スクウェア・エニックスから,RMTについての公式声明
本日3:05am(昨晩,とも言うべきか)に,FF XIのバージョンアップ情報に合わせる形で,大御所スクウェア・エニックスから「ゲームデータを現実世界の金品によって売買する行為について」――いわゆるRMT(Real Money Trade)に関しての公式声明がなされた。この手のグレイな話題は,各社とも裏でごそごそと活動したり寄り添ってお互いを慰め合ったり,「鋭意努力しております」「関係各所に働きかけてます」と言うばかりで表立って声明を出すということはまずなく,そういった意味でも十分賞賛に値する声明だといえるだろう。
肝心のその内容だが,PlayOnline.com内の「こちら」にあるように極めてシンプル。内容的には「ファイナルファンタジーXI」のRMTについての声明文で「PlayOnline.com会員規約およびFFXI利用規約により一切禁止」としている。その理由として
取引詐欺など現実社会での事件に発展する危険性がある点、および設計上RMT活動を前提としていない点
を挙げ,今後RMTが認可されることもない,と断定している。また,
しかしながら、弊社のRMTへの活動、対策可能範囲は、会員規約の適用範囲に限定されます。オークションサイト等ゲーム外で行われる行為は、会員としての個人特定が出来ない場合には、弊社による対応が不可能なことがあります。
と明記してあるのは,おそらくは一部個人一般ユーザーの不満を受けた形での声明文だろう。スクウェア・エニックスが強権を発動できるのは,あくまでもPlayOnline.comを含む"ゲーム内"での話であって,各種オークションサイトや個人サイトレベルでのRMTまでは関知できない,と明記してあるわけだ。 スクウェア・エニックスとしては,その出展者が本当にPlayOnline.comの会員なのか,FFXIのプレイヤーなのかの確認を取る手段が(たいていの場合は)ないのだから,これに関しても,筆者として唱える異論はない。むしろ,直接に法違反ではないにせよ禁止されている"アイテム"の野放し出展を許している,オークションサイト運営側の管理体勢の問題だろう。
目立った記述は大体以上2点。どちらも極めて当然ともいえる内容で,とくに目新しい着眼点があるわけではないが,運営元から直接公式に発表されたものであるというその一点で,ぜひ一読しておくべきコンテンツとなっている。
……と,これだけでも十分に業界にとっての"事件"なのだが,声明文の中に見逃せない記述があったので,やや長いがここに引用しておこう。
RMT禁止の判断について、弊社の統一方針として一律に禁止するものではなく、原則としてタイトル別に判断が行われることとなります。現在リリース済み、または運営中のタイトルにおいては、取引詐欺など現実社会での事件に発展する危険性がある点、および設計上RMT活動を前提としていない点から、RMTの禁止が覆ることはありません。
これをそのまま素直に解釈すると,「現在リリース済み,または運営中ではないタイトルによっては,RMTを認めることもありうる」という文面になる。まぁそこまで言い切るのが極論なのは重々承知だが,スクウェア・エニックスがわざわざ「未来永劫一切のRMTを禁止する」としていないところに,非常に興味深い"隠された何か"を感じてならない。 そもそも英語版の同じリリース(「こちら」)には,
While it is not possible to change our policy regarding Real Money Trades for any current online Square Enix title, it is possible that our policy might change for future titles, although no decision in that respect has yet been made.
という具合に,もう少しポジティブに「RMT禁止ってのは,もしかしたら今後変わるかもねん。分からんけど」(超意訳)と書いてあるし,あながち間違えた解釈でもないのかもしれない。 なんにせよ,こういうグレイな話題に真っ向からリリースを出す同社の姿勢は評価すべきものであり,今後同社から出てくるMMORPG系についても要注目,といったところだろうか。(Kazuhisa)
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