[ECTS総力レポート#10]あのTRPG界の重鎮が,遂にMMORPGを発表! | - 2003/08/29 18:42 |
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ゲイリー・ガイガックス(Gary Gygax)氏といえば,テーブルトークRPG界では教祖的な存在として知られる人物である。今から25年以上も前に完成させた「Dungeons & Dragons」は,現在でも定番のTRPGとして数えられているだけでなく,あらゆるコンピュータRPGが影響を受けた作品だといっても過言ではない。加えてそのガイガックス氏が新しく発表した「Gary Gygax's Lejendary Adventures」も,RPGの新たなスタンダードとなるべく,現在多くのファンを獲得しつつある状況だ。 そのPC版ともいえる「Lejendary Adventures」のデモが,ECTSにて初公開された。開発はオランダのDreams Interactive社が手掛けており,ガイガックス氏は助言役としても参加しているらしい。とくにMMORPGは,複数人数参加型の新しいRPGとして,ガイガックス氏自身が多大な興味を示しており,実際に「Lejendary Adventuresのゲームシステムそのものが,ペンと紙よりコンピュータに向いている」と発言をしているほど。今回のデモは,静止状態のキャラクターが一体しかいないループムービーではあったが,映像を見る限り,本格的かつ重厚な世界観/システムを持つMMORPGになるのは間違いないようだ。 完成すれば……という仮定でしかないが, Lejendary Adventuresはかなり自由度の高いゲームになる見込みで,プレイヤーがストーリーやクエストに引っ張られていくのではなく,それらを自分で作っていくという趣向になる模様。非戦闘系のスキルをも重視したスキルベースのシステムを搭載し,戦いに依存しなくても十分にレベルを上げていけるという。もっとも戦闘に関しては,レベルが高くなるほどスペルに依存するのを嫌い,ウォーリアーなどの戦士系クラスが強めに設定してあるらしい。肉弾戦クラスを重要視していることからも,戦闘システムはかなりテンポの良いものを期待できそうだ。 また本作でとくに注目されるのが,"グリーファー"とも呼ばれる他人への迷惑行為を楽しむプレイヤー達への扱いである。 Lejendary Earthと呼ばれるその世界は"複数の領域"で構成されており,プレイヤーのプレイスタイルに合わせて,プレイヤーが各地域に自動的に送られていくのである。これらの領域では,プレイヤーが政治参加することも可能で,やりようによっては実際にその世界(地域)を動かしていくこともできるとのこと。 ゲームの開発状況は未定だが,今回のデモの雰囲気からして少なくとも後2〜3年はかかると思われる(システムもかなり複雑だろうし)。とはいえ,あのガイガックス氏がコンピュータゲームの世界へと参入したことだけでも,十分に大きなニュース。硬派なRPGに目がない人は,Lejendary Adventuresの今後に注目しておくといいだろう。(奥谷海人) |