2002年9月20日から3日間(初日は関係者のみ入場可),千葉は幕張の日本コンベンションセンターで,「東京ゲームショウ2002」が開催されている。年を追って冷え込んでいくゲーム市場に呼応するかのように,今年から年に1回になってしまったこの恒例のショウだが,今年は12回め。仕切り直しも含めて気合を入れて,日経BP社と社団法人コンピュータエンターテインメントソフトウェア協会(いわゆる"CESA")との共催となっている。
昨年も当サイトで東京ゲームショウ(TGS)の模様はお伝えしているが(「こちら」参照),今年はちょっと気合を入れて多めのスタッフ派遣。それにつけても,幕張で開催されて嬉しい関係者はあまりいないと思うのだが,このあたりはなんとかならないものなのだろうか。
「テーマは『遊びは人類のDNA』」というキャッチフレーズを掲げての開催となった今回だが,やはり出展会社数および来場者数の減少はまぬがれられないようだ。過去開催分の総来場者数をちょっと洗い出してみると,
'98年春 147.913人
'98年秋 156,455人
'99年春 163,448人
'99年秋 163,886人
'00年春 131,708人
'00年秋 137,400人
'01年春 118,080人
'01年秋 129,626人
となっており,それに伴って出展社数も年々目減りしていることは否めない。そんな状況からか年1回になって,
・ビジネスデイ(関係者Day)の拡充
→従来の半日から一日へ
・出展社の拡充
→CESA会員企業だけでなく,非会員企業へも広がりを
・出展分野の拡充
→ゲームソフトだけでないエンターテインメント全般を対象に
・来場者層の拡大
などの施策を行ったわけだが,それでもまだ結果には結びついていない印象だ。会場で出会った,ブース出展をしていないPCゲームメーカー担当者数人に話を聞いてみても,
「相当な予算を取られる割には目に見えるメリットはないですし」
「むしろWindows World Expoに注力したいですね」
など,かつてほど影響力を持っていないことが伺える。今回それなりに気合が入っていて中身が伴っていたPCゲーム関連メーカーはNCジャパンだけだといってもよいし,ほかのブース各社にいたっては"申し訳程度に"置いてあったというレベル。PCゲーム市場の"人数上の小ささ"を考えても,ちょっと寂しい状況だ。
とはいえ,コンシューマゲーム業界ではまだまだ"メインイベント"であることは事実だし,コンシューマ/PCを問わず,年末のゲーム事情を占うもっともよい日程ではある。プレスの目も,まだしばらくは向いていることだろう。大物メーカーが出てこないのならば,いままで注目を集めなかったようなメーカーが登場してライトを浴びるチャンスでもあるわけだし,そういう意味でもまだまだ役目は終えられない。
今年の春の記者会見で,CESA会長上月氏は「E3に負けないショウにしたい」と語っていたが,公平に見て,まだまだ足元にすら及ばない。出展社のために料金体系の見直しなども再度考慮し,本当にE3に負けないショウになってくれることを期待してやまない。