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2月11日15時からオープンβテストが開始されたエヌ・シー・ジャパンの「リネージュII」で，同社は同日23時30分のプレスリリースで，テスト開始時の登録者数が11万人，同時接続者数が2万人以上と発表した。また「こちら」のNewsでお伝えしたように，オープンβテスト開始までは4台のサーバーで行われるということだったが，開始後にプレイヤーが殺到してログインできない人が続出したために，2台のサーバー（Open Beta 5と6）を追加するという柔軟な対応をも見せており，本気の姿勢が伺える。
とはいえ今回のオープンβは，久々のMMORPG超大作オープンβということもあり，プレイヤーの殺到具合はかなりのもの。NC Japanは，久しく体験していなかった"ラッシュ"のツラさを味わったのではないだろうか。
さらに，
・前日深夜になって，配られていたクライアントソフトにバグが発覚（「こちら」参照）
・当初13時から開始される予定だったβテストが，上記クライアントのバグという問題（NCJ発表）により急遽15時からのスタートに変更
・その15時からというリリースが事実上13時の直前に行われ，プレイヤーにメールで知らされたのは14時前後
というわけで，のっけからハプニングに富んだオープンβテストとなった。
またサーバー追加のタイミングと前後する夕方あたりから激しい通信遅延（ラグ）が発生し，ゲームサーバーは10数分おきに数え切れないほどダウン（もしくはサーバーからKick）。さらには，10秒動いて1分以上止まった状態といったような感じで（お約束だが，その間も敵は動いている），多くの人がほとんどまともにプレイすることができなかったというのが真相だ。移動や戦闘はもちろん，チャットでさえままならない状態。サーバーダウンは時間と共にだいぶ減ったものの，サーバーからのKickとラグに関しては原稿執筆時点（2月12日2時）でも根本的な解決策が見出されていないようで，完全には解消はされていなかった。人の減り始めた4時あたりにはだいぶまともにはなったものの，まだ"通常のストレスがないプレイ"とはいかない状態だ。ヒットアンドアウェイでのハンティング（引き狩り）がメインとなるメイジタイプの人などは，かなりの苦渋を舐めたのではないだろうか。
2月11日は休日で，しかもオープンβ初日。少なくとも"7万人"という登録数は分かっていて，わざわざプレイヤーが殺到するような日付を選んでおきながら最初にサーバーを4台しか稼動させなかったのには，やや疑問を感じざるを得ない（公式発表では1台あたり5000人収容）。むろんオープンβというのはメーカーにとって，「収入は入らないけどお金だけは出ていく」かつ「莫大なプロモーション効果がある」という痛し痒しのもので，運営コストの面から考えてもそうそう簡単にサーバーを動かすわけにはいかない事情は理解できる。しかし"テスト"という意味合いが事実上形骸化している現状ではプロモーション効果が重要なわけで，その面から見ると"やや甘い判断"だったのではないだろうか。
また今回はパッケージ版も作ってβテストを行っているので，いくら"オープンβテスト"とはいえお金を払って参加している人も大勢いる。むろん"ダウンロードの手間を省いて立派なグッズもついている"と言われればそれまでだし，それはある意味正論なのだが，買ったユーザーでそう思っている人は少ないだろう。そのような部分を鑑みても，"MMORPGに明るい企業"（というより本業だ）のサービスとしては，やや不満の残る対応だったと言わざるを得ないかもしれない。初めてMMORPGをサービスインさせるような会社ならまだしも，老舗ともいえるNC Japanというブランドに期待したプレイヤーも多かったのではないだろうか。
状況を見て即サーバー増設などの柔軟な対応を見せたものの，最初から最後まで波乱に富んだ"オープンβ初日"となってしまった今回のテストスタート。イベントやプロモーションなどで同作を知った，始めてMMORPGをプレイしたような人にとっては，かなりイメージの悪い出来事として写ってしまったのではないだろうかと心配でならない。通信ラグの問題が解決していなければ，今週末（2月14/15日）にも同様の混乱が起こるであろうことは容易に予測できるので，MMORPG運営ノウハウに定評のあるNC Japanには，ぜひともがんばってほしいところだ。なにせ今回のこの騒動，元を正せば，リネージュIIがプレイヤーから「絶大な期待を持たれている」ということなのだから。（Kazuhisa）
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