[E3 2005#120]25km×25kmの広大な戦場「Boiling Point」
E3開催中にヨーロッパで発売されたため,2005年秋以降発売の製品が中心となるE3 2005ではムービーぐらいしか展示されていなかった作品だが,あえて注目したいのがATARIの「Boiling Point」だ。
かつて外人部隊に所属していた男ソール・メイヤー(Saul Myers)は,誘拐された娘を奪い返すため南米のジャングルへと足を踏み入れる……。という,たいへん大雑把に解説すると本作はそんなストーリーである。 本作の特徴は,なんといっても25km×25kmの巨大マップを舞台に,かなり自由な行動が取れるFPSだということ。非同期ローディング技術により,この広大なマップをどう動き回っても,途中で長いエリアロード時間が始まるようなことはない。25km×25kmの空間を,どこまでもノンストップで移動できるのだ。
極めて治安が悪いこの地域では,六つの組織(Government,Drugmafia,Bandits,CIA,FARC,Indians)が活動しており,プレイヤーはこれら組織に所属する数百人のNPC達と頻繁にコミュニケーションを図ることで,ゲームを進めていく。NPC達は25km×25kmのジャングルの中で生活しており,昼と夜とで状態も変わってくる。 これら6組織については主人公に対するスタンスのパラメータを持っており,味方になることもあれば敵対することもある。CIA(アメリカの中央情報局)と親しくすればFARC(コロンビアの反政府武装組織)の印象が悪くなるといった,因果関係もきちんと存在しているようだ。 物語自体も莫大な数の分岐点を含み,ゴール(娘の救出?)に辿り着くまでの手段はいくつも存在する。ニセの情報をつかまされることもあり,間違った方向に突き進んでしまう恐れもある。どこの誰と仲良くやっていくのか,どのような手段を好むのか,とにかくプレイの自由度はとても高い。 主人公は約30種類のスキルを持ち,取った行動に相当するスキルは成長し,ご無沙汰な行動に対するスキルは衰えていく。なお,主人公ソール・メイヤーのモデルには,「ハムナプトラ」のイムホテップ役として知られるArnold Voslooが起用されている。 この広大なマップの中の移動手段としては,車やトラック,ヘリ,飛行機,ボート,戦車などがあり,存在するほとんどの乗り物は購入または奪い取ることが可能だ。武器の種類も豊富で,実在するかなりの銃器や兵器がゲームに登場する。
といった具合に,とてもワクワクする内容ではあるのだが,日本語版の発売は未定などころか,日本にはこれまで情報もあまり入ってこなかった本作。なんとか触れる機会を得たいものである。(Kawamura)
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Boiling Point: Road to Hell |
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