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「AOU2005アミューズメント・エキスポ」レポート
2005/02/18 23:58
 当サイトはご存じの通りPCゲームをメインに紹介しているが,昨今のアーケード業界では,インターネット回線を利用してネットワーク対戦が可能なテーブルゲームや,マイクロソフトのWindows XP Embeddedを採用したアーケード用ゲーム基板「TAITO Type X」など,PCアーキテクチャと密接な関わりを持つ製品が増えてきた。今回は,それらをメインに紹介していきたい。

■Windowsアーキテクチャを利用したTAITO Type X
 4Gamerとしてまず最初にお届けするのは,PCゲーム同様Windows XPとDirectX 9の環境を利用したタイトーの新アーケード基板「TAITO Type X」(以下,Type X)関連の情報。Type Xでは以前「こちら」でお伝えしたとおり,アーケード版「ハーフライフ2」が稼働する予定で,PCゲーマーにも注目度大のアーケード基板だ。
 今回会場ブース内で行われた記者発表会では,シューティングゲーム「Defender」のデザイナーにして,ピンボールデザイナーとしても有名なユージン・ジャービス氏の在籍するRAW THRILLS社が,Type Xの新規パートナーとして参入することが明らかにされた。同社はガンシューティング「ターゲット:フォース」とドライブシム「THE FAST THE FURIOUS ワイルドスピード」を展開するという。
 さらに,2月末リリース予定のパズルゲーム「TETRIS THE GRAND MASTER3 TERROR-INSTINCT」や,3月にリリースが予定されている縦スクロールシューティング「雷電III」と「HOMURA」,そして4Gamer読者ならお馴染みの"式神の城シリーズ"最新作「式神の城III」の制作状況などが伝えられた。
 上記以外にも,Type Xをベースとしたアレンジ基板NESYS-TPが発表され,対応タイトルとなるオンライン野球シミュレーション「ハリキリオンライン プロ野球」,麻雀「兎」の紹介も行われた。

 Type Xの基本設計は大ざっぱに言えばPCそのものであり(下に示したスペック表を参照してほしい),今回発表されたNESYS-TPはそのアレンジ版とのことで,同様のアーキテクチャが使用されている。
 そうした基本設計ゆえに,Type Xは汎用性に優れる。NESYS-TPのみならず,ガンシューティング用,ドライブシム用などゲームのジャンルに合わせたインタフェースのカスタマイズも容易にできることだろう。現にハリキリオンラインではインタフェース部分にNESYS-TPのウリであるタッチパネル方式を採用しており,ゲームジャンルや目的に合わせたカスタマイズを見事に実現している。

 発表会終了後,現在稼働しているType Xについて,気になるところをタイトー AM事業本部 AM開発部ソフトプロデュース課の影山 亮氏に聞いてみた。そこで得られた情報をお伝えしよう。
 まず,今回展示している「雷電III」や「HOMURA」などの出展タイトルは,Type Xの基本仕様で稼働しており,ビデオカードはRADEON 9600 SEを使用,メインメモリは256MBとのこと。また,現在出展されているタイトルは,DirectX 9の機能であるプログラマブルシェーダなど,Type Xの持つ性能を存分に使用してはいないが,夏ごろの発表を目標にDirectXの機能を十分に使用したタイトルなども検討しているとの話だった。このほかにも"インターネット回線を利用したネットワーク対戦も予定の内には入っている"とコメントしており,いろいろな意味で期待が持てそうだ。

写真左から「BattleGear4」「Target:Force」


 周知のようにType XではHDDの利用が前提になっているのだが,個々のゲームタイトルは,OSとそのゲームプログラムが入ったHDDという形で提供され,同時にUSBコネクタに挿す認証キー(ドングルキー)が渡されるのだという。HDDを使うのに"インストール"しないというのは,我々PCゲーマーから見るとなかなかユニークな方法に見える。
 その一方で,新しいタイトルでよりパワフルなビデオカードや追加のメモリが必要になった場合,前述のHDDとセットで販売したりして,アミューズメントスポット側で換装/増設できるよう考えているという。PCライクなアーキテクチャの便利な部分はきっちり活用しようというわけで,これも興味深い話だ。

 最後に,当然気になるのは各タイトルのPCへの移植についてだが,"今のところ具体的予定はない"とのこと。とはいえ,例えばコンシューマ機に移植するためのミドルウェアはすでに現在の開発キットに含まれているとの発言もあったし,Windowsアーキテクチャを利用しているだけに,各タイトルともPCへの移植が容易であろうことは想像に難くない。期待を込めつつ今後の動向を見守りたいところだ。(Seirou)


写真左:「雷電III」,写真右:「ハリキリオンライン」


TAITO Type Xスペック
CPU:Celeron/2.5GHz(Pentium4/3.0GHz HT 対応可能)
FSB:400MHz(800MHzに対応可能)
チップセット:Intel 865G
メモリ:DDR266 DIMM 256MB(DDR400まで,最大2GBまで対応可能)2スロット
ビデオ:RADEON 9250(128MB)/9200 PRO(128MB)/9600 SE(128MB)/9600 XT(128MB)/9800 PRO(128MB)/X800 PRO(256MB)/X800 XT(256MB)
オーディオ:AC’97 オンボード6チャンネルオーディオコーデック
LAN:On-Board 10/100BASE-TX
USB:4ポート(USB 2.0対応,ドングルで1ポート使用)
シリアルポート : 2ポート(JVSコネクタで1ポート使用)
パラレルポート : 1ポート
PS/2:キーボード,マウス
マイク入力:ステレオピンジャック
ライン入力:ステレオピンジャック
ライン出力:ステレオピンジャック
S/PDIF:標準光コネクタ出力
PCI:2スロット
IDE:2CH UltraATA(100/66/33)
シリアルATA:2CH
電源:ATX電源 AC100V入力
OS:Windows XP Embedded(タイトーがカスタマイズ)
BIOS:セキュリティ機能搭載
セキュリティ:USBドングル,BIOS,ファイルシステム等の複合型セキュリティ
HDD:IDE接続(シリアルATAも対応可能)

「TAITO Type X」
 →公式サイトは「こちら」

Tetris(R); (C)Elorg 1987
Tetris The Grand Master 3TM;(C)Elorg 2005
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