ニフティ,ハイスピードアクションゲーム「STEEL FANG」の独占提供を発表 - 2004/02/23 20:14


 本日(2004年2月23日)ニフティは,オンライン対戦に対応したハイスピード・アクションゲーム「STEEL FANG」(スティール・ファング)のプレス発表会を行った。

 ゲームの詳細部分は後ほどお伝えするが,STEEL FANGとは,カプコン/セガ/ネクステックの3社が共同開発を行ったアクションゲーム。「バイオハザード」を開発したカプコン第4開発カンパニーが監修,世界観設定に宮武一貴氏(スタジオぬえ),キャラクターデザインには箕輪豊氏を起用するなど,豪華なスタッフ陣が大きな特徴だ。国産のPCゲームとしては珍しい3Dアクションというジャンルも含め,いろいろな意味で注目の作品だといえる。
 運営に関してはニフティ側が行い,@niftyのIDがないとゲームをプレイできないというところも重要なポイント。インターネット/ブロードバンド環境が急速に整いつつある昨今,プロバイダー間のコンテンツ獲得競争が激しさを増しているという流れがあるが,このSTEEL FANGも,そういった背景を多分に含んでいる作品だといえるだろう。

 発表会は,ニフティ本社がある大森ベルポートA館の6階にあるプレスルームで行われた。まずは,ニフティのコンテンツ部 部長である木皿信也氏が挨拶を行い,その中で「ブロードバンド普及が驚くほど進んでいる今,ニフティとしてもコンテンツ部分に力を入れていきたい」と語り,続けて「スティール・ファングは,今年の目玉となるコンテンツだと思うし,期待もしている。我々が運営するGame@niftyでも積極的に展開していく」と,本作そしてゲームコンテンツ事業に賭ける意気込みを語った。



 続いて,セガのPC・アジアビジネス部 部長である株田実氏,カプコンPCパブリッシング室 室長の久永智之氏らによる,本作の開発の経緯や,カプコン/セガ/ネクステックの協力体制についての説明が行われた。ここでは,元々開発の企画(……というより,話の発端)自体は,セガからの提案によるものだということなどが明かされたほか,各企業間の関係や協力体制についての解説などが主な内容。
 説明によれば,この3社はドリームキャストで発売された「バイオハザード コード:ベロニカ」で一度共同開発を行っており,バイオハザードを手掛けたチームを使って何かオンラインゲームを作れないか? という流れが,STEEL FANGの開発に繋がったのだそうだ。セガ側は開発自体にはタッチしておらず,カプコンもあくまで"監修"という立ち位置。実際の開発/エンジニアリング部分に関しては,ネクステック社が全面的に請け負う体制になっているという。
 とはいえ,作品の大枠となる方向性などは,カプコン側が大きく関与しているとのことで,カプコンの久永氏によれば,既存のオンラインゲーム……中でもとくにMMORPGとの差別化として,「気軽に遊べる」「時間的制約がない」などをキーワードに,上級者と初心者が一緒に遊べるようにと導入した"ランクシステム"や,国内マーケットを意識したうえでのキャラクター性の重視,そして"分かりやすい"三人称視点でのアクロバットアクションなど,細かくアドバイスを提示していったという話。イメージとしては,気軽に遊べて気軽にやめれる,ゲームセンターのような感覚を考えているとのことだ。



 最後は,STEEL FANGのゲームディレクターを務める寺岡大介氏が登壇し,ゲーム自体の概要について説明を行った。説明の中で寺岡氏は,「アクション性とスピード感をとにかく重視した。目指したのはワイヤーアクションのような動き」と,本作の特徴であるスピード感/アクション感を解説。また「オンラインゲームだと,ネットワークの同期の問題などもあり,キャラクターの動きの速いオンラインゲームを作るのは本当に難しかった」と,開発の苦労話なども披露した。
 ほかにも寺岡氏は,本作を作るにあたって影響を受けた作品として,「カウンターストライク」や「アンリアル トーナメント」といった対戦型のアクションゲームとして世界的な知名度のあるタイトルの名を挙げ,それらの作品の完成度の高さを認識した上で,STEEL FANGがまた違う方向性の作品であることを強調し,発表会を締めくくった。

 日本の大手ゲームメーカーによる新たなオンラインゲームの発表,それが"MMORPGではないこと"など,そしてニフティによる独占提供……などなど,何かと話題の尽きない本作。今後βテスターの意見を積極的に取り入れてブラッシュアップを行い,より高い完成度を目指してもらいたいものだ。
 ちなみにニフティによる独占提供という部分だが,現状ではまず6か月の間ニフティ独占という形を取り,その後の予定は未定だとのこと。STEEL FANG自体の展開はもちろんだが,日本において,オンラインゲームがブロードバンドコンテンツの主軸になり得るのか否か,関係者の注目が集まっている。(TAITAI)


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