[GDC2004#08]レクチャーで,Civilizationシリーズの新作が発表に! - 2004/03/27 19:15

〜レクチャー3:Civilizationシリーズの新作発表!
The Civilization Series:How to maintain a Successful Franchise

 Firaxis Software社ソーレン・ジョンソン(Soren Johnson)氏は,分業の進む現代の開発者達の中では珍しい"なんでも屋"。Electronic Arts社でテスターとして採用されたのちにデザイン部門で活躍。2000年にFiraxis Software社に移籍すると,リードプログラマーとして「Civilization III」(邦題「シヴィライゼーションIII 完全日本語版」)のAIコードの改良などを担当した。
 今回のGDCにおいて,同氏は「The Civilization Series:How to maintain a Successful Franchise」という講義を行い,シリーズ化されたヒット作に起こりやすい間違いや対策について語った。

 ゲームを販売する側にとっては,ゲームのシリーズ化は非常に魅力的なビジネスである。ある程度の売り上げが予想できるだけでなく,シリーズファンからフィードバックを受けることでゲームの質を洗練することもできる。
 その一方で,ジョンソン氏の言葉を借りると,「開発者にとっては,どこまで新しい要素を取り入れるのか,ファンの許容範囲の測定は難しい」ものだ。とくに,仕上がり次第では簡単に人気が急降下してしまうのも,ゲームソフトの虚弱性なのである。
 ジョンソン氏は「Civilization III」をケーススタディとして利用し,失敗しないシリーズの作り方を講義した。Civilization IIIは,50ユニット,60以上の建築物,そして80種類のテクノロジなど,見た目以外では,従来作からほとんど変更のない部分も多い。「シリーズ作品の魅力となっている中核部分を理解しながらも,まったく新しい仕様にすることを恐れてはいけない。我々がCivilizationで学び使用した方程式は,"ゲームの3分の1は古いままに,3分の1は改良し,残りの3分の1に新要素を積め込む"ことである」と説明した。

 ジョンソン氏は,この継続性に関して,Civilizationの次の作品の構想を公開することで"3分の1の新要素"を説明。
 その作品とは,2003年に発表されたばかりの「Sid Meier's Pirates!」ではない。ジョンソン氏がプロジェクトリーダーとなって秘密裏に進行していた,まったく新しいプロジェクト「Civilization IV」である。まだ企画段階とのことで詳しい説明はなかったが,今回のGDCが初めての発表の場となった。
 Civilization IVは,バラックから世界の不思議に至るまで,都市ごとの建築物が3D化されたメインマップで表示されることになる。プログラムはすべて一から書き直されており,マルチプレイヤーモードやMODなどにも柔軟に対応できる予定とのこと。プレイに関する新要素としては,前作で加わった文化圏の概念に加えて,文明ごとの"宗教"にも気を遣った勢力範囲が考案されている。そしてインタフェースの改良や,ロールプレイングゲームの要素を取り込むことなどが,意欲的に実験されているということだった。
 本格的に発表されるのは来年以降となる予定で,画面写真などもしばらく出てこないだろうが,このシリーズもさらに発展していくことが分かったのは大きな収穫だった。(奥谷海人)

※下の画面写真は,「シヴィライゼーションIII コンクエスト 完全日本語版」(記事一覧は「こちら」)のものです

(C) 2003,2004 Atari Interactive, Inc. All Rights Reserved. Manufactured and marketed by Atari, Inc., New York, NY. All other trademarks are the property of their respective owners. Sid Meier's Civilization, Civ and Civilization are U.S. registered trademarks. Firaxis Games is a trademark of Firaxis Games, Inc.


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