Kim Hakkyu氏インタビュー

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〜多少のリスクを背負ってでも新しいことをやらないと,とうてい評価は得られないでしょう

通訳である,当サイト韓国スタッフKim,Dong Wookの言葉に真剣に耳を傾けるHakkyu氏
4G:
 しかしそういう部分を考えても,韓国のオンラインゲーム業界って一つの壁に当たってませんか? バブルがはじけた……までは言いすぎかもしれませんが,かつての勢いはどこにいってしまったのか。どれもこれも既成概念に捕らわれた同じもので,正直「またか」と思ってしまうものも多くなってきました。

Hakkyu:
 過去の成功事例だけを見て,それに執着して作品を作ってるからじゃないでしょうか。実験的な要素や挑戦的な要素を何も入れてないですしね。あれでは仕方のないことかもしれません。多少のリスクを背負ってでも新しいことをやらないと,とうてい評価は得られないでしょう。

4G:
 Granadoはそう考えると,ある意味リスクの塊みたいなものですね(笑)

Hakkyu:
 否定できませんね(笑)。3人のキャラクターを操作する,という部分が最大の特徴なのですが,サーバーレスポンスやキャラクターデータストレージなど,ゲームシステム以外の部分でも非常に危険な要素があるのは分かってます。

4G:
 リスクを冒す以上は,きっと何か勝算があるんですよね。

Hakkyu:

 ええ。いままでの韓国オンラインゲームには,パーティプレイという概念を重要視してキチンと作られたものは一つとしてありませんでした。それは自分の作ったROにしても同様です。
 かといって,EQみたいにパーティプレイを強制するようなものも作りたくなかったんです。それじゃあ今までの欧米MMORPGと変わらない。

4G:
 まったく新しい概念を持ち込んだわけですね。

Hakkyu:
 そうです。これからのMMORPGにおける"パーティプレイ"というものの,一つの新しい形の先駆けになりたいのです。

4G:
 しかしオンラインゲームの全部が全部,そういう思想で作られているわけじゃないじゃないですか? バブルの散った韓国オンラインゲーム市場は,今後どうするべきなんでしょう。まぁ日本なんかは元々バブルが来てないので,あんまり散った感覚もないんですけど……。

Hakkyu:
 日本の事情はともかく,韓国はなかなか難しいですね……。

4G:
 Game Infinity(韓国国営のゲーム振興団体)なんかの動きはないんですか? ああいうところが率先すべきじゃないかと思うんですが。

Hakkyu:
 開発とか技術とかの支援をしてくれるところじゃないですからね。ROのときも,技術的な部分での支援などは何もなかったですよ。というより,いままでGame Infinityにお世話になったのは,このCEDEC講演会で推薦していただいたこと以外覚えがないといってもいいかもしれません(笑)。

4G:
 あら,そうだったんですか。

Hakkyu:
 ホントに立ち上がったばかりの小さい会社には色々と支援してるようですけどね。でもどこの国もそうでしょうけど,そんなものを口開けて待ってるより,自分で直接行動起こすほうが早いと思いますよ。
 そもそもあそこは,そういう開発支援などというよりは,海外での展開という部分で協力してくれるところでしたしね。最近は技術支援などもしているようですので,そういう意味では開発者もありがたいでしょうけれど。

4G:
 なるほど。でもそうすると「海外で通用しそうな作品がない」という部分が問題になりませんか? 今度は。

Hakkyu:
 その"海外でも通用する"っていう部分,私ちょっと持論があるんですよ。ちょっと図で説明しますね(といっておもむろにホワイトボードに向かう)。


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