[E3 2004#081]二つのコントロールモードを駆使するRTS「Soldiers:Heroes of World War II」 - 2004/05/15 23:38

 E3最終日にひとけの少なくなったタイミングを見計らって,Codemasters社のブースを訪れた。もう三年ぐらい連続で見ている気がする「Dragon Empire」や,つい最近プレイアブルデモがリリースされたばかりの「Perimeter」はとりあえず置いといて,第二次世界大戦ゲームファンも首を長くして待っているであろうRTS「Soldiers:Heroes of World War II」を早速チェック。

 まずはタイトルの概要を簡単に説明しておこう。
 本作は第二次世界大戦を舞台にしたRTS。プレイヤーは,アメリカ/ロシア/イギリス/ドイツいずれかの特殊部隊を率いて,アサルトやスニークといった30のミッションとミッションを進めていくうちにノンリニアに次々と追加されていくオブジェクティブに挑戦する。 グラフィックスはジオラマライクに描き込まれた3Dを採用していて,ヨーロッパの片田舎や戦闘で荒れ果てた市街地,また戦車やユニットの武器・衣服など,すべて当時の資料を基にデザイン。まぁこの辺りは最近のWWIIRTSならキチンと実装している要素だし,以前当サイトに掲載した「こちら」のプレビューを見ていただければあらかた全貌は掴めるはずだ。

 さてCodemastersのスタッフがまず見せてくれたのは,本作のキーフィーチャーの一つであるオブジェクトへのインタラクティブ性,つまりマップを構成する木や家屋,橋といったものをすべて破壊できるという点だ。デモンストレーターが気を利かせて戦車を使って子供のようにマップをぐちゃぐちゃにしてくれたわけだが,レンガ造りの塀がガラガラと崩れたり,砲撃によって木々とそれに隠れた敵ユニットもろとも吹き飛ばす様子はかなり真に迫る。さらに砲撃により発火した木々は,風の影響で次々と燃え広がって,身を隠していた敵兵士をワラワラとあぶり出たりもしていた。





 次に見せてくれたのは,ユニットのコントロールモードについて。
 本作には,ユニットを複数選択してAIの自動経路選択を効かせながら行軍するRTSの古典的な操作方法(チームモード)と,兵士や戦車など単一のユニットを個別に操作する方法(ダイレクトモード)の二種類のコントロールモードが存在する。つまり前線までの戦略的な行動は前者で行い,敵ユニットとの距離が詰まったら,兵士一人を選択して工作任務に向かわせたり,敵と対峙した場合はアクションゲームライクに,完全なマニュアル操作を行うといった具合。その場合の兵士の射撃は敵ユニットを指定する方式ではなく,すべてマウスカーソルでアナログに操作してやる必要がある(操作できる)。
 またダイレクトモード時は,兵士が個別に有しているインベントリを操作することができ,シチュエーションに合わせて車輌にストックしてある手榴弾を持ち出したり,ときには戦車の機銃を取り外して使用したりといったことが可能になるのだ。

 ちょうどその場面を実際にプレイしてもらって,本作のプレイの比重はどちらかというダイレクトモードにあるという印象を受けた
 というのも,一人の兵士を操作して物陰に隠れながら銃撃戦を行うと,割とスムースに敵小隊を殲滅できていたためだ。もちろんこれは設定難度によるものかもしれないが,本作のサブタイトルにもある通り,局地戦は単独でグイグイ進められるヒロイックなゲーム展開となりそうな雰囲気。市街戦では,建造物の窓ガラスから覗くスナイパーをダイレクトモードで狙い撃ちするなどという具合に,本作が要求してくるアクション性もチラホラと垣間見えた。本作にガチガチのRTSプレイを期待している人は,胸に留めておいてほしい。

 Soldiersは,欧米で2004年6月に発売される予定。マニア層に訴えかけるユニットのマネジメントとアクション性の高い操作,また派手な戦闘も行える欲張りなタイトルとして非常に期待が持てる一本なので,ぜひ動向を追っておこう。(Gueed)

→「Soldiers:Heroes of World War II」の記事一覧は「こちら」

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