[E3 2004#145]「Battlefield 2」の続報:100人で対戦&弾丸が樹木を貫通!? - 2004/05/19 19:25

→E3 2004での「Battlefield 2」の第一報は,「こちら」

 2002年末にデビューして以来,二つの拡張パックと「Battlefield:Vietnam」をリリースしたDICE(Digital Illution CE)社が,新たに「Battlefield 2」を発表。今回のテーマは,現代兵器を使いながらもゲームを複雑化することなく,シリーズらしいアーケード風のアクションスタイルを維持するというものだ。
 DICE社のカナダ支部が主体になって開発し,プレイ感からグラフィックスまでが異なるものになっていたBattlefield:Vietnamを続編と考えてもよさそうなものだが,実際カナダ支部からはPlayStation2用に「Battlefiled:Modern Warfare」という同じ趣旨のゲームが発表されており,本社と支部で統制が取れていないのかとも考えてしまう。しかし,技術は共有しつつお互いのライバル関係を維持していくというのも,ここの社風なのかもしれない。

 Battlefield 2のデモで,まず観客達が目の当たりにしたのが,さらにディテールにこだわった最新のグラフィックス技術だ。NVIDIA社のGeForce 6800で動作していたというデモだが,レンダラは完全にシェーダ化されていて,画面上に映るすべてのピクセルは,個々に光が当たっている。ほとんどのオブジェクトや地形は,少なくとも5枚のレイヤーからなるテクスチャが施されているのだそうだ。
 もっとも,マルチプレイヤーモードが命のBattlefieldシリーズだけに,フレームレートに影響が出ないようにさまざまな技術を改良。グローバル・イルミネーションレンダリング技術とヘミスフェリカル・ライティングを併用したり,影の表現にも複数のアプローチを使うなどしている。アートに対するこだわりも尋常ではなく,タンクやヘリは少しさび付いたような色合いが出ているし,各プレイヤーがどのような兵器を携帯しているのかも,バックパックを見ればすぐに分かる。これは,Battlefield:Vietnamで見せたノーマルマッピング技術が進化したものだが,今回はピクセル単位での照明効果が適用されているとのことだ。
 ビルなどの建物も一つ一つが非常に詳細に作られており,市街地での戦闘のスケールと迫力が格段にアップした。ゲームへの参加人数に合わせて,街の建物の数を含めてマップの大きさが自動的に決定されるとのことで,閑散とした広大なマップで,敵を探してうろつき回るということはないだろう。

 進化したのはグラフィックスばかりでない。本作では,物質による弾丸の通過がすべてシミュレートされている。樹木の後ろに隠れてばかりいる勇気のないプレイヤーは,本作ではうまく隠れられないだろう。ハンドガンからロケットランチャーに至るまで,各弾丸の重さや武器の発射スピードなどの数値が計算されており,木や鉄板,レンガや土壁などを貫通する。もちろん貫通される側のオブジェクトの分厚さや進入角度によっては,弾丸の貫通後の威力が異なってくる。現在のところ,どこまで街を破壊できるのかは考慮中とのことだが,すべてのビルをタンクで破壊し尽くすというようなことにはならない模様。おそらくは「Red Faction」のように,あらかじめ指定されたものだけが瓦礫となるのだろう。

 オーディオエンジンも一新している。ドルビーサウンドやEAXに完全対応しているほか,ビルの谷間などのエコーで真価を発揮するDSP効果,さらにはヘリや戦闘機の通過時に音が変調するドップラー効果も取り入れているのだ。

 こんなにパワーアップさせて,マルチプレイで快適に遊べるのか気になるところだが,そんな心配とは裏腹に,Battlefield 2では最大100人の対戦モードをサポート。つまり,50人対50人という壮大な戦闘が楽しめるのである。かなりの規模の人数なので,本作ではチームではなくスカッドと呼ぶことになるそうだ
 スカッドの人数が増えている分だけ,Battlefield 2ではコミュニケーションを重要視しており,各スカッドは司令官役になるプレイヤーを選出しなければならない。この司令官は特別にミニマップでウェイポイントを指定できるようになっていて,また地域の詳細な情報を得られるような特殊ツールを所持している。
 ほかのプレイヤーも,まるで「The Sims」(シムピープル)のようなメニューを操作するコミュニケーションインタフェースを利用できるようになった。このインタフェースはプレイヤーが向いている方向にあるオブジェクトによって自動的に変化して,例えば正面に仲間がいるときと,タンクのような乗り物があるときでは,メニューのオプションも異なるものになっている。
 もちろんボイスチャットもサポートするとのことだが,このメニューの追加により,タイプでチャットメッセージを打ち込むよりも確実に迅速なコミュニケーションがとれるはずだ。

 DICE社の計画では,すべての対戦成績は公式サーバーへと報告され,対戦結果からキル数,ヒット率など細かい成績が世界規模で記録されることになる。もちろん,わざわざブラウザを開く必要も無く,ゲーム画面で確認できるようになっていた。
 Battlefield 2には充実したシングルプレイヤーモードもあり,AIや物理面でも大きな改良が見られる。発売は2005年の3月を予定しており,前作と同じく拡張パックも期待できそうだ。(奥谷海人)

「Battlefield 2」の記事一覧は,「こちら」


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