興味深かったのは,プレイヤー同士が仲間になると"フェローシップ"を組むようになることだ。これで,複数のプレイヤーキャラクターが"コンジャンクション"(conjunction)と呼ばれるコンボプレイを発動できるようになる。コンジャンクションは,ヘルスの減ったモンスターを中心に黄色いリングが表示されたときに,複数のプレイヤーキャラクターが輪の中にいると発動できる。クラスや所持する武器でもパターンが変わってくるとのことだが,現時点では同じ種族,同じクラス,同じ剣ということで,フィニッシュムーヴとして上から剣を叩きつける動作だけが確認できた。
 このクエストはインスタンシングと呼ばれる専用サーバーで行われていたが,クエストを終わらせたプレイヤーにはずっと燃え尽きた廃墟のままの場所として残ると言う。しかし,まだクエストを終わらせていないプレイヤーには普通の町として表示されることになるらしく,このあたりはちょっと面白いカラクリをしているようだ。同社の「Asheron's Call 2」でも言えることだが,少なくてもニュービーの間はメインストーリーに沿った特別クエストが用意されているのだろう。



 The Lord of the Rings Online:Shadows of Angmarは,2006年中にサービスが開始される予定となっている。名称が変わって一年延びてしまったが,それはトールキンの世界をよりよく表現するためにライセンスを独自契約したためだ。日本でも,サービス運営を名乗り出る会社が出てくることを願ってやまない。(奥谷海人)


ロード・オブ・ザ・リングス・オンライン アングマールの影
■開発元:Turbine
■発売元:さくらインターネット
■発売日:2007/06/01
■価格:ダウンロード版 3000円(税込) 利用料金:1500円/1か月(税込)
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2005.05/20050525200303detail.html