EQ II日本語版情報あれこれ
2004/11/05 19:12
 元々この原稿は,英語版発売直前ということで三度(みたび)プレビューを書こうと思っていた。しかし日本にもいくばくかはいるであろうβプレイヤーならご承知のとおり,ここ最近のパッチの当たり方ときたら,尋常じゃない。1日離れると,もう何がどうなってるのかまったく追いつけなくなっている。

 戦闘時の連携,各クラスのスペル/スキル(意図的にこう書かせてもらおう),スペルの効果,各クラスが与えるダメージなどを筆頭に,生産システム,生産の材料,モンスターの配置,ゾーンの安定度,描画周り,NPCの位置,クエストの内容など,ありとあらゆるものがもの凄い勢いで変化しているのだ。そんなわけで,いまβレポートを書くのも無用な混乱を招くだけかと思い,今回は急遽キャンセルさせた次第だ。
 昨日覚えた新しいことは今日にはなくなっており,明日になったらまた新しいスペルが導入されている,といった具合で,これが製品に向けてのパッチ群じゃなかったら一体どうなるんだろう,と心配がぬぐえない。まさかSOEに限ってそれは,と思うのだが,パッチのパッチが毎日当たっている現状(しかもモノによっては悪化しているし)を見るにつけ,微妙に心配にはなってくる。

 まぁMMORPGなどというものは日に日にパッチで改善・改悪を繰り返してクオリティが上がっていくものではあるし,そういう意味では"王道"なのだが,製品版稼働がもう目の前,というのが心配の種。11月9日には良くなっていることに期待したい。

 さてそんな英語版の心配をよそに,日本語版は順調に開発が進んでいる。英語のワードラップ処理や,それに伴う句読点の位置などに悩まされつつも,翻訳も運営体制も着々と整っているようだ。
 余談ではあるが,いつぞや当サイトで募集した「エバークエスト II スターターキット」だが,応募者1951人中,実に92%に相当する1809人が「日本語版をプレイする」という回答を返している。やはり言葉の壁は厚く,スクウェア・エニックスが制作中の日本語版に対する期待は果てしなく大きいといえよう。
 今回は,そんな期待の日本語版に関する情報がいくつか入手できたので,現時点で公開OKなものを掲載しておこう(日本語版Screenshotの新しいモノも3点ほど掲載しておく)。むろん今後も公開され次第情報を掲載していくので,待っているファンはお見逃しなく。(Kazuhisa)


今回公開された日本語版画面写真。真ん中の画面を見ると分かるけど,"連携"の「Heroic Opportunity」(HO)は,「ヒロイックチェイン」になるようだ


■運営体制について

 サポートに定評のあった,あのSo-netの「エバークエスト日本語版」の関係者が数多く移籍。"EQ"に惚れた彼らの活動には,大いに期待できる。また余談だが,PlayOnlineはEQ II日本語版に何も関わらない。いまある公式サイトについては,"暫定的に置いてある"だけの模様。

■日本語版特殊仕様について

 世界でただ一つ,日本語版のサーバーだけは「T4エンジン」というテクノロジーを採用している。言語の問題とそれに伴うタスクを大幅に軽減できるもので,具体的には,

 ・クライアントはテキストデータを持たず,サーバーから都度送り込まれる。
 ・サーバー側にテキストデータがあるので,クライアントにパッチを当てることなく,テキストの追加・修正ができる。
 ・サーバーから"どのテキストを送り込むか"の選択をクライアント側で持てるので,アイテム名や地名,ゾーン名などの表記を,ユーザーが任意で変更可能になる。

という画期的なシステムだ。
 システムとして画期的なのはもちろんだが,我々プレイヤーにとって最も重要なのは,一番下に挙げた項目。言うならば,「ゲーム自体が英語/日本語に切り替え可能」ということだ。移植モノでいつも揉める「日本語? カタカナ? それとも英語のまま?」という問題の大半が,一気に解決する。テキストデータくらいのものなら,その都度送信しても大した量にはならないし,場合によってはローカルHDDのほうが遅いのだから,これはある意味非常に英断。

■EQ2Players.comについて

 βプレイヤーでなくともご承知かもしれないが,先ごろ本家サイトには「EQ2Players.com」というコミュニティサイトが設置されている(「こちら」)。英語だしコミュニティとか言ってるし,パッと見なんだか分からないかもしれないが,実はこれ,相当面白いサイト。キャラクターやギルドのランキングが,都度更新されていくのだ。いわゆる"EQ廃人"の競争心を煽る仕掛け,といえなくもない。
 例えばRankingのところを見ると,

・Game Discovery(最も多くItemを発見した人)
・Most NPC Kills(最も多くNPCを倒した人)
・Highest Melee Hit(最大Meleeダメージ)
・Highest Magic Hit(最大魔法ダメージ)
・Best Kills vs Deaths Ratio(倒す・倒されるの比率が最も良い人)
・Most Quests Completed(最も多くクエストをコンプリートしている人)
・Highest Guild Point Contributor(最も多くギルドポイントを溜めているギルド)

などが見受けられる。ここには,それぞれゲーム内のキャラクター名がそのまま表示され,そのキャラクターLinkをクリックすれば,どんなステータスのキャラクターで,どんな装備をしているのかがすぐ見られる。知っている人には,「公式Mageloの超豪華版」と言えば分かりやすいだろうか。

 しかも仕掛けは,それだけに留まらない。"Item"というタブを表示してみれば,どのマジックアイテムが,何日の何時何分に,誰の手によって最初に発見されたのかが一目瞭然だ。"そこまで出さなくてもいいんじゃないですか"というくらい細かいデータが出る。今までそれぞれのコミュニティの中で「あいつが●●取ったらしい」とか「●●が今日出たらしい」とか囁かれていた情報が,一元管理されて白日の下にさらされることになる。
 コミュニティに関わりたくない人もそういう情報が見られるのは,それはそれで非常に面白い試みだが,"噂話を確かめてみる"というMMOならではの楽しさが失われてしまったようにも感じられ,筆者的には複雑な心境だ。むろん同様に,ギルドの情報もすべてがここに公開される。

 ……前振りが長くなってしまったが,この項で言いたいのは,「このEQ2Players.comも日本語版がキチンと作られる」ということだ。人によって好き嫌いはあるだろうが,開始時にスタートダッシュが起こることが容易に想像できる日本サーバー。その"ダッシュ"を制するのは誰なのか,ここですべてが分かるという寸法だ。"スタートダッシュ"に否定的な人も,見ている分には興味深いかも? 純粋に見て回ってるだけでも十二分に面白いので,"EQ II生情報"としてもの凄く価値の高いものだといえるだろう。

■日本語版Closedβについて

 本日付け最新情報では「今冬開始予定」とのこと。おそらく内部的には「2004年中には」という感じで動いているものと思うが,まったく仕様の定まらない英語版のある程度の落ち着きを待たねばならないだろうし,まだ日付はFixできないものと思われる。
 ただ裏を返せば,英語版での稼働実績のあるサーバー/クライアントを元にするわけなので,実際立ち上がっても上記T4エンジンの具合を見るだけというテストになるのではないだろうか(つまりオープンβはなし,ということだ)。テスト自体も,長くても来春まで,くらいか。

■オマケ

 画面などの素材がやや少ないので,前回作ったEmoteのムービーの第二弾をオマケでUp。ご参考までにどうぞ。

■■ムービーは「こちら」■■(MPG:20.96MB)






友達にメールで教えよう!

この記事へのリンクはこちら
http://www.4gamer.net/news/history/2004.11/20041105191224detail.html