ヨーロッパ大陸征服ストラテジー「ナイツ オブ オナー 日本語版」
ズーは,中世ヨーロッパを舞台とした歴史ストラテジー「ナイツ オブ オナー」(原題 Knights of Honor)を2月25日に発売する。価格は8379円(税込)。 ナイツ オブ オナーを開発したのは,箱庭系シムの傑作「創世紀1602」(原題 Anno1602)を生み出したSunflowers。本作も実にいいツボを突いてくる名作だ。
プレイヤーは一国の王となってヨーロッパ大陸統一を目指す。産業を発展させて自国を豊かにし,他国とは外交によって安全と優位性を保ちつつ富国強兵に努め,やがては武力で隣接国家を制圧していくのだが,これが単純に進められるゲームではない。
キャンペーンは"初期"(紀元1000年前後),"最盛期"(紀元1200年前後),"後期"(紀元1350年前後)の3本が用意され,当時のヨーロッパ大陸に存在したフランス,イタリア,神聖ローマ帝国,ビザンツ帝国など計100か国以上が登場。プレイヤーはこれらの中から好きな国を担当し,大陸の統一を目指す。当然,強国もあれば弱小国もあり,担当国を替えれば何度でも楽しめるだろう。
メインとなるキャンペーンモードはミッションクリア型ではなく,一度ゲームがスタートすると自国が滅亡するか大陸統一を果たすかの時点まで,ひたすらゲームが続いていくタイプのもの。このあたり,まさに日本でもお馴染みの戦国シミュレーションといった感じだ。
本作は戦国シミュレーションとRTSの両要素を包括しており,通常は大陸全体を舞台に,自国の運営と他国との外交を中心とした戦略モードでゲームが進行していく。ここで軍事ユニット同士が衝突するか都市を攻撃すると戦闘が始まり,戦場をクローズアップしたRTSモードに切り替わるという仕組みだ。 また,このRTS部分だけを楽しむゲームモード"クイックバトル"も用意されている。クイックバトルでは軍隊vs.軍隊の"野戦"と,城を攻撃する"攻城戦"を即座に楽しめる。このRTS部分はマルチプレイ対戦も可能だ。 RTSモードで活躍する戦闘ユニットは,騎兵15種類,弓騎兵3種類,剣士15種類,斧戦士4種類,槍兵6種類,弓兵10種類,投石器5種類と,当時の国や文化などの違いから生まれた独特のユニットも含めて豊富に用意されている。 キャンペーンモードでは,このRTSによる戦闘シーンは省略も可能で,純粋にヨーロッパ版戦国シミュレーションを楽しみたいという人には,大変ありがたい。
外交交渉はまさしく本作のキモといえる部分で,隣国は単純に次々と攻め滅ぼしていけばいいわけではなく,ほとんどの時期は平和を保ち,貿易相手として付き合っていかねば,とても生きていけない。ある国と和平交渉を行ったら,そのために数か国と険悪な関係に陥ってしまうなど,因果関係も複雑だ。 アラビアや東欧などの異なる文化国家も含まれており,複数の宗教も存在するため,どの国もかなりの個性を発揮している。
ナイツ オブ オナーというタイトルからも分かるように,本作では"ナイト"の存在が重要だ。軍隊ユニットを編成するには"司令官"が,都市を発展させるには"領主" "聖職者" "商人" "建設者"が,他国の動向を探るために"スパイ"が必要で,これらの役職には王族の誰かを任命するか,または"ナイト"を雇い入れて宮廷に加えることになる。
雇ったナイトには賃金が必要で,これが国庫を脅かすほどの人件費が必要になる。国王や世継ぎ達は賃金が必要ないのだが,国の存続にとって王族は何よりも大切で,うっかり失ったときの損失は計り知れない。なんせ,新たな世継ぎはなかなか生まれないのだ。
ちなみに司令官や領主などの役職は1国で最大9人と決まっており,それ以上は雇い入れたり王族から任命することはできなくなる。広大なヨーロッパ大陸,ゲームが進み領土が広がっていくたびに司令官などの重要度は増していくため,人材は極めて重要だ。
なお,勝利目的はヨーロッパ大陸の統一だが,これは軍事力ですべて征服しなければならないわけではなく,他国が残っていても"ヨーロッパ最高皇帝"の称号を名乗り,認めさせればよい。逆にハンパな勢力で称号獲得の名乗りを上げても,自国の力が及ばず認めさせられなかった場合,多くの強国から反感を買うことになるだろう。それはそれで面白い展開ともいえる。 他国は滅亡させずに属国とすることも可能で,逆に自国がどこかの強国の属国となったまま生き長らえていく場合もある。すべての国を簡単に軍隊で押し潰していけるほど甘いゲームではないので,さまざまな手を駆使して勢力を拡大するのだ。
実際にプレイしてみたが,とにかく面白くハマってしまう本作。チュートリアルをプレイしている間は要素の多さにゾッとしてしまったが,実際のゲームは意外にも分かりやすく,壮大な国盗り合戦を気持ち良く楽しめる作品となっている。中世ヨーロッパ系歴史ストラテジーの入門用としてもオススメできる内容だ。 RTSとしてシングルにマルチに楽しめるのはもちろん,RTS部分をまったくカットしてしまっても問題なく楽しめる大胆仕様なのが実に嬉しい。これはぜひ多くの人に注目してもらいたい1本だ。(Kawamura)
「ナイツ オブ オナー 日本語版」 →公式サイトは「こちら」 →英語版デモは「こちら」 →紹介ページは「こちら」
Knights of Honor (C) 2004 by SUNFLOWERS Interactive Entertainment Software GmbH. SUNFLOWERS is a registered trademark and trade name of SUNFLOWERS Interactive Entertainment Software GmbH. All rights reserved. Developed by Black Sea Studios Ltd.
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