[E3 2004#087]あの隠れた名作の続編が登場「Kohan II:Kings of War」 | - 2004/05/16 07:29 |
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作品自体を知らない人のほうが多いと思うので軽く紹介しておこう。前作にあたる「Kohan:Immortal Sovereigns」とは,欧米ではとくに高い評価を得たファンタジーRTSの名作タイトルである。地味ながらもその確かな面白さを感じさせる作風は,まさにRTS界の"いぶし銀"とでも呼ぶべきもの。米国のPCゲーム雑誌であるPC Gamerから2001年度PC Game Strategy of The Yearに選出されているなど,本作は,目の肥えた各国のメディア/ゲーマーを唸らせるに至った"本物"の名作ゲームなのだ。まぁ確かに日本では無名に等しいが……。 Kohan II:Kings of Warとは,そんな名作の満を持しての続編として,前作のファンを中心としたゲーマー達から密かに期待されている作品。前作のファンだった筆者もその例に漏れず,ひっそりと期待しているといった具合である。 ……しかしながら,やる気満々で取材を試みた筆者だが,残念ながらプレイアブルな状態のKohan IIに触れることは出来なかった,というのが事の顛末。というのも,販売元であるTake Tow Interactive Softwereのクローズドブースは,いわゆる"ビジネス・ルーム"となってしまっており,各国のパブリッシャーや開発といった身内以外はまったく入れない状態のそのブース内に,筆者が入ることは許されなかったのである(入り口のすぐ側,目の前にあるのに!)。 ただ妙に克己心がくすぐられてしまった筆者が,違うブースのほかのゲームの紹介のため常駐していたTimeGate Studios(開発元)のスタッフに話を聞いてみたところ,「作品の露出展開はパブリッシャー側に権利があって,僕らはなかなか口を出せないんだよ」と苦い顔をしながらも,快くいくつかの質問に答えてくれた。さらには,小さいメーカーが寄り集まるKentiaホールの一角にあるTimeGate Studiosのブースの場所も確認。そこでは,ビデオ映像ではあるが,Kohan IIのプロモーションムービーを見ることができた。ゲームの簡単な紹介を交えながら,早速仕入れた情報をお伝えしていきたい。 前作との違いとしてまず最初に目に付く要素は,元々2Dベースの作品だったKohanから一転,フル3D化が図られている点が挙げられるだろう。フル3D化することによって,より派手で迫力のあるエフェクトや演出が表現できるようになったほか,天候という新たな概念も追加。天候は,前作の地形の高低差や防御効果と同様に,戦闘や魔法に大きな影響力与える要素になっているのだという。 グラフィクスのレベル自体は,並よりちょっと上という程度でそれほど新鮮味はないものの,ユニットのきめ細やかなアニメーションや,魔法などのエフェクト処理は,非常に丁寧な作りでさすが職人芸。とにかく地味さが最大の問題点だった前作に比べると,"戦闘の賑やかさ"という面ではかなり改善されているといっていいだろう。 聞くところによると,ゲームエンジンにはNumerical Design Limited社のGamebryoエンジンを採用。著名かつ定番のゲームエンジンを採用することで,より"ゲーム部分の開発"に力を注いだのだという話だ。このあたりは,地味だけど良い仕事してます! というKohanを作った彼ららしいコメントのように思える。 Kohan IIで登場する種族は,HumanやUndeadを始めとした全6種類。その中から一つを選び,敵対する勢力と戦っていくことになる。それぞれの種族には,テクノロジーツリーの進化の系統に影響をおよぼす五つの政体が用意されており,多種多様な戦略や戦術を編み出していくことができるという。種族の特徴についての具体的な話は分からなかったが,前作と同様にユニークユニットや特殊ボーナスが振り分けられる形になるようだ。 またマルチプレイに関しては,最大8人までの対戦/協力プレイに対応しているほか,専用のゲームサーバーでは,"Start Traking System"という,いわゆるオートマッチング機能が設けられるとのことだ。さらに筆者の質問に答えてくれたChristina Ginger氏によれば,Rankingシステムなどの実装について(まだ確かなことは言えないという前振りはあったが),Playerのプレイ傾向(どの種族,どのユニットを使っているのかなど)を解析するようなシステムは既に開発してあり,それをどう見せていくかはこれから考える段階だという話。マルチプレイの遊びやすさなどについても,なかなか期待できそうな雰囲気である。Battle.netとまではいかないまでも,できるだけ遊びやすい環境も一緒に用意してもらえるのはありがたいことだ。 ともあれ,日本での知名度は皆無に等しいKohanだが,筆者としては,今年度のRTSの中では,ダークホースの筆頭になるのではないかと睨んでいる。今後の動向が気になる作品だといえるだろう。 これは完全に余談だが,実は前作となるKohan:Immortal Sovereignsは,「コーハン 〜不滅の王国〜」という名前で日本語版も発売されている。ただ残念ながら数自体はあまり売れなかったようで,つい少し前にも,秋葉原のワゴンセールで1000円以下という捨て値で叩き売りされていた。「面白いゲームなのに……」と少々悲しい気持ちになったのが記憶に新しい。(TAITAI) Copyright 1998-2004 TimeGate Studios, Inc. All rights reserved. |