MS,64ビット版Windows XPの技術説明会を実施
発表会で説明を行った,マイクロソフト Windows本部 パートナーマーケティング部の長尾 康氏
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マイクロソフトは24日,都内で記者説明会を実施し,すでに流通の始まっている64ビット版Windows XP「Windows XP Professional x64 Edition」の技術面,マーケティング面に関する解説を行った。今回の説明会は「Microsoft Windows Hardware and Driver Conference 2005 - WinHEC 2005 Highlights -」という,開発者向けイベント内で行われたもの。今回は4Gamer読者にとって大きな意味があると思われる点に絞って説明していきたい。
今回の発表で最も重要なのは,180日間限定の日本語版試用版「Windows XP Professional x64 Edition 180日限定評価版」が提供されると明らかになったことだ。「こちら」のページから申し込むと,送料実費の1050円を負担するだけで,製品版と同じ機能を持つ180日限定評価版を入手できる。 例えばすでにFPSの「Far Cry」(英語版)に関しては,画面描画などが拡張される64ビットパッチの提供が始まっている(詳細は「こちら」)ほか,「Shadow Ops:Red Mercury」も64ビット版がリリースされている。これらを試す絶好の機会が訪れるというわけだ。
なお,Windows XP Professional x64 Editionを動作させるには,64ビット版のデバイスドライバが必須となる。従来の32ビット版ドライバは一切利用できないのだが,以下に挙げるように,すでにチップメーカー各社はドライバの提供を開始しており,チップセットやディスプレイドライバに関しては,ほぼ問題なく入手できると考えていい。Windows XP Professional x64 Edition用ドライバを提供している主なチップメーカーは以下のとおりである。
チップセットドライバ ・Intel ・NVIDIA ・SiS ・VIA Technologies
ディスプレイドライバ ・ATIテクノロジーズ ・NVIDIA
ゲームとなると無視できないサウンド周りについても,クリエイティブメディアが「こちら」で「Sound Blaster Audigy 2 ZS」シリーズ用ドライバの提供を開始しているほか,「Sound Blaster Live!」(Sound Blaster Live! 24-bitを除く),「Sound Blaster Audigy」「Sound Blaster Audigy 2」(Sound Blaster Audigy LS,Sound Blaster Audigy 2 NX,Sound Blaster Audigy 2 ZS Notebookを除く)に関しては,プレビューサイト(「こちら」)でプレビュー版ドライバの配布を始めている。オンボードのCODECでは,Realtek Semiconductorが「こちら」でIntel High Definition CODEC,「こちら」でAC’97 CODEC用ドライバを配布中だ。
そのほかのハードウェアのドライバに関しては,キヤノンやセイコーエプソン,カノープス,アイ・オー・データ機器,バッファロー,ワコムなどがサポートを表明していると発表された(左)。ゲームとは直接関係ないが,カノープスがテレビチューナーカードを64ビットWindows XPに対応させることが明らかになったのは,けっこう大きなニュースだ。ちなみに右は対応を予定しているソフトウェアメーカー一覧
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マイクロソフトが想定する,Windows XP Professional x64 Editionユーザー層
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クライアントPC(一般のユーザーが使うPC)における64ビットへの移行はまさに始まったばかりで,本誌読者のほとんどは,とりあえず自分には関係ないと思っているのではないだろうか。しかし,2006〜2007年にかけて開発コードネーム「Longhorn」と呼ばれる次期Windowsが登場すると,クライアントPCは一気に64ビット環境へ移行する。 Windows XP Professional x64 EditionでもLonghornでも32ビットアプリケーションは基本的にそのまま利用できるが,家庭用コンソールとパフォーマンスなどで差別化を図るため,PC用3Dゲームが今後,より多くのメインメモリを要求するようになることは容易に想像がつく。Athlon 64などのAMD64/EM64T対応CPUを利用している人は,構築されつつあるそんな「64ビットゲーム環境」を,いち早く体験してみるのも悪くないだろう。
なお,Windows XP Professional x64 Editionのパッケージ販売は行われず,基本的にPCへのプリインストールか,パーツとのバンドル,一括購入者向けボリュームライセンスでの提供となる。本誌読者の場合だと,バンドル販売での入手が最も容易だろう。実勢価格は32ビット版Windows XP ProfessionalのOEMバンドル版と同等である。(佐々山薫郁)
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