2004/11/12 21:48 |
明日(2004年11月13日)からCPL2004冬季大会(Cyberathlete Professional League)日本最終予選が行われる,秋葉原のインターネット&ゲームカフェ「Necca 秋葉原店」。その前日となる本日(12日)は,会場はLANパーティ会場として,予選参加者に開放されており,予選に使用するPCや,協賛スポンサーのプロモーションスペース設営などで慌しさを見せていた。
その会場で本日行われたのは,"ゲーム専用キーボード"として欧米を中心に爆発的な人気を見せている,カナダのIdeazon社が送る「Zboard」の記者発表会だ。 このキーボードは,奇しくもつい先日,当サイトの海外ゲーム関連連載(「こちら」)で紹介したばかり。輸入ゲームショップを頻繁に利用する人なら,一度は目にしているかもしれない。これまでは海外を中心にマーケティングを行っていたIdeazon社だったが,今回アジアや日本にもターゲットを合わせ,キーボード本体やドライバのローカライズ完了と同時に,プロモーションを開始したようだ。
■欧米で人気を博したゲーマー専用キーボードが日本上陸
Zboard("ズィーボード"と発音されていた)は,左手を器用に使って武器の交換やしゃがみ,リロード,リーンという複雑な操作を行うFPS,またMMORPGやRTSなどホットキーを多用するようなゲームのプレイをよりスムースにするための,ゲーム特化型のキーボードだ。 製品は,キーボードベース/キーセットという二つのコンポーネントに分割されており,キーセットだけを交換することで各種ゲームに対応できる脱着式となっているのが大きな特徴。基本的にキーセットは,ハードウェア的なキーレイアウトから,ソフトウェア的なキーバインドまで,すべて単一のタイトルに特化して設計されている。"DOOM用"や"Unreal用"という具合に,同じFPSというジャンルでもキーセット製品が分かれているのはそのためだ。ホットスワップに対応しているので,PCの電源を入れた状態でもガチャガチャと切り替えられるという仕様である。
記者発表会は,この日Zboardのプロモーションのため来日していた,Ideazon社のWarren氏による製品の紹介と,Zboardの日本国内代理店である株式会社アスクの取締役前田氏のスピーチが行われた。 実はWarren氏自体が筋金入りのハードゲーマーらしく,Zboardに盛り込んだ機構やレイアウトには,彼のプレイヤーとして知識が盛り込まれているとか。この日の発表会を敢えてLANパーティゾーンという少し賑やかい場所に選んだのも,実際に日本のプレイヤーにZboardを触ってもらい,そのフィードバックを得たいという目的があったようだ。 氏は,もちろん日本のプレイヤーが海外発のZboard(ゲームキーセット使用時は英語キー仕様となる)を使用するメリットについても言及している。一つの例として,通常の日本語キーボードでは,FPSによってコマンドコンソール(※)を出すのに苦労するという部分を挙げており,Zboardを使用することで,もともと英語キーボードを前提にキーバインドされている海外ゲームタイトルのプレイフィールを向上できるだろうと述べた。もちろん日本国内産のゲームタイトルについても視野に入れていて,スクウェア・エニックスからのサービスが予定されている「エバークエスト II 日本語版」についても対応を進める話が出ているようだ。
※各種コマンドを入力して,インタフェースを変更したりチートコマンドを実行したりするためのコマンドウィンドウ
やや暗めで申し訳ないが,画面左・中央のようにキートップ部分だけをガチャガチャとはずせるのが分かるはず(キートップは折りたたみ式)。画面右は,キートップ部分のないキーボードベース部分だ
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■製品仕様と気になる使用感/将来性
この製品の特徴は,なによりそのゲームジャンルに特化したレイアウトだろう。 FPS用には,通常のW/S/A/DおよびQ/Eというキャラクター操作系キーをクローズアップした,バタフライ(蝶)型のキーを採用。すぐ上に武器変更キーなどが用意されていて,通常のキーボードでフルキーを使用する時のような無用なストレスが発生しない設計だ。それだけでなく,"手の腹"が当たるキーボード手前のキーはザックリと削り,プレイ中の意図しない接触を避けるという徹底ぶりも見せている。ミリ秒単位のアドバンテージが大きくモノをいうFPSゲームシーンにおいては威力を発揮しそうだ。 一方この日展示されていた"EverQuest IIモデル"は,キーボード右側のレイアウトが完全なホットキー用となる作り。チャットなども行う必要があるため,左側2/3は,割とオーソドックスなキー配置が採用されている。
今回日本国内で発売されるのは,キーボードベース+(ゲーム専用)キーセット+日本語標準キーセットを一つにしたもの。製品ラインナップは,キーセット部分のみが異なる3セットで,FPS全般をターゲットにしたバタフライ型操作キー仕様の「Zboard 日本語版 Ultimate Gaming Key」,同様にバタフライ型操作キー仕様で,さらにDOOMに特化したキーバインドが施された「Zboard 日本語版 DOOM3 Keyset」,EverQuest II用としてキーボード右側をホットキー仕様とした「Zboard 日本語版 EverQuest II Keyset」というものだ。 ※今のところ日本で発売される専用キーセットは,DOOM3用とEverQuest II用のみ。ただIdeazonではすでに16タイトルの対応を完了させているため,今後ラインアップは強化される見通しだ。
さて,写真を見ると分かるとおり,"ゲーム特化型のスタンダードモデル"といえる"Ultimate"と"DOOM3モデル"はかなり似ている。同じFPSだしキーバインドを変更すればまったく同じものになるんじゃないのかとデモンストレーションスタッフに聞いてみたところ,どうやらこの2モデルはハードウェア的にもソフトウェア的にも異なっているらしい。 そう言われてバタフライキーの周りをよ〜く見てみると,たしかにボタン数などが微妙に違うし,DOOM3版はさらに邪魔なキーを極力省略してシェイプアップされているのが分かる。つまりハードウェア的にも違いがあるため,Ultimateを購入してキーバインドを変更しても,DOOM3版とまったく同じものにはならないのだ。 さらに現時点では,キーバインド設定そのものをキーセット搭載のチップに直接プログラムしているため,ゲームに合わせて"キーバインドの設定"のみをソフトウェア的に次々と切り替えて使用することはできないとのこと。ただアスクの前田氏によると,キーバインド設定をダウンロードして切り替えるという手法は近いうちに取り入れられる予定で,現在鋭意開発中とのことだ。
キーセット部分のみの写真。左から,「Ultimate Gaming Key」「DOOM3 Keyset」「EverQuest II Keyset」
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■ゲーマー御用達のアイテムとなれるか?
本製品は日本語109キーボードとして,ゲーム以外の用途にも利用できる。またキーボードベースには7つのマルチメディアキーと9個のカスタマイズホットキーがあるため,通常業務(?)の使用にもある程度効果を発揮しそうだ。 Ultimate/DOOM3モデル/EverQuest IIモデルは,それぞれ税込み5980円を予定。11月末より一部のショップ/専門店で先行販売される予定で,12月のクリスマス前には,大手量販店などで販売が開始されるとのことだ。 ゲームプレイヤーなら非常に気になるこのキーボード。欲を言えば,有名なゲーム大会やネットカフェなどでもオフィシャルキーボードとしてサポートされればより訴求度が増しそうな感じだが,そう値段の高い製品でもないし,まずは自宅でZboardのアドバンテージを体験してみてほしい。(Gueed)
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