[GC#15]発売間近の奇抜なドイツ産FPS,「Psychotoxic」
2004/08/26 15:20
 かなり以前からCDV Software社によって制作が公表されていた,女性が主人公のFPS「Psychotoxic」が,ようやく動き出した。どのような紆余曲折を経たのか,ドイツでの販売元がVidis社に変更されている。

 Psychotoxicのストーリーは,2022年のニューヨークを舞台にした近未来型のサイエンスフィクションで,アンジー・プロフェットと呼ばれるセクシーな女性が主人公となる。そのコードネームからも分かるが,アンジーはニューヨークでの核爆弾の投下を予言し,それを防ぐために,地下で活動を続ける"第四の騎士"(The 4th Horseman of Apocalypse)と戦うことになるのである。
 このゲームを開発するのはNuclearvision Entertainment社。CDV Software社の「Lula 3D」を知る人もいるかもしれないが,最近では「Half-Life 2」がリリースされるまでのつなぎとしてSteamに登場した,「Codename:Gordon」の開発チームとして知名度がある。

 このPsychotoxicは,Game Conventionの会期中にゴールド版が完成し,ドイツでは18禁ソフトながらも発売を待つだけとなった。会場でも,ほぼ完成品と思われるデモで遊べるように展示されていた。
 本作のグラフィックス描画能力は高く,ノーマルマッピングのテクスチャや,水面やガラス面への映り込み効果など,DirectX 9.0シェーダの機能がフルに活用されている。薄汚れたドラッグ社会となったブルックリンやマンハッタン,そしてセントラル・パーク,博物館,自由の女神など21種類のマップが描かれており,果ては首都ワシントンに行ったり海底でオオダコと戦ったりするようなシチュエーションもあるようだ。スクリーンショットを見ると,なぜかすべてがトゥーンレンダリングで描かれ,2D風にアレンジされたコミックレベルや中世の街並み風レベルなどもあり,かなり奇抜な世界観であるのは予想できよう。

 宗教が色濃く絡んだテーマとなっており,雰囲気としては「Painkiller」に近いといえる。マップが多様なために敵キャラクターも90種類ほど用意されており,ゾンビからカルト教団,果てはFBIに至るまで,誰とでも戦わなければならない感じだ。ショットガン,マシンガン,レールガン,火炎放射器などの武器のほか,もっと未来的なプラズマガンやレーザーガンタイプのものも登場する。
 いくつかの特定アイテムを入手すると,特殊能力を発動できる。筆者がトライできたのは30秒間ほど敵の動きが遅くなる"スローモーション"と,自分を透明化できる"インヴィジブル"の二つ。ゲームが進むに従って,ほかの能力も発動できるようになるのだろう。

 Psychotoxicは,現時点ではマルチプレイヤーモードは用意されない見込みで,対戦や協力ゲームを楽しみたいファンには残念だ。2004年9月中にはドイツでリリースされることになるが,アメリカや日本での販売は決まっていない状態。ほとんど情報もないまま開発が終了してしまったが,発売後に盛り上がってほしいところだ。(奥谷海人)

「Psychotoxic」の公式サイトは,「こちら」



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