「バトルフィールド1942」「バトルフィールド ベトナム」と続いたバトルフィールド(以下BF)シリーズだが,発売元のElectronic Artsが,BFシリーズ最新作として現代戦をテーマにした
「Battlefield2」を制作すると発表したのが2004年4月20日のこと。詳細はE3で,ということでかなり期待していたのだが,約束どおり実際に動くゲームを見ることと,いくらかの追加情報を得ることができた。
特設ブースで説明に当たったプロデューサーのSean Decker氏は,冒頭,
「われわれのBFシリーズはマルチプレイのアクションゲームとして大きな人気を獲得したが,つねにCounter-Strikeに次ぐ2番手の位置を変えることはできなかった」とかなりストレートな発言。BF2は,その歴然とした事実に対する解答だというのだ。新しいエンジンによるグラフィックスの向上とインタフェースの改善により,いままでのオンラインアクションゲームになかったようなリアリティの実現を目標にしている。
今回デモに使われたのは,発表されたスクリーンショットにも登場する中東をモデルにした石造りの市街地で,まず,薄い壁を通して敵兵を倒した後,今までのBFシリーズを上回るようなディテールで描かれたM1エイブラムズ戦車が登場し,爆音とともに砲撃。続いて,ロシア軍のツングースカ対空戦車とアメリカ軍のコブラ対戦車ヘリコプターが対決するシーンが続いた。コブラがフレアをまき,ツングースカの対空ミサイルがそれにつられて目標を外すが,さらに砲撃を続けてコブラを破壊するという一連のシーンが,スピーディーに繰り広げられた。筆者も含め,ここで思わず身を乗り出すギャラリー多数。マップ一つでいいから,今すぐ売り出してもらいたいと願ってしまうほどの迫力だ。
実際に建物を壊すところは見られなかったが,製品では多くのオブジェクトが破壊可能になるとのこと。戦況によってマップの状況が逐次変わっていった場合,全プレイヤーの整合性を取る必要上,ネットワークの通信量はかなり多くなってしまうはずだが,そのあたりをクリアできれば,リアルさはこの上ないものになるだろう。
また,面白いというか,デベロッパであるデジタル・イリュージョン社らしいのは,
倒れた味方に心房除細動器(つまり電気ショック)を当てて蘇生できることだ。白目をむいて倒れている味方の胸に電気ショックを与えると,一回びくりと痙攣し,即座に飛び起きて戦闘に再参加する。リアリティという点から見ればまったく変だが,ゲーム的に使えそうなのでやっちゃおうといういつもながらの雰囲気が潔い。この電気ショック,元気な敵兵に加えると気絶するので,モラル的にやや問題が残りそうだが武器としても使えそうだ。製品になったときにこのフィーチャーがどうなるかはわからないが,個人的にはぜひ残してほしいところである。
ほかにも,AI兵士のコントロール方法が整理されて使いやすくなったり,仲間から弾薬をわけてもらえるなど,ゲームシステムにもきめ細かい改善がなされていることが我々に知らされた。すでにニュースでお知らせした「コマンダーモード」に関しては,現在のところ未定の部分が多いとのことだが,戦歴やプレイ時間,勝利数などで,全世界のプレイヤーにおける自分のランキングが決定し,それによって階級やステータスが上昇していくという機能は実現させる。また,参加人員によってマップの広さがダイナミックに変化し,つねに適当な人口密度で戦うことができる,といったほかには見られないような機能も実現される予定だ。
大きく進化する予定の人気オンラインアクションゲーム,BF2。2005年の発売まで注目を続けていきたい。例によって例のごとく,動くものは見せてくれているものの撮影禁止でプレスキットに写真なし,というメディアに優しいのか優しくないのか分からない状況なので,ムービーもないし写真もほとんどありません。ごめんなさい。(松本隆一)